不動産投資を始めようとしたとき、「不動産投資は絶対に儲からないよ」といわれたことがある人も多いのではないでしょうか。
しかし、利回りなどをきちんと考えて続けていくことで、大きな収益が期待できる投資のひとつともいわれています。
今回は、不動産投資が儲からないといわれている理由のほか、不動産投資で失敗しやすい人の特徴について解説していきます。
また、不動産投資でしっかりと利益を出すためのポイントもご紹介しますので、不動産投資を成功させたいと考えている方はぜひチェックしてみてください。
「不動産投資は儲からない」は間違い!
不動産投資は投資のひとつなので、事前に自分のリスク許容度を確認してから実践する必要があり、楽に儲かるというものではありません。
また、資産ともなる不動産ですが、初期投資に大きな資金が必要となるのも事実です。
しかし、勉強や情報収集に励み、綿密な資金計画を練ることで、失敗のリスクを減らすことができます。
不動産投資が儲からないといわれる理由
不動産投資について学んでいけば、「不動産投資は儲からない」という結論にはいたらないものの、やはりリスクが高い投資のひとつだといわれています。
その理由は、いずれも不動産投資に対する以下のような勘違いから生まれるものだといえるでしょう。
短期間で儲けることが難しいため
不動産投資には、売却によるキャピタルゲインと、ワンルームマンションを賃貸に出して家賃収入を得るというインカムゲインという2種類の収益方法があります。
キャピタルゲインによる儲けはそのとき限りで、タイミングによっては売却損となってしまうことも少なくありません。
一方、インカムゲインは長期間にわたって収益を得ることができ、それが積み重なることで大きな資産となります。
また、不動産の売却益にかかる譲渡所得税についても5年未満では高く設定されていることから、不動産投資は短期間で儲けることが難しい投資方法だといわれています。
表面利回りばかりが注目されるため
ワンルームマンション投資やアパート経営などで不動産を探しているときに、広告上でよく目にするのが「利回り」です。
物件の収益性を測る利回りには「表面利回り」と「実質利回り」の2つがあり、広告上で見られるのは「表面利回り」となります。
【利回りの種類】
表面利回り(%) | 実質利回り(%) |
---|---|
年間家賃収入÷物件購入価格税込×100 | (年間家賃収入-年間維持費)÷(物件購入価格+購入時諸経費)×100 |
上記のとおり、表面利回りには、不動産経営で管理会社へ支払う管理委託料や火災保険料、物件購入時のローン諸経費などが加味されていません。
表面利回りだけを意識して不動産投資を続けても、期待した儲けにはなりませんので、不動産を選ぶ際には実質利回りを試算してみることが重要といえます。
リスクが多いとされるため
不動産の購入にはまとまった資金が必要であり、空室発生・家賃下落の可能性もゼロではないため「不動産投資はリスクが高い」といわれることも多いです。
しかし、人が生きていくうえで「住環境」は大事なもので、その需要は安定しており、家賃の変動もそこまで大きいものではないといえるでしょう。
不動産投資は、投資信託などに比べればリスクは高いものの、売却で一気に大損することもある株式投資に比べればリスクは低いといえます。
不動産投資で儲からない人の特徴
では、実際に不動産投資で儲けを出すことができていない人にはどのような特徴があるのでしょうか。
ここからは、不動産投資で失敗しがちな人の特徴について解説していきますので、自分自身にあてはまっていないかどうかチェックしてみてください。
株式投資や事業投資と同じように儲かると思っている
前述のとおり、アパート経営やワンルームマンション投資は、中・長期的におこなうことで安定した収益を得ることができる投資方法です。
株式投資や事業投資とは根本的に性質が異なり、短期で儲かるものとはいえません。
その結果、収益の低さに我慢できず、よりリスクの高い物件に手を出してしまうことも少なくないのです。
新築物件を購入している
空室発生を防ぐために、投資用に新築物件を購入しようと考える不動産投資家も多いのではないでしょうか。
しかし、新築物件は中古物件に比べてその価格が高く、利回りも低いといわれています。
仮に新築でも、1回入居者が入れば物件価格は約20%も一気に下落するといわれているため、新築物件は不動産投資に向いていないと考えるのが無難です。
費用や税金の計算をしていない
不動産投資では、土地や物件の購入で大きなお金が動くほか、毎年確定申告が必要になるなど、お金に関しての計算が必須項目となります。
物件の購入や維持にかかる諸費用、税金なども資金プランに入れておかないと、不動産投資の失敗につながります。
不動産投資についての勉強が不足している
不動産投資について自ら勉強せず、最初にコンタクトを取った不動産会社のアドバイスをうのみにして不動産を購入する方も珍しくはありません。
しかし、これで失敗しても最終的には「自己責任」となり、損失が出た分は自分で対処する必要があります。
失敗を招かないためにも、不動産投資について意欲的に勉強をして、しっかりと利益を出していきましょう。
計画性がない
不動産投資では、物件の購入時から将来にわたり、しっかりと資金のシミュレーションをすることが大切です。
また、万が一物件を売却することになる場合のことも想定して物件を選ぶ慎重さも欠かせません。
このような計画性をもたずに不動産投資をおこなうと、失敗につながる可能性が高くなります。
楽観視しすぎている
友人などに勧められるまま物件を購入したり、将来的に周辺エリアが発展する可能性があるといわれて即断したりするなど、不動産投資を楽観視しすぎるのは危険です。
しっかり考えてから物件を購入しないと、相場より高く物件を購入することになった、周辺エリアの再開発計画が頓挫して入居率が下がったなどという事態になりかねません。
不動産投資でしっかりと利益を出すためのポイント
不動産投資で利益を出すためには、以下の4つのポイントを押さえることが重要です。大きな失敗をしないよう、正しい手順を踏んで実践していきましょう。
長期的な投資計画を立てる
物件を決める前に、諸費用としていくらかかるのか、運用時に維持費はどのくらいか、売却時にはいくらくらいで売れそうかといった試算をしっかりとおこないましょう。
また、金融機関から融資を受けて物件を購入した場合には、実質利回りを出し、おおよそ何年でローンを完済できるのかということも確認してください。
このような投資計画を立てることで、失敗のリスクを大きく減らすことができます。
本やセミナー、大家の会などで勉強・情報収集する
不動産投資の初心者の場合、物件を探し始める前に、まずは本やブログなどで勉強するようにしましょう。
さまざまな情報を得ることで、自分の投資スタイルが確立されます。
また、不動産投資会社の主催するセミナーや大家の会など、投資経験が豊富な方の話を聞ける機会もありますので、一度参加して情報収集をすることをおすすめします。
賃貸需要が高い都心の中古物件を狙う
不動産投資で失敗が少ないのは、需要の高い都心にある駅近の中古ワンルームマンションでしょう。
物件価格も高すぎず、ローンの期間も短く済みます。
また入居率も下がりにくいため、家賃収入が途絶えるリスクも低いといえます。
ハイリターンを求めない
物件をローンで購入した場合、ローン完済後には家賃収入だけが残ることも、不動産投資の大きな魅力のひとつです。
中・長期的な視点が必要な不動産投資をおこなうときは、ハイリターンを求めず、地道に収益を積み上げていきましょう。
まとめ
不動産投資は短期的に儲かるものではなく、長期的に安定した収益を上げていくことのできる投資方法です。
不動産投資で成功するためには、綿密な資金計画を立てることが重要です。
これから不動産投資を始めようと考えている人や、現在投資をしているけれどうまく進んでいないという人は、今回ご紹介した「利益を出すポイント」を把握してから実践してみてはいかがでしょうか。