「世界の都市総合力ランキング」というものをご存じでしょうか?
東京で不動産投資をしている、もしくはこれからはじめようと考えている人へ、前年度の世界の都市総合力ランキングと、現在世界中で猛威を振るっている新型コロナの影響をふまえ、東京の都市力は今後どうなっていくと予想されるか解説していきます。
目次
世界の都市総合力ランキングとは?
「世界の都市総合力ランキング」とは、都市分野を研究する研究機関「森記念財団」が世界の各都市の「総合力」をもってランキング付けし、2008年より毎年発表しているものです。
日本国内の主要都市で「森ビル」を見かけたことはありませんか?
この森ビルや森トラスト・ホールディングスの創業者である森泰吉郎氏が設立し、政治家・経済学者の竹中平蔵氏が所長を務めているのが「森記念財団」となります。
世界の都市総合力ランキングでは、以下の6分野でスコアを付け、世界48都市を総合的に評価しています。
- 経済
- 研究・開発
- 文化・交流
- 居住
- 環境
- 交通・アクセス
つまり、現在人々や企業が総合的な魅力をもつと考える都市はどこなのか、また、逆にその都市の弱みについて把握できるのです。
2019年版で東京は3位
2019年11月19日に発表された「世界の都市総合力ランキング」では、1位は8年連続でロンドン、2位はこちらも8年連続のニューヨーク、3位には4年連続で東京がランクインしています。
3位以降もここ4年間ではほとんど順位が変わらず、以下のような結果になりました。
5位 シンガポール
6位 アムステルダム
7位 ソウル
8位 ベルリン
9位 香港
10位 シドニー
東京はしばらく3位が続いていますが、昨年からは総合スコアが落ちている状況です。
4位のパリの下落幅が小さいことから、3位と4位の差は縮まっているといえるでしょう。
東京の評価ポイントについては、6分野のうちとくに強い・弱いという決定打がなく、全体的にバランスのとれた都市という結果に落ち着きました。
東京の都市力ランキング、2020年以降の展望は?
では、2020年以降における東京の都市力ランキングはどのようになると予想されるでしょうか。
新型コロナの影響でランクアップはあまり期待できない
2012年に開催されたロンドンオリンピック・パラリンピックにより、ロンドンにおけるインバウンド需要が高まり、都市総合力は8年連続で伸び続けています。
このことからもわかるように、オリンピック開催による経済波及効果は非常に大きいものです。
しかし、新型コロナの感染拡大により、2020年に開催が予定されていた東京オリンピックは、2020年10月時点では「翌年に延期」という措置がとられています。
感染拡大の予防として、外国人観光客の入国が制限され、また東京オリンピックが延期されたことによって、東京は観光や経済面での総合力を高めることが難しい状況です。
現在世界中のほかの都市も、東京と同じようにインバウンド消費を見込めず、経済、文化交流、観光客の面で伸び悩んでいる状態に陥っています。
人口増・再開発が進み、都市力を向上させる要素は依然多い
オリンピック開催延期によりしばらく期待できないインバウンド事業ですが、次は都市力に大きく影響する国内での人口の動きにフォーカスを当ててみましょう。
総務局統計部の調査によると、東京都の人口は2020年7月1日時点で推計1,399万9,624人となっています。これは対前年同月比で約7万人の増加です。
また、世界における都市力ランキングの上位を維持するためには、大規模な再開発も必要です。
実際に東京では、品川駅・田町駅周辺でのリニア中央新幹線整備のほか、ホテルや展望施設として虎ノ門・麻布台地区で330メートルの高層ビル建設を行うなど、多くの再開発が予定されています。
このように、コロナ禍でも東京の人口増や再開発は継続するとみられ、いま以上の都市力となる可能性は十分高いでしょう。
人口増・堅調な都市力をもつ東京は賃貸経営にとってもプラス
人口増や再開発が継続されるというデータから、コロナ禍にあっても東京の都市力は、2020年以降もしっかり腰を据えた強さがあると予想されます。
人が多く都市力も高いということは、賃貸物件の需要も高いということです。
不動産投資の面からみても、今後も東京での賃貸経営は安定する傾向にあるといえます。
まとめ
「世界の都市総合力ランキング」で3位を維持している東京ですが、世界中の誰もが予想しなかった新型コロナの影響により、東京エリアにおける不動産投資を続けるべきか迷っている人も少なくないかもしれません。
しかし、東京においては人口増や再開発などが続いていますので、都市力はまだまだ高いといえます。
不動産投資を成功させるために、情報を正しく整理し、賃貸需要の高い物件を購入しましょう。