投資信託で失敗してしまう原因とは?8つのケースや対処法を解説

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投資信託の初心者の方は、投資信託による失敗が気になるでしょう。
個人投資家のブログやYahoo!知恵袋などでは、投資信託で失敗した体験談が語られているため、失敗を気にするあまり投資をためらっている人も多いのではないでしょうか。

 

今回は投資信託の初心者・はじめて間もない方に向けて、投資信託の原因と対処法を解説します
失敗の原因と対処法を把握して、投資信託を成功させましょう。

投資信託での「失敗」とは?

投資信託の失敗とは、資産運用により投資額が元本を下回った状態のことを指します。
投資信託では元本が保証されていません。
そのため、資産運用により株式・債券などの価値が下がってしまうリスクがあります。

 

金融庁の「販売会社における比較可能な共通KPIの公表状況」を見てみましょう。
2019年3月末の時点で、金融業者を介した資産運用のうち、約35%の利用者が損をしています

 

なかでも0~10%の損失が多いため、失敗とはいっても大きな損失が発生しているわけではありません。
65%の方は資産運用に成功しているので、投資信託の仕方により、失敗を回避できる可能性があるといえます。

 

投資信託で失敗してしまう原因とは?8つのケースを紹介

投資信託では、どのような原因が失敗につながっているのでしょうか。
ここからは、投資信託で失敗を招く原因について解説します。

 

勉強不足のままなんとなくはじめてしまった

投資信託は、値動きがある金融商品を購入して資産運用する投資です。
元本が保証されているわけではないので、元本を下回ったり思うような収益を得られなかったりします。
そのため、投資信託で失敗する原因には、株式・債券などの知識不足が挙げられるでしょう。

 

ここで、大企業の株式を投資の運用商品に選んだ失敗例を紹介しましょう。


ある方は、大企業の株価は下がらないと予想して、大企業の株式を大量に購入しました。
大企業の経営状況や市場環境などは調べていません。
その後、大企業の業績悪化・政治方針の転換などが起こり、株価が下がった状態で株式を売却しています。

 

ほかの人にすすめられて安易にはじめてしまった

普段利用している金融機関にすすめられるがまま、投資信託をはじめると失敗を招きかねません。
原因は、顧客と金融機関などの利害関係が一致していないことです。

 

金融機関は口座を開設させて運用商品の購入を促し、手数料を得ようとします。
また、投資信託の結果は金融機関などに影響がおよばないため、顧客の利益をあまり考慮せずに案内していることも少なくありません

 

金融機関の案内に応じた投資信託の失敗例は以下のとおりです。


ある方は老後の資金を確保するために、金融機関のアドバイスに応じて投資信託をはじめます。

当初は順調に値が上がっていたものの、購入から半年を過ぎないうちに、値が下がりはじめました。
金融機関から金融商品の乗り換えをすすめられ、何度か乗り換えに応じますが、市場環境の悪化によって資産を半分ほどに減らしました。
結果、元本を減らす形で投資信託をやめています。

 

分配金の多さ・頻度で選んでいる

分配金は、配当・利子によるインカムゲインと株式・債券などを売買した利益のキャピタルゲインに、繰越利益を加えた収益を加えたものになります。
つまり、分配金は預けている資産から支払われるため、分配金の支払いにより、運用資産の時価評価額=基準価額を下げてしまいます。
このような特徴から、失敗の原因には分配金の額と分配金の支払回数が挙げられるでしょう。

 

ここで、分配金を原因とする失敗例を挙げてみます。


ある方は、毎月分配金を受け取れる毎月分配型の投資信託をはじめました。
毎月分配金が受け取れる点に満足していましたが、結果として元本を減らしてしまいます。

理由は、利益が少額で、分配金の額が多かったためです。
運用により、分配後の基準価額が個別元本(投資信託を購入した時点の基準価額)を下回っていました。
毎月元本を減らして分配金が支払われていたので、投資信託の評価額を大きく減らしています。

 

