50歳でのアーリーリタイアに必要な資金は?注意点や効率的な貯蓄方法を解説

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昔は定年まで勤めたあとにリタイアし、年金で暮らすという方がほとんどでした。
しかし、現在は50歳という若さで退職し、悠々自適な生活を送る方も少なくありません。

年金が入ってこない状況で、どうやって退職後の生活資金をまかなっているかどうか疑問に思う方も多いのですが、一定額の資産を確保できれば50歳でもアーリーリタイアは可能です。/p>

今回は50歳でアーリーリタイアをしようと考えている方に向けて、生活に必要な資金の額やお金を貯める方法、リタイア後の生活の様子について解説します。

 

アーリーリタイア(早期退職)とは?

アーリーリタイアとは定年を迎える前に会社を退職することであり、アーリーリタイアをした方は貯蓄や退職金などを使って生活を送ります。

また、アーリーリタイアは完全リタイアとセミリタイアの2つのタイプにわけられます。

完全リタイアは趣味や娯楽に多くの時間を使い、仕事にかかわることはほとんどありません。
一方、セミリタイアは仕事量を減らしつつ、好きな仕事だけ請け負いながら暮らします。

以下の項目ではセミリタイアではなく、完全リタイアに焦点をあてて解説していきます。
アーリーリタイアの特徴を把握して、理想の生活を実現させましょう。

 

アーリーリタイアをする4つのメリット

アーリーリタイアを選択することで、多くのメリットを得ることができます。
アーリーリタイアによる主なメリットは以下のとおりです。

  • 自由な時間が増える
  • ストレスからの解放
  • 趣味に没頭できる
  • 元気なうちに好きなことを体験できる

アーリーリタイアの最も大きなメリットは、自由な生活を送れる点です。

会社の仕事や人間関係の悩みがなくなるため、余計なストレスを感じることがありません。
会社とプライベートの自分に不一致を感じていた人は、本来の姿を取り戻せる感覚が得られます。

時間的・金銭的に自由を得られるため、好きなことを好きなだけすることが可能です。
長期的に趣味やレジャーに挑戦できるだけでなく育児を手伝うなど、アーリーリタイア後は何をしても自由です。

もともと早期退職を実現する人の中にはハードワークをして生活資金を貯めていた人も多いですが、その苦労から解放されるために思いきり自由な生活を楽しめるでしょう。

 

アーリーリタイア後の生活は?

アーリーリタイアによって、独身生活、あるいは夫婦二人の生活を謳歌できます。

しかし、自由にできるからといって好き勝手な生活を続けてしまうと体調を崩すおそれがあります。
夢に見た生活を長く続けられるよう、アーリーリタイア後は以下のような行動を心がけてください。

  • 規則正しい生活を送る
  • 食生活を正して適度な運動を取り入れる
  • 趣味・ボランティアに力を入れて社会とのつながりを作る
  • やりがいのある仕事に取り組む

仮に生活資金が潤沢であったとしても、場合によっては資金が不足してしまうかもしれません。

このような場合には、趣味の延長上にある仕事を探してみるとよいでしょう。
蓄えが増えるだけでなく、生活に張りが出るので、一石二鳥の選択といえます。

 

50歳でアーリーリタイアするために必要な資金

50歳でアーリーリタイアするために必要な資金

50歳でアーリーリタイアするためには、事前にどのくらいの資金を用意すればよいのでしょうか。
世帯構成によって用意する金額に差は出るものの、アーリーリタイアをするためには数千万単位の金額を用意しておく必要があります。

ここからは、扶養家族がいる場合と独身の場合にわけて、アーリーリタイアに必要な最低限の資金の金額について解説していきます。

 

扶養家族がいる場合は「5,600万円以上」

扶養家族がいる場合、アーリーリタイア後の生活には約5,600万円の資金が必要です。
必要資金は以下の式で計算しました。

【消費支出】
・二人以上の勤労者世帯:毎月平均30万5,811円
・65歳以上の夫婦のみの無職世帯:毎月平均22万4,390円

【公的年金による収入】
・65歳以上の夫婦のみの無職世帯:月額平均21万9,976円

【消費支出の計算】
・50~65歳まで:30万5,811円×12ヶ月×15年=5,504万5,980円
・65~90歳まで:22万4,390円×12ヶ月×25年=6,731万7,000円
・合計の消費支出:1億2,236万2,980円

【公的年金による収入の計算】
・65~90歳まで:21万9,976円×12ヶ月×25年=6,599万2,800円

【合計】
・消費支出の合計-公的年金の収入=5,637万180円

参考元
総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2020年(令和2年)平均結果の概要」
厚生労働省「令和2年簡易生命表の概況」

 

独身の場合は「3,000万円以上」

独身の方が50歳でアーリーリタイアをする場合、約3,000万円の資金が必要です。
先ほどと同様に、以下の式で計算しました。

【消費支出】
・単身世帯:月額平均15万506円
・65歳以上の単身無職世帯:月額平均13万3,146円

【公的年金による収入】
・65歳以上の単身無職世帯:月額平均12万1,942円

【消費支出額の計算】
・50~65歳まで:15万506円×12ヶ月×15年=2,709万1,080円
・65~90歳まで:13万3,146円×12ヶ月×25年=3,994万3,800円
・合計:6,703万4,880円

【公的年金による収入の計算】
・65~90歳まで:12万1,942円×12ヶ月×25年=3,658万2,600円

【合計】
・消費支出の合計-公的年金の収入=3,045万2,280円

参考元
総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2020年(令和2年)平均結果の概要」
厚生労働省「令和2年簡易生命表の概況」

 

