団体信用生命保険とは、住宅ローン契約者が死亡または高度障害状態になったとき、保険会社がローンの残債を代わって支払う保険のこと。住宅ローン専用の生命保険として利用されています。ここでは、団体信用生命保険の内容と意義、種類について詳しく説明します。
目次
団体信用生命保険とは住宅ローン返済中の死去・高度障害に備える保険
団体信用生命保険は住宅ローンの契約者が返済中に死亡、もしくは高度障害状態になったときに、保険会社が金融機関に保険金を支払ってくれる保険です。 基本的に、団体信用生命保険への加入は住宅ローン借入時の条件にされているケースが多く、自動的に加入することになります。(一部例外もあり) 住宅ローンの返済中、契約者にもしものことがあるとローンの支払いが滞ってしまう可能性があります。ローンを組むということは、住まいを手に入れるために借金をしているのと同じなので、支払いが滞ると最悪の場合家を手放さなければなりません。 団体信用生命保険はそのような事態を避けるために加入する保険で、遺された家族への負担を軽減するとともに、経済的に困窮するリスクからも守ってくれるものです。
提供元別の団体信用生命保険の代表的な4つの種類
団体信用生命保険は、提供元によってそれぞれ特徴が異なります。 代表的な4種類をご紹介します。
-
1. 信用保証協会団体信用生命保険
-
2. 中央労働銀行団体信用生命保険
-
3. 機構団体信用生命保険
-
4. 金融機関の団体信用生命保険
死亡・高度障害状態以外のトラブルにも備えられる団体信用生命保険
通常、団体信用生命保険はローン契約者が「死亡・高度障害状態」になった時点で残っている住宅ローンが完済されるシステムになっています。ここではさらに、死亡・高度障害状態以外のトラブルにも備えられる団体信用生命保険を紹介します。
三大疾病特約付団体信用生命保険
三大疾病特約付団信信用生命保険は、ローンの契約者が死亡・高度障害状態になったときはもちろん、三大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞)にかかり、所定の状態になったときにも残りの住宅ローンが完済されるものです。
日本人の多くが罹患する疾病の多くをカバーするもので、支払いが難しくなった場合に備えられるので、万が一に備えるならば三大疾病特約付団体信用生命保険に加入するのも一つの方法と言えるでしょう。
三大疾病特約付団体信用生命保険には、一定の期間中は住宅ローンを月々負担しつつ、一定期間が過ぎてもまだ症状が続いている場合について、ローンの残額を完済するという内容のものもあります。
八大疾病特約付団体信用生命保険
八大疾病特約付団体信用生命保険は、保証対象となる疾病をさらに広げた保険です。ローン契約者が死亡・高度障害状態になったときに加えて、八大疾病に罹患して所定の状態になったときに、残った住宅ローンが完済されます。
ここでいう八大疾病は三大疾病(がん、脳卒中、急性心筋梗塞)にプラスして、五疾患(糖尿病、高血圧性疾患、肝硬変、慢性膵炎、慢性腎臓病)を指します。
団体信用生命保険の2つの注意点
1. 加入できないケースがある
団体信用生命保険は生命保険の一種なので、加入時に契約者の健康状態がチェックされます。一定期間きちんとローンの支払いができるかどうかを見られるため、疾病にかかっていると加入ができない可能性があります。
団体信用生命保険の健康告知は通常の生命保険よりも項目が少なく設定されているので、加入は難しくありません。しかし既往症の有無、病気の種類、経過などはきちんと見られますので、加入できるか否かは保険会社の担当者とよく話し合うことをおすすめします。
2. 一般的な病気やケガでは保険金が下りない
団体信用生命保険は契約者の死亡または高度障害状態が基本で、三大疾病や八大疾病の特約が付く場合を除けば、それ以外の病気やケガでは保険金が下りないことが多いです。
たとえば骨折など、一定期間働くことができず無収入になってしまった際に、保険金が下りなければ貯蓄を切り崩して対処するしかありません。その意味では、別の保険に加入して保障をつけ、そこから出た給付金で補う必要があります。
備えは万全に
団体信用生命保険は、万が一のときにも住宅ローンの支払いを担保してくれる心強い存在です。すべての病気やケガをカバーしているわけではありませんが、加入しておいて損はありません。 これからマイホームを購入予定の方はローンを借り入れる金融機関や保険会社とよく相談のうえ、備えを万全にしておくことをおすすめします。