短期的な利益を求めて投資している

投資信託は、長期間の投資によって安定したリターンを確保でき、複利の効果を得られるメリットがあります。
しかし、短期の投資ではこのようなメリットは得られません。

 

株式の売買のように、短期的な売買で利益を得ようとすると失敗する可能性が高まります
理由は、投資信託は売り買いするタイミングよりも投資にかける時間を重視するためです。

 

短期投資で失敗してしまった例は以下のとおりです。


ある方は相場が上昇したタイミングをねらって投資信託を購入し、短期の売買で利益を得ようとしました。
しかし、投資信託の評価額は夕方・夜間に決定されるため、株式のように素早い取引はできません。
結果、売買するタイミングがわからず、投資信託の評価額を減らした状態で、短期の運用を諦めました。

 

ランキングを頼りに選んでいる

投資信託のランキングは、運用商品を取り扱っている証券会社の都合が反映されていることがあります。
販売手数料が高いなどの特徴がある商品をすすめることも多く、あまり信用できないような商品も少なくありません。
ランキングを頼りすぎる点も、失敗の原因の1つといえます。

 

ここで、ランキングをうのみにした失敗例を挙げてみましょう。


ある方は、商品の内容や運用実績などを把握せず、値上がり率のランキングを頼りに運用商品を決めました。
結果、値上がりは長く続かず、反対に大きく値を下げてしまい、投資信託が失敗に終わりました。

 

特定の投資信託だけを選んでいる

新規の投資信託や特定のテーマに絞ったテーマ型投信など、特定の金融商品を購入している場合、運用の結果が資産の増減に大きく響きます
市場の成長によって運用がうまくいけば多くの利益が得られますが、運用が失敗すれば大幅に資産を目減りさせてしまうでしょう。

 

ここで、特定の投資信託だけを購入した失敗例を挙げてみます。


ある方は、テーマ株投信を購入して投資信託をはじめました。
ところが、テーマ株に関連したマイナスな情報が報道されたため、対象分野の株価が大きく下落しました。
特定の投資信託を購入した結果、資産を減少させています。

 

コスト意識が低い

投資信託では、金融商品の購入にかかる手数料や、商品の保有にかかる信託報酬、解約時に支払う信託財産留保額などの手数料を支払わなければいけません。
とくに信託報酬は、金融商品の種類などによって手数料の割合が異なります。

 

また、アクティブファンドはインデックスファンドよりも高く、海外資産は国内資産よりも高い傾向が見られます。
手数料を把握せずに投資信託をはじめると、得られる収益・保有する資産が減ってしまうのです。

 

ここで、低いコスト意識がもたらした失敗例を紹介しましょう。

 

ある方は手数料を意識せずに、投資信託をはじめました。
投資信託の種類は、アクティブファンドです。
しばらくして手数料の負担が大きいことに気がついたものの、すでに資産が下がりはじめていたため、売却するタイミングを見失い、今も高い手数料を支払い続けています。

 

生活費を切り崩してしまっている

投資に回すお金には、余剰資金を使うのが一般的です。
余剰資金は収入から生活費を引いたお金を指します。
余剰資金だけを投資に回すなら生活を維持できますが、生活費を切り崩してしまうと運用の結果によって生活が維持できなくなる恐れがあります

余剰資金を使ってしまった失敗例は以下のとおりです。


ある方は毎月30万円の収入(手取り)があり、毎月の生活に25万円かかっていました。
この方は貯金がなかったため、余剰資金は5万円です。
5万円以上のお金を投資に回し、資産を増やそうとしたものの、運用が失敗し、生活水準が下がってしまいました。

 

投資では生活費に手をつけないことも重要ですが、借金をして投資の資金を確保する際にも注意が必要です。
運用が失敗すれば、余剰資金や生活費を切り崩して借金を返済する必要があるため、できる限り余剰資金を投資に回すようにしてください。

 

投資信託で失敗しないための対処法

これから投資信託をはじめるには、どのようなポイントに注意を払えばよいのでしょうか。
ここでは、投資信託の初心者に向けて、失敗を避けるための対処法について解説します。

