老後資金として必要な貯金額はどのくらいになるのか、老後を乗り切るために、貯金の他に資産形成のポイントとなるものは何か、これらについてご説明します。
目次
老後の資金として必要な貯金額は夫婦2人で3,000万円以上
老後の資金としてどのくらいの貯金額が必要になるかは、どこから老後と考えるかによっても異なってきます。
公的年金の支給開始年齢はかつて60歳だったのが今では65歳となっており、将来的にはさらに支給開始年齢が高まることが予想されるからです。
「年金受給開始年齢までしっかり働いてマイナスを出さないようにする」と考えた場合は、老後資金として夫婦2人で3,000万円以上の貯金は用意しておきたいところです。
これは公的年金でもらえる額と、実際の生活でかかる金額とを比べると少なくとも毎月5万円程度のマイナスが出るケースが多いうえ、老後は突発的な支出や医療・介護・葬儀などに関する費用が発生する可能性が高いためです。
これが90歳あたりを寿命と考え、夫婦2人の世帯で「60歳からを老後」と考える場合には5,000万円程度は必要となってきます。
老後を乗り切るための資産形成のポイントは個人年金保険と不動産投資
老後を乗り切るためのお金を貯金だけで乗り切ろうとすると、3,000万円、あるいは5,000万円という、かなりのお金が必要となります。
現実問題として、貯金だけで老後を乗り切るだけのお金を用意するのはかなり困難な部分があります。
そうした貯金だけでは難しい部分を補うための資産形成法としておすすめなのが、個人年金保険や不動産投資の活用です。
もちろんこれらの資産形成法にもそれぞれメリットとデメリットがあります。
それらについてご説明しましょう。
個人年金保険のメリットとデメリット
まず、個人年金保険のメリットを2つご紹介します。
- 貯金よりも利率が良く積立金額よりも多い年金額を受け取れる
- 源泉徴収の対象になるため所得税や住民税の節税になる
節税できた分をさらに貯金に回す、という手を使えばなお有利になるのでおすすめです。
しかし、以下のようなデメリットも存在します。
- 中途解約をすると元本割れしてしまう
- 万が一保険会社が破たんしたら、その悪影響を受けてしまう
個人年金保険は預貯金と違って「元本1,000万円までと破たん日までの利息を保護してくれる」という制度はありません。救済措置はあるものの、契約条件などが変更になり、受け取れる年金額が減らされてしまう可能性があるため、保険会社の経営状態の信頼度にも注意が必要です。
不動産投資のメリットとデメリット
アパートやマンションなどを持ち、それを賃貸物件として貸し出して家賃収入を得る不動産投資。大きなメリットは2つあります。
- 毎月決まった額の家賃収入が入る
- 家賃収入を得た場合の確定申告においてローン利息や減価償却費・税金が控除の対象となる
サラリーマン時代から不動産投資を始めておけば、給料の他に家賃収入という副収入も得られることにより、効率よく資産を増やせる可能性が高まります。さらに所得税や住民税の節税につながるというメリットもあるのです。
その反面、不動産投資のデメリットも存在します。
- 物件購入のための頭金やローンの負担がのしかかる
- 物件の場所選びを間違えると空室リスクが高まる
などです。
「購入費用を抑えるために新築にこだわらず中古物件にも目を向ける」「地域のニーズを把握し、物件の場所選びなどにも的確なアドバイスをくれる不動産投資会社を選ぶ」などといった対策で、これらのリスクを抑えていきましょう。
貯金だけですべてをまかなうのは難しい!プラスアルファの資産形成を
老後の資産形成を貯金だけでまかなおうとすると、3,000万円~5,000万円程度が必要であると想定されるため、実現するのはかなり大変です。
この問題を解決するためには、貯金よりも有利になる可能性を持つプラスアルファの資産形成法を加えるのがおすすめです。
貯金よりも高利率が期待できる個人年金保険や、家賃収入という不労所得が得られる不動産投資などの活用を前向きに検討してみましょう。
もちろん個人年金保険や不動産投資にはメリットだけでなくリスク・デメリットもありますので、その点をしっかりと理解しておきましょう。
個人年金保険や不動産投資だけで老後の資産形成をするのではなく、あくまで「貯金への上乗せ」という意味で活用するのがおすすめです。