高騰が続く不動産価格や、ローンの低金利化の影響で、不動産投資に大きな注目が集まっています。
「サラリーマン大家さん」という言葉も浸透しているとおり、不動産投資は身近なものとなっているのです。
不動産投資未経験の方や、今から始めようとしている方は、不動産投資にどのようなリスクがあるのか不安に感じている方も多いことでしょう。
そこで今回は、不動産投資におけるリスクを紹介し、回避方法を解説します。
不動産投資で特に気を付けたいリスクは9種類!
不動産投資には、大きく分けて9つのリスクがあります。
それが、以下のとおりであり、それぞれのリスクはどのような場合に起こりうるのかを解説します。
金利上昇リスク
不動産投資を行う際、多くの方がローンを組むことになります。
金利は下降傾向にあることから、固定金利ではなく、変動金利を選ぶことが一般的です。
しかし、未来の金利は誰にも分かりません。
返済途中の段階で利率改訂により、利率が上がってしまった場合、大きな損失を発生させてしまうことになります。
税金リスク
不動産投資には、3つの場面で税金がかかります。
それは、不動産の購入時、保有期間、売却時であり、それぞれ納税の義務が発生します。
納税は国民の義務であるため、避けることはできず、滞納が続く場合には物件の差し押さえにつながるケースもあります。
空室リスク
不動産投資は、入居者により空室が埋まることによって収益につながる投資です。
そのため、空室は収益にはつながらず、税金や管理費等の支払いのみが発生してしまいます。
空室率が増え、収入よりも支出が高い状態が継続すると、資金繰りが悪化し、物件を手放さざるをえなくなるリスクもあります。
家賃滞納リスク
入居者がいて、空室が埋まっている状態であったとしても、家賃が支払われなければ収入はありません。
家賃滞納は珍しいことではなく、揉め事になるケースもあるため、こちらもリスクの1つといえるでしょう。
不動産所有者よりも、利用者を守る法律が整っていることも、家賃滞納リスクが生まれる原因の1つなのです。
家賃下落リスク
家賃相場は、利用者の需要に大きく左右されます。
そのため、利用者の多くを近くの会社や学校に頼っていた場合、それらがなくなることにより、賃貸需要の下落とともに家賃を下げなくてはいけないリスクがあります。
家賃の下落は収入の下落に直結するため、不動産投資における大きなリスクなのです。
災害リスク
災害リスクも、不動産投資におけるリスクの1つです。
地震や台風などの自然災害は、防ぐことができないものもあり、倒壊した場合には不動産投資を続けることが困難になってしまうケースもあります。
地価下落リスク
日本は少子高齢化が進んでおり、今後さらに高齢率の上昇が予想されています。
高齢率の上昇に伴い、人口も減少傾向にあり、人口減少は不動産需要の低下にもつながります。
需要の低下は、不動産価格や地価の下落を引き起こすため、不動産投資における地価下落リスクが心配されています。
修繕リスク
物件の維持には、さまざまな修繕費用が必要になるため、不動産投資には、修繕リスクも挙げられます。
新築やワンルームマンションであっても、給湯器や備え付けの家電は、経年劣化を避けることができません。
それらを修繕しないと入居者が入ってくれない上に、修繕費用は不動産所有者負担になるため、修繕費用は多く見積もっておく必要があります。
倒産リスク
倒産リスクとは、物件の管理を委託している会社等が倒産してしまうリスクのことです。
なかには、家賃保証を約束している会社が倒産してしまうケースもあり、最悪の場合共倒れになることも考えられます。
不動産投資はリスクが低めの投資!