アーリーリタイアの注意点

50歳での早期退職を望むなら、いくつかの点に注意を払う必要があります。
資金を確保する手段を用意する、早期退職後の目的を決めるなど、事前準備をきちんとおこなっておきましょう。

ここでは、具体的なアーリーリタイアの注意点について解説します。

 

積み立てだけでは達成が難しい

アーリーリタイア後に必要とする最低限の生活資金は、3,000~5,600万円です。

25歳から生活資金を積み立てようとすると、毎月10万~18.7万円ほどを貯蓄する必要があります。
生活費のことを考えると、積み立てだけで資金を用意するのは厳しいといえるでしょう。

また、10%以上の高い利回りで投資を続けられたとしても、1,200万円の資金を用意しなければ毎月10万円以上の額を積み立てることができません。
20代の若いうちにまとまった資金を用意するのも難しく、チャンスがあってもチャレンジできない方がほとんどです。

 

家族構成や求める生活レベルによって必要な資金は大きく変動する

家族がいたり生活レベルが高かったりする場合、毎月かかる生活費の額は上がります。
毎月の消費支出額が高い場合を想定して、50~90歳までの消費支出額を毎月30万・50万円とする例をそれぞれ見てみましょう。

【毎月の消費支出が30万円の場合】
・消費支出:30万円×12ヶ月×40年=1億4,400万円
・公的年金による収入(65歳以上の夫婦のみの無職世帯):21万9,976円×12ヶ月×25年=6,599万2,800円
・必要資金:消費支出-公的年金による収入=7,800万7,200円

【毎月の消費支出が50万円の場合】
・消費支出:50万円×12ヶ月×40年=2億4,000万円
・公的年金による収入(65歳以上の夫婦のみの無職世帯):21万9,976円×12ヶ月×25年=6,599万2,800円
・必要資金:消費支出-公的年金による収入=1億7,400万7,200円

参考元:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2020年(令和2年)平均結果の概要」

どちらのケースも多くの費用がかかります。
生活費を抑えるために、無理のない範囲で生活レベルを下げておく必要があるといえるでしょう。

 

社会情勢によって必要な資金が増える可能性がある

インフレが発生すれば、物価が上昇します。
また、円の価値が下がることで円安の状態になってしまいます。

海外のサービスが高額になるだけでなく、食事や生活費もかさんでしまうため、これまでのように暮らせなくなってしまう方も少なくありません。
物価の上昇に備えて、なるべく多くの資金を用意しておくようにしましょう。

 

アーリーリタイアする目的を明確にする

アーリーリタイアの目的が不明確では、退職しても自由な時間を持て余してしまいます。
ひまな時間が増えてしまうとやる気がなくなり、生きる楽しさも少なくなってしまうでしょう。

アーリーリタイアをする理由を明確にするために、アーリーリタイア後にしたいことを紙に書き出してみましょう。
文字にすることで、人生の目標や忘れていた夢などを見つけることができるようになります。

 

必要な資金を貯めるには投資が効果的

50歳でアーリーリタイアをする場合、投資を利用して必要な生活資金を蓄えておく必要があります。
アーリーリタイアをする前はもちろん、アーリーリタイア後も投資を続け、資金面の不安を解消させましょう。
以下で主な投資の種類と特徴を解説します。

自分に合ったものを探してみましょう。

 

不動産投資

不動産投資をおこなうことで、家賃収入を得ながら暮らすことができます。

ローンを活用すればマンションやアパートなども購入しやすくなるため、元手が少なくても投資をおこなうことができます。
また不動産投資の平均的な利回りは3~10%ほどですが、物件の立地や築年数、部屋の大きさなどによって割合に違いが出るため、事前にチェックしておきましょう。

 

株式投資

株式投資は、上場企業の株式を保有・売却することで、配当金や売却益を得る投資方法です。

株価は企業の業績や景気、政治の動きなどで変動するため、株価の上昇具合によって大きく生活資金を稼げる可能性があるといえます。

また、株式平均利回り(第一部単純平均利回り)は2021年8月時点で1.75%であり、以下の式で算出されます。

単純平均利回り=1株あたりの平均配当金額÷単純平均株価×100

 

投資信託

投資信託は、専門家に自分の資産を運用してもらい、運用の成果に応じて利益を得る投資方法です。

自分で資産を運用する必要がないため、投資に時間を割けない会社員でもアーリーリタイアに必要な資金を蓄えられるでしょう。

また、投資信託の平均的な利回りは3~5%ほどです。
ただし、利回りは運用先や運用の結果、売買する時期などに影響を受けるため、定期的にチェックしておきましょう。

 

外貨預金

外貨預金は、円を外貨に換えて金融機関などにお金を預け、為替差益などで収入を得る投資方法です。

利回り(金利)は円よりも外貨の方が高いため、より多くの利息を得ることができます。

通貨の種類 米ドル ユーロ 英ポンド
金利 0.001% 0.010% 0.010% 0.010%

※2023年12月4日時点の金利
参考元:三井住友銀行「外貨預金金利/外貨普通預金金利(標準金利)」「円預金金利/普通預金(標準金利)

また、為替変動によって新たな収益が生まれることがあります。
円の価値は一定ではありません。
価値の上昇・下降に合わせて交換することで、差額分の利益を得ることができます。

 

記事まとめ

記事まとめ

今回は50歳のアーリーリタイアについて、必要な資金や注意点、効率的な資金確保の方法について解説しました。
アーリーリタイアを目指すなら、若いうちから生活資金を蓄える必要があります。
家計簿をつけて収入に対する支出を見直し、投資に回すお金を増やしましょう。

 

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