47都道府県の中でもダントツで面積が広く、東京など都心部に比べると土地代も安いことで知られる北海道。
そんな北海道における中心地「札幌市」は、不動産投資の投資先として注目を集めています。
今回は、札幌の物件を大家として本当にいま買い時なのかどうかを検証していきたいと思います。
近年の札幌の不動産投資事情から、札幌で不動産投資を行うメリットや注意点、おすすめのエリアや物件の選び方までご案内していきましょう。
北海道の不動産投資で「札幌」をおすすめする理由
まずは札幌市の基本データをご紹介します。
北海道の県庁所在地である札幌市の人口は、平成31年1月1日時点で1,955,457人となっています。
全国的に見た札幌市の人口数は、東京特別区を含めると第5位の多さです。
面積は約1,121㎢で、東京特別区(約628㎢)の2倍弱の広さとなっています。
|
札幌市 |
東京特別区(23区) |
---|---|---|
人口 |
195万5,457人 |
948万6,618人 |
面積 |
1,121.26㎢ |
627.57㎢ |
人口密度 |
1,757人/㎢ |
1万5,116人/㎢ |
人口・経済活動ともに札幌一極集中の状態
政令指定都市でもある札幌市には、多くの大手企業が支社・支店を置き、北海道の経済の拠点となっています。
道内の人口を見てみれば、北海道全体の人口は、平成31年1月1日時点で約530万人となっています。
市町村別で人口の多い5都市を比べてみると、札幌市がほかの都市を大きく引き離していることが分かります。
|
平成31年1月1日時点(人) |
平成30年住民票の増減数(人) |
---|---|---|
北海道全体 |
5,304,413 |
-35,126 |
札幌市 |
1,955,457 |
+3,109 |
旭川市 |
337,392 |
-2,819 |
函館市 |
258,948 |
-3,571 |
釧路市 |
170,364 |
-2,027 |
苫小牧市 |
171,811 |
-562 |
参照:【総計】平成31年住民基本台帳人口・世帯数、平成30年人口動態(市区町村別)|総務省
具体的には、北海道全体の約36.8%の人口が札幌市に集まっているのです。
人口が増加し続ける場所では賃貸物件の需要が高くなり、空室率も抑えられますので、札幌市は不動産投資を行うのに有利なエリアだと言えます。
都心より利回りが高い
不動産投資で大切なポイントである「利回り」について、基本的に高いのは利便性の良い東京都心部だと言われています。
しかし、利回りの点では札幌市も負けてはいません。
近年は都心部で不動産投資を行っている物件の利回りが低下してきているのが現状です。
同様に札幌市でも不動産投資物件の利回りは低くなってきていますが、その下落具合は都心部と比べてまだ良いほうでしょう。
札幌での不動産投資物件の利回りは7~10%ほどとみておくのが無難です。
インバウンド需要の継続的増加
札幌市が公表している観光統計データによると、2019年上期の来札観光客数・外国人宿泊者数は以下の通りです。
外国人宿泊者数においては、韓国をはじめ、アジア各地からの観光客が全体の80%以上を占めています。
このことから、札幌市では民泊やホテルの需要が増加していると言えます。
|
2019年上期 |
前年度比 |
---|---|---|
来札観光客数 |
約969万8千人 |
0.4%増 |
外国人宿泊者数 |
約127万4千人 |
5.4%増 |
札幌の不動産投資には北海道特有のリスクもある
いま札幌が不動産投資先として人気の高いエリアになってきている理由をご紹介しました。
しかし、札幌が持つ以下のような特徴により、札幌市での不動産投資は初心者向けではないと言われることがあります。
管理費・修繕費が高額になりやすい
雪の多い北海道では多くの場合、「ロードヒーティング」という設備を設置し、凍結予防や雪を溶かすように整えています。
このロードヒーティングは設置費用が300万円以上かかることに加え、ランニングコストや維持費もかかります。
ロードヒーティングを設置しない場合には、人手による除雪作業が必要となります。
さらには、雪によって設備が傷みやすいことから、修理の頻度が高くなる可能性も否定できません。
