「家賃交渉はそもそもできるの?」
「固定費の大半を占める家賃を下げられるなら値下げしたいな」
「家賃交渉する方法やコツとかがあれば教えてほしいな」
上記のようなお悩みを抱えている方に向けて、本記事では家賃の値下げを提案するタイミングや交渉術を紹介しています。
記事を読むことで家賃交渉のタイミングや交渉のポイントを理解することができますので、ぜひチェックしてください。
家賃交渉はそもそもできる?
躊躇してしまう方が多いものの、家賃交渉は入居前・入居後ともにおこなえます。
家賃はあくまで大家さんの希望であり、大家さんが承諾すれば値下げ交渉した家賃で賃貸借契約を結ぶことが可能です。
借地借家法でも、「借主は賃料を減額する権利、貸主は賃料を増額する権利」があることが定められています。
家賃交渉のポイントは、どちらも権利のため、相手側の合意がないと成立しないという点です。
貸主である大家さんの了承をもらうことができれば、家賃の値下げが叶うのです。
家賃交渉できる場合もあるが、実際に下がる可能性は高くない
入居者または入居希望者が家賃交渉を持ち出すことは、基本的にどんな物件でも可能です。
しかし実際に値下げ交渉が成功し、下がる可能性は高くありません。
なぜなら大家さんは「少しでも高い家賃で貸し出したい」と思っているからです。
特に人気のエリアや競合の少ない物件は、退去前に申込みが入ることも多く、家賃交渉ができる可能性は低くなります。
また、賃貸不動産の繁忙期といわれる3~4月は入居希望者が増える関係で、家賃交渉には向かない時期といわれています。
逆に値上げされる可能性もある
貸主である大家さんは家賃を増額する権利があるため、家賃の値上げを要求する場合もあります。
主に、契約更新時に大家さん側から提示されるケースが一般的です。
値上げの理由としては、物価や固定資産税の上昇、周辺の家賃相場と比べて安いなどが挙げられます。
駅前の大規模開発や大型複合施設の建設などで利便性が高まった場合、賃貸需要が増え家賃相場も上昇することがあります。
しかし、仮に大家さんから値上げ要求をされたとしても、入居者は「拒否」することが可能です。
値上げについても合意がないと成立しないため、普通借家契約であれば原則として住み続けることができます。
家賃の決まり方
家賃は管理会社からの提案や査定を受け、最終的に大家さんが決めるのが一般的です。
具体的には賃貸物件の広さや築年数、設備や階数、日当たりなどを検討して家賃が設定されます。
賃貸サイトに入力する検索条件をベースに家賃が設定されるため、通常の家賃相場よりも極端に割高、割安になることは少なくなります。
家賃交渉を検討するタイミング
家賃交渉を検討するタイミングは主に入居前と更新時の2つで、特に入居前については不動産会社の閑散期のタイミングが有効です。
物件の契約前
賃貸契約は入居者と大家さんとの「約束事」であり、契約前はこの前段階のため、貸主である大家さんとのやり取りもしやすくなります。
また貸主側が応じない場合、入居希望者は別な物件(貸主)を探すことができるため、交渉も有利に進められます。
契約更新のタイミング
入居後に家賃交渉をおこなう場合、契約更新時のタイミングが有効です。
更新時期は契約そのものを見直す機会でもあり、契約更新の際に家賃交渉をする方も少なくありません。
ただし、周辺の家賃相場よりも高いなど、大家さんが納得するような理由がないと難しくなります。
また、新型コロナウイルスの影響で収入が減った場合にも大家さんの合意が必要になります。
賃貸不動産の閑散期(5~9月)
不動産会社の閑散期(5~9月)は家賃交渉しやすいタイミングです。
なぜなら、繁忙期(1~4月)に埋まらなかった空室が次の繁忙期まで残ってしまう可能性があるからです。
年間を通じて家賃を一定にしている大家さんがいる一方、閑散期は数千円ほど値下げをして募集をおこなう大家さんも少なくありません。
