「アパート経営は安定していると思うけど、地獄に感じるほど大変なのかな」
「不動産投資は初めてだから、絶対に失敗はしたくないな」
「失敗して借金地獄になりたくないから、事例や対策を調べたいな」
上記のような悩みを抱えている方に向けて、本記事ではアパート経営で地獄を見た事例とアパート経営で地獄を見ないための対策を7つ紹介しています。
アパート経営に失敗する理由や不動産投資の具体的な対策が理解できますので、興味がある方はぜひ最後までお読みください。
アパート経営で地獄を見た事例
アパート経営で地獄を感じるのは「キャッシュフローの悪化が原因」といえるでしょう。
なぜなら「銀行返済額>家賃収入」となることで、毎月の銀行返済に追われる状態になるからです。
返済が滞ると一括返済や物件の差し押さえのほか、自己破産につながるケースも少なくありません。
「銀行返済額>家賃収入」となるのは、どのような場合があるのでしょうか。
ここではアパート経営で地獄を見た事例を9つ解説します。
①多額の借入金の返済に追われるAさんのケース
1つ目の例は、多額の借入金の返済に追われるケースです。
たとえばAさんの場合、多額の融資を受けて大学近くにある好立地アパートを購入しました。
しかし、近くにある学生寮に入居者を取られ、空室が埋まらず借入金の返済に追われることになってしまいました。
無理な融資を受けてアパートを購入してしまうと、トラブルに見舞われたときに対処が困難になるおそれがあるといえます。
②営業マンに売り込まれて利回りの悪い物件を購入してしまったBさんのケース
利回りの悪い物件を購入してしまうのも地獄への第一歩です。
Bさんは、営業マンに売り込まれて利回りの悪い物件を購入してしまい、収支がマイナスになってしまいました。
室内の設備も古く、室内の原状回復の費用がかさんでしまったのも原因のひとつです。
外観がきれい、治安がよいなど、営業マンのトークに乗せられないように注意しなければなりません。
③立地や賃貸需要を加味せず空室に悩んでいるCさんのケース
立地や賃貸需要を加味せずアパートを購入して後悔する方も少なくありません。
Cさんは、高利回りアパートを購入しましたが、周辺エリアには競合アパートが多く空室が埋まらないことに悩んでいます。
表面利回り12%超のアパートですが、空室が多く実質利回りは半分ほどになってしまい、毎月の返済も滞りがちです。
いくら高利回りの物件でも、周辺に競合が多い場合には慎重に判断して購入するかどうかを決めなければなりません。
④不動産会社・管理会社の質が悪く募集がうまくいかないDさんのケース
地方のアパートを購入したDさんは、不動産会社の対応の悪さのせいもあり、募集がうまくいっていません。
知名度はあるものの、地元オーナーの物件を優先している傾向が強く、入居案内や申し込みの連絡が入ってこないのです。
案内をして空室を埋めてもらうために、多額の広告費をかけて依頼することも多く、採算が取れないことが悩みのひとつです。
アパートを購入する前に、不動産会社・管理会社の対応や内情についてきちんとリサーチしておく必要があるといえます。
⑤節税目的で始めたのにまったく効果が感じられないEさんのケース
節税目的でアパートを購入したEさんは、その効果をほとんど感じられていません。
特に初年度は購入費用があったため、不動産所得が赤字になりました。
2年目以降は黒字ですが、税負担が増えている状態になっています。
減価償却費の仕組みや損益通算の考え方を理解しておかないと、当初の目的である節税が叶わないことを覚えておかなければなりません。
⑥サブリースの仕組みを理解せず大損したFさんのケース
サブリース付きでアパートを建築したFさんは、大きな損をしたと後悔しています。
サブリースだから空室があっても安心だと思い、土地活用でアパートの経営に乗り出しました。
しかし2年ごとにおこなわれる家賃の見直しによって、手にする収入が減ってしまっているのです。
サブリース付きのアパートを購入する場合、サブリースの仕組みや建築費のことをきちんと把握する必要があるといえます。
⑦入居者の家賃滞納・夜逃げで多額の費用がのしかかったGさんのケース
オーナーチェンジでアパートを購入したGさんは、入居者の家賃滞納と夜逃げで多額の費用がかかりました。
通常は保証会社や連帯保証人に請求をしますが、保証会社の引継ぎができないケースだったため、請求もできなかったのです。
また室内の荷物は、オーナーでも勝手に処分することができず、「建物明渡し請求」の費用や原状回復費用などの費用もかかりました。