上記では、不動産投資におけるさまざまなリスクを紹介しましたが、不動産投資は、あらゆる投資の中でもリスクの低い投資方法として知られています。
その理由として、以下の2点があげられます。
・不動産投資のリスクは、ある程度回避することができるため
・不動産市場は、人口の推移や都市開発における需要の増加など、先読みしやすい市場であるため
不動産投資のメリット
また、不動産投資には以下のようなメリットもあります。こちらについてもしっかりと把握しておきましょう。
本業以外からの安定した収入の確保
賃貸の部屋を借りる際には、年単位で借りることが多いです。
また、賃料が突然大きく下がることはありません。
副業収入としては、安定していて長期的に確保できるのが不動産投資です。
年金対策として
多くの投資家は、投資用物件を購入する際にローンを利用します。
ローン完済後には家賃収入が残るので、定年後の私的年金代わりになります。
生命保険の代わりとして
金融機関でローンを組む際には、契約者に万が一のことがあった場合に返済が滞ることを防ぐために、団体信用生命保険への加入が条件となることがほとんどです。
そのため、ローン返済中に契約者が死亡、または高度障害の状態になった場合でも、家族はローン残債について心配する必要がありません。
節税効果がある(所得税)
不動産所得など、本業の給与所得以外に収入がある場合、それらを合算してその年の最終的な課税標準が算出されます。
課税標準とは、税額が決まる査定基準となる所得金額です。
不動産所得については、家賃収入から必要経費(管理費、建物のローン金利や減価償却費、固定資産税、都市計画税等)を差し引くので、これだけでも節税効果は高いです。
不動産経営で赤字となった場合には、給与所得を損益通算ができ、さらに節税効果は上がります。
相続税対策として
相続が発生したときには、相続税を算出するために各資産を評価する必要があります。
資産が現金(預金)・債券・株式等の場合は時価で、不動産は路線価(時価の70~80%)で評価されるので、相続税額を抑えることが可能となります。
インフレ対策として
物価は上昇し、お金の価値は下がっている状態をインフレといいます。
今までの歴史上、このようなインフレ時には不動産の価格や家賃も上昇する傾向にあります。
インフレ時に同じ資産額でも現金であればその価値は下がってしまいますが、不動産であれば逆に価値が上がるのです。
リスク回避のために意識しておきたいこと
不動産投資はリスクが低い投資方法であることと不動産投資のメリットについて説明しました。
では改めて、不動産投資のリスクへの対策を考えてみましょう。
不動産投資においてリスク回避を行うことは、自身の資産を守るために、とても重要です。
投資に絶対はありませんが、予測可能な範囲でリスクを先読みし、事前に手を打っておくことで、万が一のケースに対応できる場合があります。
逆に、リスク回避を行っていないと、最悪の場合、大きな負債を抱え、生活が困難になってしまう場合もあります。
そのため、上記のようなリスクを回避するために、先手を打っておく必要があるのです。
不動産投資会社選びが最重要
不動産投資のリスク回避には、経験や専門的な知識も必要になるため、不動産会社によるアドバイスは最重要といっても過言ではありません。
不動産会社は、専門的知識を持っているとともに、不動産購入時、売却時のサポートもしてくれます。
いくつもの不動産会社を比較できるサイトもあるため、適切な価格で取引を行うことができ、サポート体制の整った会社を選ぶことが大切です。
先を見据えたローン計画・運用計画を立てる
不動産投資は、投資金額が大きいため、ローンの返済期間も長期に及びます。
そのため、目先のリターンだけを追わず、先を見据えたローン計画と運用計画が大切にすることが、資金面でのリスク回避につながります。
自分でも知識習得や市場調査をする
不動産投資には、多くの知識が必要であり、自ら知識習得と市場調査を行うことが大切です。
自分の目で確かめることにより、地価下落や空室リスクに備えることができます。
入居需要の高い物件を選ぶ
不動産投資においても、空室リスクは非常に不安なものです。
そのため、入居需要の高い物件を選ぶことは、空室リスクを回避することにつながります。
耐火性・耐震性に優れた物件を選ぶ
災害リスクは、不動産投資存続の危機に直結します。
そのため、耐火性や耐震性は災害リスクを回避するためには大切です。
物件を選ぶ際には、耐火性・耐震性に問題がないかもしっかりと確認しましょう。
管理会社が賃貸住宅管理業登録制度へ登録しているか確認する
不動産投資において、不動産会社選びは非常に重要です。
信頼できる不動産会社であることを証明するために、賃貸住宅管理業登録制度に、賃貸管理会社として登録されていることを確認し、倒産リスクを回避する必要があります。
リスク分散をする
多くの資金があっても、1つの賃貸物件や建物に全資金を投入することは非常に危険です。
投資の基本であるリスク分散を行い、リスク回避を行うことをおすすめします。
まとめ
不動産投資は、非常に魅力的な投資方法である反面、さまざまなリスクも存在します。
しかし、リスク回避行動を事前にとることで、回避を行うことができます。
ご紹介したようなたくさんのメリットもありますので、リスクについては対策法で対処しつつ、不動産投資への挑戦を考えてみてはいかがでしょうか。
不動産投資を行う際は、リスク回避を行い、安定したリターンの確保に努めてください。