国税庁が2021年に発表した「民間給与実態統計調査」によると、平均年収が436万円と前年よりも下がった数値になりました。
この調査によると、正社員の平均給与は503万円、非正規社員で175万円と大きな格差が生まれています。
この平均給与に満たないという人も中にはいるかもしれません。
本業の収入に加えて、月1万でもいいから不労所得を得たいと考えている人もいるのではないでしょうか。
不労所得と一口に言っても、さまざまな種類があり、自分に合ったものがわからない人もいることでしょう。
今回はそんな不労所得について解説していきます。
不労所得で稼ぎたい!まずはメリット・注意点を知っておこう
不労所得にはメリットしかないように感じますが、デメリットとは言わなくても、なかには注意点も存在します。
不労所得のメリットと注意点を紹介していきます。
メリット以外に注意点を認識しておくことで、より不労所得に対しての知識を深められるでしょう。
メリット①:プライベートな時間ができる
不労所得はまったく働かないというわけではありませんが、働く時間をある程度自分で調整できます。
好きなように働く時間を自分で調整できるため、プライベートの時間を確保しやすく息抜きがしやすいというメリットがあります。
メリット②:好きなことを仕事にできる
正社員として普通に働く場合は、会社から命じられた仕事をこなすことになりますが、不労所得の場合は自分に合った好きなことを仕事にできます。
好きなことを仕事にできるということは、ストレスが少ないということにつながります。
ストレスの多い現代社会において、ストレスなく働けるだけでも大きなメリットといえるでしょう。
注意点①:時間や労力がかかる
不労所得を得る場合は、自分で仕事の内容や準備を行う必要があります。
労働の内容においては、準備期間に時間がかかり、いざ試してみたら予想より稼げなかったというケースも少なくありません。
例えば準備に100時間かけたとしても、月に1,000円しか稼げなかったというケースもあります。
時給換算すると10円となり、労力と報酬がまったく見合っていません。
不労所得において、軌道に乗って安定した収入を得るまでには時間がかかることもあるため、そういったリスクについても考えておく必要があります。
注意点②:会社が副業を禁止にしている場合がある
本業で正社員として働いている人の中には、会社が業務規程副業を禁止しているケースがあります。
公務員は法律で副業を禁止されていますが、不動産所得や株式投資など、一部の不労所得は認められています。
民間企業においても、会社の規程で副業を禁止していた場合、それを無視して不労所得を得ようとすれば規程違反です。
最悪の場合は懲戒免職などの重い罰を受ける可能性があるので注意しましょう。
注意点③:税金がかかる
不労所得などで給与所得以外の収入を得た場合、年間の収入額によっては自分で確定申告を行う必要があります。
国税庁によると、年間の給与所得以外の所得が20万円以上の場合は確定申告が必要であると明記しています。
逆に言ってしまえば、年間20万円以下に抑えてしまえば、わざわざ確定申告をする必要がありません。
確定申告をするのが面倒だという人は、年間20万円以下に抑えるといいでしょう。
不労所得の種類とは?目的別に紹介
不労所得にはどのような種類があるのでしょうか。
目的別にわけて、それぞれ向いている人などを紹介していきます。
長期的な安定した収入を得たい人におすすめ
不労所得が向いているのは、長期的かつ安定した収入を得たいという人です。
では、長期的かつ安定した収入を得られるには、どのようなことをすればいいのでしょうか。
下記の2つがおすすめです。
不動産投資
不動産投資は、マンションやアパートなどの物件を購入して他人に貸すことで、定期的に家賃収入を得る方法です。
長期投資が可能です。
不動産という資産は、価値が下がることはあっても価値が0になることはありません。
そのため、いざとなったら持っている物件を売却することも可能です。
しかし不動産投資というのは、物件を購入するための費用を含めて初期費用が高額になりやすく、また購入したあとも物件の管理を行う必要があります。