このようなトラブルは予想するのが難しいため、家賃を滞納された時点で入居者と連絡を取り、トラブルの芽を事前に摘んでおく必要があるといえます。
⑧入居者対応に追われて疲弊するHさんのケース
入居者対応に追われ、理想とは程遠い生活を送っている方も少なくありません。
中古アパートを購入したHさんは、騒音クレームによる2部屋の退去のことで頭がいっぱいです。
外国籍の方の入居を受け入れましたが、ゴミ捨てのマナーや夜中に友人を呼んで騒ぐなど、クレームの原因となる行為をし続けています。
管理会社を通じてやり取りを続けるも改善されず、結局強制退去となりました。
既存の入居者にも影響を与えるため、悪質な場合には強気な姿勢で交渉に臨む必要があるといえます。
⑨追加投資に失敗したIさんのケース
追加投資をするのも慎重に検討する必要があります。
1棟目のアパートの経営が軌道に乗り、すぐに2棟目を購入したIさんは、手元の現金が足りなくなりました。
これは、1棟目の取得税と2棟目の購入時期が重なってしまったためです。
投資規模を拡大する前に、キャッシュフローや自己資金、固定資産税など資金繰りの計画を作らないと今後の経営が危うくなるかもしれません。
アパート経営で地獄を見ないための対策
アパート経営は、適正な物件を適正な価格で購入することで失敗を防ぐ確率を上げることができます。
ここからは、アパート経営で地獄を見ないための対策を7つ紹介していきます。
①不動産会社・管理会社選びを慎重におこなう
不動産会社・管理会社選びは慎重におこないましょう。
不動産投資は、購入までに成功の8割が決まるともいわれています。
パートナーとなるような不動産会社や管理会社は、投資を始めるうえでの心強い存在になります。
どの会社にすればいいか迷ったときは、「投資家の利益を第一に考えているかどうか」を基準に選ぶとよいでしょう。
②まとまった自己資金を準備してから始める
まとまった自己資金を準備してから始めることも重要です。
レバレッジを効かせるのが不動産投資のメリットですが、ハイレバレッジの投資はその分リスクも高くなります。
長期間の空室に耐えられる資金があれば、余裕のあるアパート経営が叶います。
③不動産投資の勉強をして知識をつける
不動産投資の勉強をして、必要な知識を身につけましょう。
アパート経営のトラブルや失敗は、知識をつけることでほとんどが回避・解決可能といわれています。
本やセミナーなどで勉強の機会を作り、失敗を防ぎましょう。
④初心者はサブリース契約を避ける
特に初心者の場合、サブリース契約は避けるのが無難です。
サブリースにはさまざまなメリットがある一方、「家賃変動」といった初心者にはわかりづらい概念があり、きちんと勉強して契約を結ばないと大きなトラブルに巻き込まれてしまうおそれがあります。
サブリースでないと契約できない状況であれば、不動産投資そのものを再検討したほうがよいでしょう。
⑤表面利回りでなく実質利回り見て物件を決める
物件を選ぶときは、表面利回りでなく実質利回りを見てから決めましょう。
以下の計算式で実質利回りがいくらなのかがわかります。
- 表面利回り=年間家賃収入÷物件価格×100
- 実質利回り=純収入(年間家賃収入-経費-空室損)÷(物件価格+購入時コスト)×100
実質利回りを見れば、物件の収益性が一目でわかります。
また、相場賃料の算出と空室損は、実際に賃貸付けできる相場で試算することが重要です。
⑥収支計画・出口戦略を入念に立てる
収支計画・出口戦略を入念に立てておかないことで失敗するケースも少なくありません。
不動産は物件価格が高額で、「家賃収入<売却益」となるのが一般的です。
そのため、売却の価格見込みが非常に重要になります。
⑦返済比率を50%未満にする
返済比率を50%未満にすることも重要なポイントです。
自己資金を投下し、返済比率を下げることで毎月の家賃収入に余裕が生まれます。
また、返済比率は以下の計算式で出すことが可能です。
ポイントは、フルローンや高利回り物件ではなく、自己資金を投下することで安全性を高める投資方法を検討することです。
まとめ
アパート経営では毎月の返済が重要なポイントになるため、キャッシュフローの悪化が見られた際は早めに対処しなければなりません。
もし銀行への返済が滞ってしまうと、今後の経営がつらくなってしまうおそれがあります。
十分な資金を用意する、返済利率を見直すなど、今回ご紹介した対策法を実践しながら無理のない範囲でアパート経営を続けていきましょう。