不動産投資において、空室問題は成功するか失敗するか非常に大きな鍵となる材料の1つです。
しかし、少子化の続く日本では人口減少が問題となっているため不動産投資の将来に不安を持っている方も多いのではないでしょうか?
総務省が去年行った国税調査によると日本の総人口は1億2614万6,000人。
5年前の調査から94万9,000人ほどの減少となっていて、前年度から更に人口減少が続いているのが数値からも見て取れます。
これは東京も同様で人口は減少の一途をたどっています。
賃貸需要は今後どうなっていってしまうのか…
不動産投資はもうおしまいだ!!!と思っている方もいるかもしれませんが一緒に不動産投資の未来について考えてみましょう!
目次
賃貸需要はコロナの影響で激減
通常であれば3月前後の時期は引っ越しのハイシーズンであり賃貸物件の需要も高まっていたはずですが…
度重なる緊急事態宣言の延長や感染リスク回避のため数多くの企業や自治体の異動がやむを得ず延期。
飲食業を中心に営業自粛が長く続き、職を失ってしまった方も多く所得の減少を主な理由に安い賃貸へ引っ越さないと生活が困難。
などといった逼迫した状況が続いているため、賃貸需要が全体的に減少しています。
東京の単身者向け住宅の需要
コロナが猛威を振るう前、東京23区の単身者の人口は年間約4万人ほど増加していました。
一方、単身者向け賃貸住宅の供給はというと、東京都で約4.2万とほどと計測されていましたので単身者向けの賃貸住宅は需要と供給のバランスが良く取れていたことがわかります。
しかし……
コロナが振るい始めてから、東京都の単身者の人口は年間約2.5万人も減少。それに伴い単身者向け賃貸住宅の需要は約6.5万戸も失われてしまいました。
また、この間も需要が見込まれていた4.2万戸の新規供給が行われていましたので単身者向け住宅は供給過多な状況に陥っていると考えられています。
それだけではなく、大きな打撃を受けた飲食業サービスが集中している東京都では有効求人倍率も低迷しているため、さらに人口流入を減少させる要因とも言われています。
地方移住問題は増えている?
こういった要因から、郊外や地方に人口が集まってしまうため東京の不動産投資の未来は明るくない!!!と判断される方が多いかもしれませんが
実は…!
数値から読み解いていくと空室リスクは起こりにくいと考えられるのです。
コロナの影響によりテレワークが普及しましたが都心離れがさらに増加するのかといえばそうではありません!
パーソル総合研究所公表の情報によると正社員のテレワーク実施率は全国平均で24.7%。
数値を細かく見てみると、4月10~12日は27.9%、5月29日~6月2日は25.7%となっていて緊急事態宣言時と比較すると、わずかですが減少が見られますし新しい生活様式としてテレワークが進められているとはいえ実際の普及率が上がっているとは言えないでしょう。
東京都内のテレワーク普及率
2021年3月に発表された東京都ないのテレワーク普及率は緊急事態措置期間中の2月後半(2月22日~3月2日)では50.3%。
約半数がテレワークを導入しているという結果が出ているため普及率としては決して低くは感じられませんが…
週に何回テレワークを行っているかの数値を見てみるとまた違った側面が見えてきます!
結果は下記の通り
このようにテレワークを導入している企業でも63.4%ほどは週2日以上の出勤をしている事が分かります。
テレワーク化により郊外から移転した人たちからは
「週1の出勤でいいなら、通勤2時間の郊外でもいいと思っていたが、実際にやってみると通いづらさを感じるようになった」
「完全テレワークになったので郊外に移住したが、コロナに対する危機意識が会社間で薄れてしまい、週4勤務に替わり通勤が大変になった」
というような意見もきかれます。
数値から見ても完全テレワーク化を実施している企業は多くないことがわかりますしテレワークから通常の勤務形態に戻す企業も見られるため地方移住問題は予想していたほど進まないと考えて問題ありません。
国のコロナワクチン対策
2021年10~11月中には希望する国民すべてのワクチン2回接種を完了させるという取り組みを国で行っているのは皆さんご存じの事かと思います。
異種株による感染再拡大リスクは確かに残っていますが年度後半には条件付きで制限解除も行われていくため、2022年度になれば経済回復だけでなく人流もコロナ前の状況に戻り、東京23区の賃貸住宅の供給過剰な状態も徐々に解消されると考えられています。
東京都内でもエリアを選定する
前述したように、テレワークが推進されているとはいえど週1~2の出勤が必要であることが多い実態があります。
これを踏まえて考えると今後、テレワークだけではなくたまの出勤が快適に行える環境が求められるようになるのではないでしょうか。
コロナの影響を受けにくいエリア
不動産投資を行う上で最も重要といえるのがその立地条件の良さでしょう。
立地条件がいい場所といえば、やはり都心!
コロナの影響で都心離れが懸念されていましたが上記の通り東京都の地方移住問題は予想ほど進まないと考えられますし2022年には手堅いニーズが戻ってくると予想できます。
ウィズコロナを踏まえた物件
単身世帯のサラリーマンの住居の認識は、コロナ前には寝に帰る場所という物でしたがコロナの影響により、自宅の滞在時間が増えた結果…
快適に仕事をするだけではなく、快適に過ごしたいという空間需要が高まっているといえます。
これらを踏まえると、下記のような設備の整った単身者向け物件の需要が高まっていくと予想できます。
①インターネット環境
テレワークを自宅で快適に行うために最も重要なのがインターネット環境です。
例えば光回線のように高速通信が可能なインターネット設備の需要は今後もさらに増えていくでしょう。
②防音設備
集中して業務を行うために必要なものとして、静かな環境が考えられます。
また、オンライン会議などを行う機会も増えるため、近隣住民からの苦情や情報漏洩を防ぐ目的としても、防音設備の整った環境は必要です。
③省エネ対策
自宅で長い時間を過ごすことになるため、冷暖房費が増加している現状があります。
また、現在は省エネルギー対策等級※でどれだけエコな物件であるかを数値として判定し、可視化することが可能です。
等級が高いほど入居者にエコな物件であるとアピールできます!
④生活環境
コロナの影響により、食環境も変わってきているため物件の周辺にテイクアウト可能な飲食店があることも非常に重要です。
自宅で料理をする人も増えてきている関係でスーパーや薬局といった飲食品や日用品を購入しやすい施設があるエリアは特に人気が高まってると言っていいでしょう
まとめ
新しい生活様式の推進によりテレワークが普及し東京の人口減少が加速する原因になるのでは・・・と不安視されていましたが
現状を冷静に確認してみれば予想ほど東京都の地方移住問題は進まない可能性が高いでしょう。
また、2022年度には本格的に経済回復が見込まれていて人流もコロナ以前の状況に近づいていくと予想されています!
これらの要素も踏まえると・・・
不動産投資の未来はまだまだ明るいといえるはずです。
住宅環境のニーズは新しい生活様式に沿って変化していくと考えられますので常にアンテナを立て、ウィズコロナ・アフターコロナのニーズを把握し最良の物件を選定するように心がけてみてはいかがでしょうか。