入居者が現れないと家賃収入が得られないため、運用する際は空室リスクの対処法などを考えなければいけません。
ハイリターンな投資でもありますが、同時にハイリスクでもあります。
もしこれから投資物件の購入を考えているなら、どの不動産会社を選ぶか重要視したほうがいいでしょう。
悪質な不動産会社を選んでしまうと、あまり価値のない物件を買わされてしまって、思った以上に収益が出ないなんてことになりかねません。
不動産投資会社を比較するなら、複数の不動産投資会社を紹介している「マンション経営比較ガイド」がおすすめです。
「マンション経営比較ガイド」では、複数の不動産投資会社を比較しています。
さまざまな不動産投資情報を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
株主配当
株主投資で得られる利益には、「売買差益」と「配当金」の2つの種類があります。
売買差益とは、例えば100円の株を100株1万円で購入して、110円に株が値上がりしたタイミングで売れば11,000円となって手元に戻り、1,000円の利益を得られます。
その反面、株が50円に下落すると、100株すべて売ったとしても5,000円の損になるというリスクもあるのです。
配当金とは、所有している株の企業が得た利益の一部を株主への配当として支払うお金のことを指します。
この配当金については、直近(2021年5月)のデータでは平均配当利回りが1.7%~2.0%となっており、決して高い配当率でありません。
例えば配当利回りが2%の企業の株式を購入するとして、月に1万円の配当利益を得たいのならば、600万円分の株を購入しなければいけない計算です。
このように、株主配当というのはたしかに長期的な運用が可能な投資ではありますが、売買差益で収益を得るためには株価が下がるリスクを踏まえる必要があります。
配当金で収益を得るには、ある程度の資金力が必要など、気をつけなければいけない点があるので注意が必要です。
少ないリスクでお金を増やしたい人におすすめ
不動産投資や株主における売買差益の手法というのは、どちらかといえばハイリスク・ハイリターンでもあり、投資初心者の人が気楽にはじめてしまうと損をする可能性を含んでいます。
もしリスクを負いたくないのならば、ローリスク・ローリターンの投資がおすすめです。
下記で紹介する手法はとにかくリスクが少ないですが、その分リターンも少ないことを覚悟して行う必要があります。
預貯金の利子・利息
銀行口座にお金を預金することで、利子・利息を得る方法です。
2021年6月時点での金利平均は普通預金で0.001%、定期預金で0.003%と非常に低い金利となっています。
これは例え1,000万円を預金しても、年間の利益は100円程度にしかならず、ほとんど利益にならないといってもいいでしょう。
しかし銀行がなくなりでもしない限りは、長期的かつ安定して利益を得られる手法ではあるでしょう。
投資信託の配当
投資信託は、株式などの金融商品の運用をプロに任せて利益を得る方法です。
運用を行う人は、複数の投資家から資金を集めて最終的に大きな金額にしてから運用をします。
そして利益が出た分を、投資家たちに分配するのです。
この投資信託の良い点は、自分で運用をする必要がないので手間がかからないという点です。
しかし、運用する人がプロだったとしても損をしてしまうことがあるため、必ず元本が保証されているわけではないという点に注意しましょう。
自己資産を有効活用したい人におすすめ
ある程度、自分の資金や資産に余裕があるのであれば、その資産を有効活用することで多少の利益を得られます。
自販機・コインロッカーの設置
もし、自分が保有している土地があるなら、空いている場所に自動販売機を設置するのもいいでしょう。
飲み物の自動販売機というのは、1畳分の土地があれば置けます。
ほとんどの場合、メーカーと契約して自動販売機をリースしてもらうという形です。
月の売り上げの数%をメーカー側に支払う必要があり、電気代についても自己負担です。
ほかにも近くに駅などがあるならコインロッカーを設置するのもいいでしょう。
