購入価格が手頃な物件が多いため、築年数が古い投資アパートや区分マンションに興味を持っている人も多いかもしれません。
また不動産投資家の中には、所有している投資物件の築年数がかなり経過してきたために、不安を感じている人もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、そんな築古物件への投資におけるメリット・デメリットをご紹介します。
そのうえで、築古物件に投資するかどうか、築古物件への投資をこのまま続けるのかを判断してみてはいかがでしょうか。
不動産は古くなっても大丈夫?
不動産の一つ「土地」は古くなることはありませんが、「建物」は法律で耐用年数が決められています。
とはいえ、築古物件の市場は、以下のような興味深い特徴があるのです。
築数十年の物件でも安定した賃料・売買価格を維持している
賃貸情報サイト「suumo」にて、東京都の築古物件(駅近、1R・1K)賃料や売買価格を調べてみました(8月6日時点)。
賃貸経営をするにあたり、以下の4事例のように、築年数が数十年経過しても賃料は7万円以上、売買価格は1,500万円以上の物件もあることが分かります。
・築年数46年で賃料7万円以上の物件
・築年数40年前後で売買価格1,500万円以上の物件
いま築古物件を所有している人も投資をし続けて問題ない!
もし現在、築古物件を投資用に所有している場合は、古くても賃料が稼げていれば問題ありません。
賃料をきちんと稼ぐことができる物件ということは、入居者が住みたいと思えるような条件を備えているため、空室率も低い物件だと言えます。
建物は古いけれども、売却価格もしっかり付く可能性が高いというわけです。
築古物件の賃料・売買価格を高く維持するためのポイント
不動産投資は、少しでも儲けが出なければ行う意味がありません。
築年数が古い物件でも、入居者が住みたいと希望する物件にするには、実は以下の3つのポイントがあります。
需要に合わせた間取りへリフォームする
大学など教育施設の多い文京地区、転勤族が多く住むエリアなどワンルームがすぐに埋まる地区もあれば、ファミリー世帯に人気の高いエリアもあります。
まずは、購入しようと考えている物件のあるエリアでは、どんな間取りに需要が集まっているのかを調査しましょう。
需要に合わせた間取りへリフォームすることで、安定した家賃収入を得ることができるようになります。
築古物件に強い管理会社を選ぶ
築古物件に限らず、空室を発生させないようにするためには、入居者の募集や日常的な物件管理などに長けた管理会社を選ぶことが大切です。
また、管理会社はそれぞれ得意な物件の種類があります。
そのため、築古物件で不動産賃貸運営を行う場合は、築古物件に強い管理会社を選ぶのがベストでしょう。
築古物件における修繕積立金の設定見直しや回収、そして修繕を依頼する業者の選択に手慣れている管理会社であればとても頼りになります。
各種保険にしっかりと加入しておく
建物が古いと、どうしても出てくる修繕箇所です。
想定の範囲内の出費には、火災保険や瑕疵担保保険などに加入して、リスク対策をしておきましょう。
火災保険でさまざまなオプションに加入しておけば、火事による損害だけでなく、部屋の破損やマンションの浄化槽の修繕などでも、給付金の適用となることがあります。
築古物件を購入する際に付加される瑕疵担保責任は、引き渡しから3ヶ月以内という期限が契約書に明記されているのが一般的です。
この期間を超えて物件の不具合が見つかった場合に保険金が出るのが「瑕疵担保保険」です。
瑕疵担保保険に加入できるのは、新耐震基準(建築確認認可が1981年6月以降)に適合した物件であることが条件となっていますので、ご注意ください。
これから築古物件に投資するのは慎重に
投資用物件としていまから築古マンションなどを購入しようとする場合、建物の古さに対するリスクを回避するための方法をいくつか心得ておきませんと、投資に失敗する可能性も出てきます。
築古物件のメリット・デメリット
築古物件のメリット、そしてデメリットへの対策方法をそれぞれ3つずつ、ご紹介していきます。
メリット①:物件価格の安さ
築古物件の一番のメリットは、安く買えることです。
安くて100万円から売買されている物件もあり、ローンを組む必要がなく初期費用が少なくて済みます。
メリット②:利回りの高さ
築40年以上の物件であっても、立地条件によっては新築とそれほど変わらない賃料設定もあります。
そのため、入居者が途切れないようにすることで、物件購入費用を短期間で回収可能でしょう。
自己資金のみで物件を購入した場合は、さらに高い利回りになる可能性があります。
メリット③:物件価格・成約率が下がりにくい
中古マンションは、築年数が古くなるにつれて売れにくくなるというイメージが強いかもしれません。
実際そのとおりなのですが、実はよく分析しますと、築20年を過ぎるまでは成約率も比例して下がっていきますが、築30年以上を過ぎると物件価格は横ばいになる傾向にあるのです。
また、外観が古くても、室内を現代風にリノベーションすることで、一定の成約率を維持することが可能です。
デメリット①:修繕費用が高額化しやすい
築年数が古ければ古いほど、修繕が必要な箇所は多くなりがちですが、空室リスクを避けるためにも修繕は必須項目です。修繕費用をきちんと見込んだ資金繰りを考える必要があります。
デメリット②:空室リスクが高い
賃貸物件を探していて築浅と築古の物件が同じ条件で並んでいたら、やはり築浅物件のほうに目が行きがちです。
このような築古物件の空室リスクを減らすためには、新耐震基準に適合する物件を選ぶこと、修繕をしっかり行うことなどの対策が重要だと言えます。
また、同じ条件の築浅物件よりも家賃を下げることで、空室の発生を防ぐという手段もあります。
デメリット③:融資がとおりにくい
ローンの融資を受ける際には、物件を担保に入れることになります。
築古物件は評価額が非常に低い、もしくはゼロの場合もありますので、融資がとおりにくいのが現実です。築古物件の購入では、自己資金でまかなえるような資金計画を立てることが賢明でしょう。
まずは不動産投資会社に相談してシミュレーションをしよう
投資用に築古物件の購入を考える場合は、不動産投資の初心者ではなくても、不動産投資会社に相談することがベストです。
不動産投資のプロに直接話を聞くことができます。
数ある中から不動産投資会社を選ぶことになりますが、その際に多くの人が利用するのが「不動産投資会社の比較サイト」です。
中でも不動産投資会社完全比較ガイドでは、複数の不動産投資会社を紹介していますし、投資シミュレーションなどの相談にも対応しています。
まとめ
築古物件での不動産投資は、さまざまなリスクもありますので、初心者よりも投資経験者に向いていると言えます。
好立地にある、魅力ある住まいにリフォームしてある、購入時には瑕疵担保保険に加入するなどのリスク対策をしっかり行うことができれば、築古物件の賃貸経営でも高い利回りを期待することができるでしょう。
築30年以上の物件であれば、売却する際にも価格的に安定していますのでおすすめです。