返済額・金利を確認!不動産投資でローンシミュレーションの計算方法を解説
多額の資金を要する不動産投資では金融機関から融資を受けるケースが多く、月々の返済額を試算するローンシミュレーションが欠かせません。
不動産投資を始めるにあたっては、さまざまなパターンでシミュレーションを行い、しっかりと返済計画を立てておくことが大切です。
この記事では、不動産投資でローンシミュレーションを行う目的とともに、シミュレーションに必要な情報と返済額の試算方法について解説します。
不動産投資に興味がある方、ローンの利用を検討されている方はぜひ参考になさってください。
不動産投資でローンシミュレーションを行う目的
不動産投資でローンシミュレーションを行う目的には以下が挙げられます。
月々の返済額を把握すること
不動産投資のローンシミュレーションは、毎月の返済額や年間の返済額を確認するために行います。返済額を試算することは、借入金額や返済期間の見直しにも役立ち、無理のない返済計画を立てることができます。
具体的な収支計画を立てること
不動産投資のキャッシュフローは、家賃収入からローン返済額と諸経費を差し引いて算出します。
ローンシミュレーションを行うと、年間の返済額がいくらになるか確認できるため、キャッシュフローの予測に役立ちます。
あくまで目安の数字ではありますが、ローン返済額を試算しておくと、不動産投資における具体的な収支計画を立てやすくなります。
多様なパターンで試算すること
不動産投資のローン金利は金融機関によって異なります。
借入金額と返済期間が同じでも、金利が違うとローン返済額に差が生じるため、ローンシミュレーションによって複数の金利パターンの返済額を試算しておく必要があります。
また、ボーナス返済が可能な不動産投資ローンでは、ボーナス返済ありの場合となしの場合で試算するなど、さまざまなパターンでシミュレーションしてみることをおすすめします。
シミュレーションに必要な情報
不動産投資のローンシミュレーションに必要な情報を以下にまとめました。
借入金額
不動産投資ローンで融資を受ける金額を検討します。物件価格と諸経費、年間経費、家賃収入などを想定したうえで、必要な借入金額を計算しましょう。
借入金額の条件は不動産投資ローンによってそれぞれ異なり、100万円から融資を受けられるものもあれば、下限金額を1,000万円としているものもあります。
まずは不動産投資ローンを比較し、借入できる金額の下限・上限を確認することをおすすめします。
ボーナス返済
不動産投資ローンによっては、年2回のボーナス時に返済額を上乗せするボーナス併用払いに対応しています。
ボーナス時に加算して支払うことで、毎月の返済額を減らせるメリットがあります。ただし、ボーナスは勤め先の業績や景気に左右されるため、ボーナス返済を行うかどうかはよく検討する必要があるでしょう。
返済期間(返済回数)
借入金額と同様に、返済期間(返済回数)も不動産投資ローンによって違いがあります。
最長は30年もしくは35年の設定が多く、長期的なローン返済が前提となっています。
返済期間を短く設定すれば利息を減らせるものの、不動産投資ローンの融資は一般的に高額となるため、短期間でローンを組むよりも毎月の返済が無理なく行えるようにローン期間を設定することが大切です。
金利
ローン金利は金融機関によって異なり、不動産投資の場合は1.5%〜4.5%程度が目安となります。
実際にどの利率の金利が適用されるかは審査が終わるまでわからないため、ローンシミュレーションを行う際は金融機関が公開する金利のなかで最も利率が高いもので計算することをおすすめします。
【参考】金融機関別の金利相場
不動産投資のローン金利について、目安となる相場を金融機関別にまとめました。
- 都市銀行:1.0%程度
- 地方銀行:1.0%〜4.0%程度
- 信用金庫・信用組合:1.0%〜4.0%程度
- ノンバンク:1.0%〜5.0%程度
※ローンシミュレーションにおいてはその時点での最新の金利をご確認ください。
不動産投資のローン返済額を試算
ローンシミュレーションに必要な情報について検討できたら、実際に月々のローン返済額を試算してみましょう。
ここでは、ローン返済額を算出する計算式とともに、ツールを用いて算出したシミュレーション結果をご紹介します。
2種類のローン返済方法
不動産投資ローンの返済方法には「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類があります。
元利均等返済とは「返済額が一定となる返済方法」、元金均等返済とは「返済額の元金が一定となる返済方法」です。
それぞれの計算式は以下のとおりです。
●元利均等返済の計算式
月々の返済額=借入金額×(利率/12)×(1+利率/12)返済回数/(1+利率/12)返済回数-1
●元金均等返済の計算式
月々の返済額=(借入金額÷返済回数)+(借入残高×利率×日数/365)
このように計算式の異なる返済方法があるものの、多くの不動産投資ローンで「元利均等返済」が採用されており、金融機関が提供するローンシミュレーションツールも元利均等返済で計算されるのが一般的です。
元利均等返済では返済額が一定となるため、長期の返済が前提となる不動産投資ローンにおいて返済計画を立てやすいメリットがあります。
ローン返済額は電卓を使って算出することも可能ですが、特に元利均等返済の計算はややこしく手間がかかるため、インターネット上で利用できるシミュレーションツールを使って算出することをおすすめします。
ローン返済額をシミュレーション
不動産投資のローンシミュレーションツールを活用し、以下の条件にて返済額とキャッシュフローを試算してみました。
借入金額 | 5,000万円 |
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返済期間 | 30年 |
返済方法 | 元利均等返済 |
年間家賃収入 | 450万円 |
年間経費 | 80万円 |
※キャッシュフローの計算式:年間家賃収入−(年間返済額+年間経費)
●金利1.0%の場合
毎月の返済額 | 160,819円 |
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年間の返済額 | 1,929,828円 |
金利1.0%でローンシミュレーションをすると、毎月の返済額は約16.1万円、年間の返済額は約193万円です。
ここからキャッシュフローを計算すると、
450万円−(193万円+80万円)=1,770,000円
年間のキャッシュフローは約177万円となります。
●金利2.5%の場合
毎月の返済額 | 197,560円 |
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年間の返済額 | 2,370,720円 |
金利2.5%でローンシミュレーションをすると、毎月の返済額は約19.8万円、年間の返済額は約237万円です。
ここから年間のキャッシュフローを計算すると、
450万円−(237万円+80万円)=1,330,000円
年間のキャッシュフローは約133万円となります。
●金利4.0%の場合
毎月の返済額 | 238,707円 |
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年間の返済額 | 2,864,484円 |
毎月の返済額238,707円年間の返済額2,864,484円
金利4.0%でローンシミュレーションをすると、毎月の返済額は約23.9万円、年間の返済額は約286万円です。
ここから年間のキャッシュフローを計算すると、
450万円−(286万円+80万円)=840,000円
年間のキャッシュフローは約84万円となります。
記事まとめ
不動産投資でローンシミュレーションを行う目的には、月々の返済額や年間のキャッシュフローを把握し、具体的な収支計画を立てることが挙げられます。
不動産投資ローンの返済額は、ローンシミュレーションツールを用いることで簡単に算出できます。
手計算では手間と時間がかかるため、インターネット上で提供されているツールを活用し、さまざまなパターンで試算してみることをおすすめします。