人が多く行き交う駅付近だとコインロッカーの需要は高いため、行楽シーズンなどには大きな収益を得られる可能性が高いです。
シェアリングビジネス
もし、手持ちに高級ブランドの小物や高級車などを所有している人は、シェアリングビジネスに参入してみるのも一つの手です。
シェアリングビジネスとは、自分の持っているものを他人に貸し出すビジネスのことで、貸し出すものや日数などによって料金が変わります。
現在日本でも伸びているビジネスモデルであり、これからさらに需要が伸びていく可能性のある業界です。
しかし、シェアリングすることでどの程度の利益になるのかは所有しているものや運営会社によって変わっていくため、安定収入を得られるかどうかは自分しだいであるともいえます。
費用をかけずにはじめたい人におすすめ
もし自己資産が少なく、費用をかけずに不労所得を得たいという人もいるかもしれません。
そういう人はネットをうまく活用して収益を得ることを目標にしてみましょう。
アフィリエイトブログ
アフィリエイトとは、自分のサイトで企業のサービスや商品を紹介し、閲覧者が商品ページへと飛んで購入や申し込みをすることで報酬を得られる手法です。
サーバーやドメイン代などで月に1万円程度の費用がかかり、また毎日のようにさまざまな情報を収集して更新を続ける必要があるので、とても労力がかかります。
また、成果が出るまではまともに報酬を得られないため、収入が0のままの日々が続くリスクもあります。
しかし、一定の成果が生まれ軌道に乗れれば、満足のいく報酬額が増える可能性は高いです。
最初のうちは根気強く更新をする必要があります。
YouTube
不労所得を得る方法として、近年人気が高まっているのがYouTubeへの動画投稿です。
YouTubeで有名になれば、高額な報酬をもらえます。
さまざまなメディアで活躍する機会を得られるということで、2020年の「小学生の将来なりたい職業ランキング」で上位に食い込むなど、その注目度は非常に高いです。
パソコンがなくてもスマホさえあれば動画を作ることができますが、YouTubeの動画投稿によって満足のいく収益を得ている人はごく僅かだといえるでしょう。
なぜなら、YouTubeには収益化の条件があり、ただ再生回数が多ければいいというものではないからです。
YouTubeにおける収益は「広告収入」や「チャンネルメンバーシップ」などがありますが、広告収入を得るためには、下記の条件をクリアする必要があります。
- 直近12か月の総再生時間が4,000時間以上であること
- チャンネル登録者数が1,000人以上であること
- 広告掲載に適したコンテンツであること
上記の条件をクリアしたとしても、YouTubeの収益は1再生で0.1円程度といわれています。
また、動画の編集作業などの労力もかかるため、成功すれば大きいが、成功しなければ動画の作成労力だけを消費するという、ある意味ハイリスク・ハイリターンの作業でしょう。
月1万以上確実に稼ぎたい人は「不動産投資」をしよう
今まで紹介してきた不労所得の多くは、月に1万円以上稼ぐには時間も労力もかかるものがほとんどです。
しかし、マンション経営や不動産投資ならば、ほぼ確実に月に1万円以上稼げます。
不動産というのは、購入する際の初期費用が高く、ハードルが高いと感じてしまう人もいるでしょう。
しかし、マンションを購入したあとは物件や入居者の管理を管理会社に任せることで、オーナーである自分の労力を極限まで減らせます。
ローンを組んだとしても、信頼できる不動産会社と二人三脚で運用プランを実行していけば、すぐに返済できるでしょう。
ローンをすべて返済したあとは、何もしなくても月に数万円から数十万円もの収益が期待できます。
まとめ
楽して稼ぎたいと考えている人は多いかと思いますが、楽して稼ぐための道のりはそれぞれです。
今回紹介した不労所得には、僅かな利益を堅実に得る方法とハイリスク・ハイリターンの方法とがありました。
さまざまな方法を紹介してきましたが、どの方法も「自分の努力」が大切です。
その中で自分に合った方法を選択することで、精神的にも楽に不労所得を得られるようになるのではないでしょうか。