不動産投資にはさまざまなメリットとともにリスクもありますが、リスクのひとつとして、売却リスクが挙げられます。
不動産投資における売却リスクの原因のひとつとして、「限界マンション」という言葉を聞いたことがある方も多いことでしょう。
そこで今回は、限界マンションに着目し、原因や対策法方について解説します。
目次
限界マンションとは
限界マンションとは、建物の老朽化が進み、入居者が少なく、管理修繕ができない状態にあるマンションを指します。
マンションのスラム化のようなもので、入居者が集まらないと修繕することもできません。
老朽化により入居者が少なくなり、そのため収益も上がらず、修繕費用も賄うことができない、という負のスパイラルにはまってしまった状態なのです。
都市部の方が起こりやすい
限界マンションは、都心部の方が起こりやすい傾向にあります。
その理由は単純で、マンションは地方よりも都心部に集中しているためです。
また、限界マンションは局所的な問題であることから、限界マンションのすぐ隣のマンションは問題なく運営できているといった状況も珍しくありません。
築年数よりも立地が主な要因になる
都心部に多く見られる傾向にある限界マンションですが、限界マンションとなる主な要因としては、立地による問題が挙げられます。
マンションのニーズの多くが、駅徒歩物件などといった立地によるニーズであるため、逆に立地の悪い物件は、需要が少なくなってしまうのです。
需要の高い物件であれば、それに比例して入居者も増えるため過疎化が進むことはありませんが、立地により需要が少なくなってしまうと、入居者も減ってしまいます。
そのため、限界マンションとなる要因には、物件の築年数よりも、立地による問題が大きくなるのです。
立地が悪いマンションは、限界マンションになりやすいため、購入しないほうが無難といえます。
価格を下げても買い手がつきにくい
不動産物件は最終的には売却することも考えるでしょうが、限界マンションの状態となってしまうと、売却価格を下げたとしても、買い手がつきにくくなってしまいます。
これは、オーナーチェンジなどでマンションの購入を検討する際には、物件の入居率を確認し、空室リスクを少しでも下げようとするためです。
不動産会社も、しっかりと事前調査を行います。
そのため、限界マンションの状態である空室の多い状態では、買い手がなかなか見つからないのが現状です。
不動産物件を手放す際もスムーズに商談が進むように、限界マンションにならない事前の対策が必要です。
限界マンションになる原因
上記のとおり、限界マンションとなる主な要因は立地による理由が主として挙げられます。
立地による理由を要因として、限界マンションになってしまう原因は、大きく2つにわけることができます。
- 居住者の高齢化で管理組合が機能しない
- マンションの劣化で空室が増えてしまう
居住者の高齢化で管理組合が機能しない
マンションの居住者が少子高齢化し、管理組合が機能しない場合や、管理者自身が高齢のために動けない場合があります。
管理組合が機能しないと、マンションの維持管理が困難になるため、限界マンションとなってしまう原因となるのです。
管理組合は、居住者からの積立金により運営されますが、居住者の高齢化に伴い、積立金を拠出できない方も増えてきてしまいます。
また、高齢化に伴い、居住者が死亡してしまった場合など、相続人不明の物件となってしまうケースもあり、そういった部屋の積立金も徴収することができません。
このように、居住者の高齢化に伴う資金不足も、管理組合が機能しない原因となるのです。
その結果、限界マンションとなってしまうことから、居住者の高齢化は限界マンションの原因といえます。
マンションの劣化で空室が増える
マンションの劣化は物件自体の魅力を下げてしまうことから、空室が増える原因となります。
空室が増えるということは、家賃が回収できないということであるため、深刻な資金不足を招きかねません。
資金不足のため、劣化した設備があっても修繕することができず、さらに劣化が進み、空室が増えてしまいます。
このように負のスパイラルに陥ってしまい、限界マンションとなってしまうのです。
また、物件の劣化が進みすぎて、修繕が困難な場合もあります。
以上のようなことにならないためにも、小まめな修繕が必要だといえます。
限界マンションにならない為の対策
上記では限界マンションになってしまう原因を解説しました。
限界マンションになってしまうと、そこからの復元は非常に困難となることから、限界マンションにならない対策が必要になります。
事前に修繕積立金を集めておく
限界マンションになる理由のひとつとして、物件自体の魅力の低下が挙げられることから、物件の修繕は必要不可欠であることがわかります。
しかし、マンションの修繕費用には多額の資金が必要になることから、簡単に拠出できるものではありません。
そのため、長期計画で余裕を持った積み立てが必要になります。
長期計画であれば、月々の積立金額も抑えることができることから、居住者も拠出しやすくなります。
物件の魅力を低下させないためにも、長期計画で修繕資金の積み立てを行い、修繕に臨みましょう。
立地が良いマンションを選ぶ
限界マンションとなっている物件の多くは、立地の悪い物件です。
そのため、立地はマンション経営に非常に重要な項目であることがわかります。
仮に築年数が古い物件であったとしても、立地条件がよければ人は集まりますし、人が集まれば修繕費を賄うこともできます。
マンション経営を行う際には、物件を探すことになりますが、その際は、立地条件にはとくに気をつけて選ぶようにしましょう。
滞納している人に退去を促す
家賃を滞納している入居者がいる場合には、退去を促すようにしましょう。
入居者から家賃の徴収ができないと、修繕費の積み立てを行うこともできません。
それが積み重なると資金不足を招く恐れがあり、限界マンションとなってしまう場合もあります。
家賃を滞納するような入居者には退去を促し、限界マンションになってしまうリスクを少しでも小さくすることが必要といえます。
他の入居者とのトラブルにもつながりかねないため、事前の対策が重要です。
入居希望者を見込める場合は建て替えをする
マンション経営では立地条件が非常に重要ですが、それと同様に、物件を自体の魅力も重要です。
将来的に入居者が増えることが見込める場合には、建て替えを検討してもいいかもしれません。
なお、建て替えを行う際は、区分所有者および議決権の各5分の4以上の賛成を取る必要があることや、解体費用も必要になることに注意しましょう。
まとめ
経営が困難な状態にあるマンションを限界マンションといいますが、その理由には、立地条件や居住者の年齢層などが考えられます。
空室リスクや資金不足も深刻な問題へとつながる恐れがあるため、危険な財務状況に陥る前に、事前の対策が必要です。
マンション経営で不動産投資を行う際には、さまざまなリスクを考慮した上で慎重に判断することが大切になります。
判断材料のひとつとして、不動産一括査定サイトを参考にしてみるのもおすすめです。
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