不動産投資は、ほとんどの場合、金融機関から融資を受けて行います。ここで気になるのがローンの借り換えです。不動産投資ローンに限らず、ローンの借り換えは、各金融機関で積極的にアナウンスされています。
今回は不動産投資ローンにおいて借り換えするべきかどうかと、損しないためのコツを紹介します。
目次
不動産投資ローンの借り換えは利回りが向上する可能性がある
不動産投資ローンを借り換えた場合、金利が低下したことによって利回りが向上し、収益が拡大する可能性があります。
例えば、金利3.2%で2,000万円を30年の借入期間で融資を受けた場合、月々の返済額は、8万6,493円です。一方、同じ条件で金利2.1%だった場合は、月々の返済額は7万4,928円となり、月々の返済額に1万1,565円の差がでます。
不動産の収益を測るうえで重要な実質利回りは、返済額も含む諸経費を、年間家賃収入から引いたものなので、金利が下がって、返済額が減れば、当然利回りは高くなってきます。
信用が向上して次の投資につなげる機会にもなる
不動産投資ローンを借り換える際、最初のローン契約機関よりも、大手の金融機関からの借り換えに成功すれば、信用力が向上します。一度信用を勝ち取れば、その後、新たな物件に投資するために、再度ローンを組む場合でも有利に働きます。
ローン借り換えで損をしないためには融資期間に注目
不動産投資ローン借り換えのメリットは、金利が減り、月々の返済額を抑えられるとこにあります。そのため、ローン借り換えで損をしないためには、融資期間に注目しましょう。
いくら金利が下がっても融資期間が短くなっては、月々の返済額は跳ね上がってしまいます。
先述のように、金利3.2%で2,000万円を30年の借入期間で融資を受けた場合、月々の返済額は、8万6,493円です。これが20年になると、同じ3.2%の金利でも、月々の返済額が、11万2,932円にもなってしまいます。
ローンの借り換えをする際は、金利とあわせて借入期間をチェックしておきましょう。
変動金利かどうかによっても損をする可能性がある
金利のなかには、固定金利と変動金利があります。固定金利であれば、融資当初から一定の金利で返済するため収支計画もたてやすくなります。一方、変動金利の場合、経済の動向などで金利が変動していくため、経済全体の金利が引き下げられれば、毎月の返済額も連動して下がるというメリットがあります。
しかし、金利は下がるだけではなく、上がることもあるため、変動金利に借り換えたタイミングによっては、返済額が高くなってしまい、利回りが低くなってしまうこともあります。
入居率が悪いと借り換えができないことも
ローンの借り換えは必ずしもすべてのオーナーができるわけではありません。仮に入居率が低くいとローン借り換えに対応してくれないこともあります。 不動産投資のメリットは、家賃収入であるインカムゲインという安定した収入があることです。この収入が見込めなければ、返済能力がないとみなされ、借り換えに応じてくれません。
ローン借り換えが有利に働く3条件
ローンを借り換えることが、有利に働くとされるのは次のような3つの条件にあてはまる場合といわれています。
- 借り換えローンと融資を受けているローンの金利が1%以上
- ローンの残高が500万円以上
- 返済期間が10年以上
この条件を基に借り換えることで、どれくらいの金額が浮くかを把握できます。
例えば、2,000万円のローンの残高が1,000万円、借り換えローンとの差が1%、残り借入期間が10年だとした場合、
*(1,000万円×1%×10年)÷2=50万円
となり、50万円が浮くことになります。
不動産投資ローンは得になるかどうかを計算してから借り換える
不動産投資ローンを借り換える際は、その結果、お金が浮くかどうか、月々の返済額が減るかどうかを確認してから行いましょう。ただ、金利が下がるからだけに注目して借り換えても、返済期間が短くなれば、結果損をしてしまいます。一度プロに相談をするか、しっかり自分でシミュレーションしてから判断をするのがおすすめです。