物件価格が手頃でも、管理費が高額になりやすいというのはこうした理由があるためです。
北海道で不動産投資を行う場合、頻繁に現地を訪ねることができないのであれば、頼りになる管理会社を見つけるなど、遠隔でもしっかりコントロールできるようにリスク管理体制を整えておかなければなりません。
札幌の中でも収益を出せるエリアは限られている
一口に札幌の物件と言っても、駐車場が無い、最寄り駅から徒歩10分以上といった条件の場合は、大きなマイナス要素になり、満室率は低くなりがちです。
雪国では大きな負担となる光熱費に関しても、使用料金の安い都市ガスが引かれているかどうかがポイントでしょう。
家賃相場が低め
利便性の高い札幌市営地下鉄2沿線とJR山手線沿線における賃貸アパート・マンションの家賃相場を比較してみましょう。
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札幌市内 |
東京特別区内 |
|
---|---|---|---|
|
地下鉄東西線 |
地下鉄東豊線 |
JR山手線 |
1R家賃相場 |
3.1万円 |
3.39万円 |
9.37万円 |
平均家賃相場 |
5.19万円 |
5.12万円 |
11.51万円 |
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札幌の家賃相場は東京の1/2近いことが分かります。
札幌での利回りは都心よりも高いというメリットがありますが、家賃相場の低さを含めて考えると、収益は変わらない場合もあると言えそうです。
失敗しないために!札幌で投資物件を選ぶポイント
札幌で収益物件を選ぶ際には、上記のリスク管理とともに、以下の3つのポイントに注意しましょう。
市電・地下鉄駅から徒歩10分以内で選ぶ
札幌で利用できる交通機関は、JR・市営地下鉄・市電・バスの4種類があります。
なかでも、利便性が高く人気があるのは市電と地下鉄の駅から徒歩10分以内の物件です。
市電や地下鉄の駅歩道は整備もしっかりなされているため、できるだけ駅に近いほうが夜間や冬場の歩行も安心です。
ターゲットによって狙うべきエリアは異なる
通勤や通学に便利なエリアを探したいシングル向けには地下鉄沿線であることが必須です。
中央区、東区、西区などは地下鉄沿線となるため、冬に雪で通勤・通学に支障が出にくいエリアとなりおすすめです。
路線延伸されるエリアにも注目
ファミリー世帯向けには駐車場付きの物件が良いでしょう。
そこで狙い目なのが、市電の延伸エリアです。
北海道新幹線の札幌延伸もあるのですが、雇用増に期待できるものの生活の需要エリアには変化が見られないと予想されます。
市電の延伸エリアについての情報は不確定要素もありますので、最新の状況をよく確認してください。
駅から離れている場合は駐車場が必須条件
土地の広い北海道での生活では、車を所有している人が必然的に多いです。
物件価格などの折り合いから、駅から離れている物件を選ぶ場合には、できれば複数台分の駐車場があるところにしましょう。
信頼できる不動産投資会社を複数社比較して選ぶ
札幌での投資物件選びで失敗しないためには、間に入る不動産投資会社選びも重要なポイントです。
不動産投資の経験者が書いたブログや不動産会社主催の初心者向けセミナーなどに参加し、積極的に情報集めをしていくのがベストでしょう。
企業規模だけでなく、入居率やセミナーの評判といった要素で複数社を比較できる「不動産投資会社比較ガイド」もぜひお試しください。
まとめ
札幌の不動産投資物件は、都心に比べて家賃相場が安く、利回りが高いのが大きな特徴です。
おすすめは、雪の多い冬場でも通勤・通学に支障が出ない地下鉄駅から徒歩10分圏内のワンルーム物件でしょう。
ロードヒーティングなどの設備投資も必要となりますが、しっかりした管理会社を見つけることでリスク対策をすることが可能となります。
「不動産投資比較ガイド」では、不動産投資会社についてあらゆる角度から分析し、比較しやすいようレーダーチャートにして公開しています。
不動産投資において管理会社に迷われている不動産オーナー様の、お役に立つべく日々情報更新中です。ぜひ参考にしてください。
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