 

リスクを知っておく

投資信託は基本的にローリスクな投資といわれています。
短期で大きく稼ぐことは難しいものの、少額の利益を得やすく、中長期の資産形成が可能です。

 

しかし、ローリスクな投資信託にもリスクがともないます。
たとえば、金利変動リスクや為替変動リスク、信用リスク、流動性リスクなどです。

 

金利変動リスクは、金利の動きに合わせて資産価値が変動するリスクを指します。
債券価格に影響を与える点が特徴といえるでしょう。
市中金利の上昇により債券価格が低下し、市中金利の低下によって債券価格が上昇します。

 

また、為替変動リスクは外国為替のレートに合わせて資産価値が変動するリスクです。
換金・満期の時点で、円による手取額に影響を与えます。
購入時よりも円高なら円の手取額が減少して基準価額が低下し、円安では基準価額が上昇するという動きです。

 

信用リスクは、企業の経営状況や倒産などによって信用が失われて、投資資金が回収できないリスクを指します。
流動性リスクは売買が減って取引が成立せず、売りたいタイミングで金融商品を売れないリスクです。

 

このように、ローリスクな投資信託でもリスクを考慮した購入が必須といえます。
リスクヘッジのために、資産の現金化・先物取引の活用・オプションの利用(特定の商品を決められた日・価格で売買する権利)などを実施すると、リスクの軽減が可能です。

 

基礎知識を十分に入れてからはじめる

投資信託は基礎的な知識を頭に入れてからはじめてください
必要な知識は本や個人投資家のブログなどで勉強できますし、アプリを活用すれば投資のシミュレーションも可能です。
有益な情報を集めることで、運用商品からリスク・手数料・分配金の有無などを把握できるため、大きな損失・借金の発生を回避できるでしょう。

 

ランキングや他人からのアドバイスをうのみにしない

ファンドのおすすめ・人気ランキングのなかには、特定の金融機関にとって利益のある商品も多く含まれています。
また、金融機関の担当者からリスクの大きい商品をすすめられることも多くあります。
適切なアドバイスを受けられない可能性があるので、ランキング・他人のアドバイスどおりに行動するのは控えましょう

 

自分だけではファンドを決められないときは、投資信託のセミナーに足を運んでみるとよいでしょう。投資のプロ(独立系のファイナンシャルアドバイザーなど)から直接話を聞くことができます。

 

長期的な視点をもつ

投資信託では、ファンドを一定期間保有して、継続的に収益を得る投資方法が適しています。
複利の効果を利用すれば、運用で得た収益を元本に加えることができます。
また、投資期間の長さに応じて、投資対象の企業が成長すると見込めるので、より資産価値を高めることができるといえるでしょう。

 

分散投資をする

1種類のファンドだけを購入していると、運用結果によっては大きな損失が発生します。
損失するリスクを抑えるために、分散投資を試してみましょう

 

分散投資では、リスクを分散させられるように、資産・銘柄・地域・通貨などを分けて運用商品を選びます。
仮に1つの投資がうまくいかなくても、ほかのファンドを多数保有しているため、損失の規模を抑えることができます。

 

分配金は基本的に受け取らない

元本が減ってしまう恐れがあるので、購入するファンドは基本的に発生する分配金を受け取らないようにしてください
元本が減ってしまうと投資効率が悪化し、複利の効果を活用できません。
中長期での投資を考えているなら、分配金の多さや回数によって元本が減らない分配金なしのファンドを選ぶようにしましょう。

 

まとめ

今回は投資信託の失敗例や失敗の原因、失敗を回避する対処法について解説しました。
投資信託は不動産投資や株式投資と違い、資産の運用を専門家に任せます。

 

ローリスクとはいってもリスクは存在するので、失敗を回避するには分散投資などの対応が必須です。
基本的には中長期的な投資といえるため、初心者は定期的な収益(分配金)を得ずに、投資をはじめることをおすすめします

 

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