大家さんも閑散期は契約の動きが少ないことを理解しており、交渉に応じやすくなっています。
ただし、繁忙期と比べて物件数が少ないこと、人気のない物件が多くなる点がデメリットです。
家賃交渉の成功率を上げるためのポイント・交渉術
家賃交渉の成功率を上げるためには、具体的にどのようなことをすればいいのでしょうか。
ここからは、具体的なポイントと交渉術について解説していきます。
①契約日を早める、すぐ入居するなどの提案をおこなう
契約日を早める、すぐ入居するなどの大家さんにもメリットのある提案を行いましょう。
大家さんとしても、なるべく空室期間を短くしたいと考えるのが心情なので、おおよそ2週間以内を目安に入居の提案をするのがよいでしょう。
入居までの期間が長くなるほど、別の入居希望者が現れる可能性が高まります。
大家さんによい判断をしてもらうためにも、契約日を早める提案は有効です。
②近隣の家賃相場を調べる
交渉の材料を用意しておくためにも、近隣の家賃相場を調べておきましょう。
相場を調べておくことは契約前だけでなく更新時にも有効な方法です。
ほかの物件の家賃を把握しておくことで、希望の家賃をすぐに提示することができます。
③類似物件の適正家賃を知っておく
更新時の家賃交渉については、類似物件の適正家賃を知っておきましょう。
同じ間取りや設備の賃料物件を引き合いに出し、その家賃に合わせて交渉していきます。
建物の築年数に応じて家賃も下落する傾向があり、入居時よりも現在の家賃のほうが安くなっているケースも少なくありません。
ネット検索などで募集条件を控えておき、更新時に同条件の内容にて価格交渉を打診してみることをおすすめします。
④大家さんや不動産会社には丁寧な態度で接する
大家さんや不動産会社には丁寧な態度で接するようにしましょう。
家賃交渉はあくまで対等な立場でおこなうものであり、「ぶっきらぼうな態度」や「値下げして当たり前みたいな態度」は好ましくありません。
「この部屋が気に入っているので値下げしてくれたらぜひ住みたい」という丁寧な態度と言い方で接するのが重要です。
態度が悪いと入居そのものを断られる可能性があるため、社会人としての常識の範囲内で交渉しましょう。
⑤引越しの意思をにおわせる
値下げしてくれたら引越しをする旨をさりげなくアピールすることも大切です。
入居申込書を隅々まで記入するほか、すでに引越しの準備を始めている旨を伝えるなど、こちらの本気度を示して交渉を有利に進めましょう。
家賃交渉をしてそれに応じてもらった場合、そのまま入居するのがマナーです。
価格交渉と同時に、入居への意思が固いこともアピールしましょう。
家賃交渉をされたらオーナーはどうすべき?
家賃交渉をおこなうのは入居希望者・入居者ですが、家賃交渉をされたオーナーや大家さんはどのように対応するのでしょうか。
一般的に、空室期間と収益面を比較して交渉に応じるかどうかを考えます。
たとえば3ヶ月以上の空室期間が続いている物件の場合、価格交渉に応じるメリットは大きいといえます。
また長期間入居している方の提案のほか、類似物件より明らかに家賃が高い場合、家賃交渉に応じたほうがトータルでプラスになると判断され、そのまま受け入れられることも珍しくありません。
無事に交渉が終わり、家賃が下がった場合にはあらためて交渉の結果を提案者に通知します。
このとき、いつから新しい家賃が適応されるのかをきちんと確認しておくようにしましょう。
まとめ
家賃交渉は借地借家法の権利としても認められており、家賃の値下げを提案することは可能です。
ただし、最終的には大家さんの承諾が必要で、実際に下がる可能性は高くはありません。
大家さんは値上げする権利をもっていますが、入居者はそれを拒否することもできるので、言いなりにならず慎重に判断するのが大事です。
また、家賃交渉はタイミングと方法が重要です。
不動産会社の閑散期を狙い、大家さんにもメリットのある条件を提示して交渉の場に臨みましょう。