1口数万円から数十万円という、比較的少額で始められるのが魅力の小口不動産投資。 最小1万円という金額で運用が可能です。 まず仕組みについて説明します。
目次
小口不動産投資の仕組みは大きく2つ
小口不動産投資は、おおまかに言うと「みんなでお金を出し合って不動産を購入し、利益もみんなで分配する」という仕組みです。 金融商品で言うと、投資信託とよく似ています。
匿名組合方式と任意組合方式という2つの出資方式があり、登記上の持ち主となるかどうかという違いがあります。 登記上の持ち主となるのは任意組合方式で、匿名組合方式では出資者は持ち主とはなりません。 匿名組合方式では運用会社が登記上の持ち主となっています。
ほとんどの小口不動産投資では、登記上の持ち主とはならない匿名組合方式をとっています。
小口不動産投資のメリット5つ
小口不動産投資には5つのメリットがあります。
メリット①少ない資金で始められる
最小1万円程度という少ない金額で始められるのが小口不動産投資の大きなメリットです。 もちろん物件や運用会社によるので、もう少し高い金額が必要な物件も多いです。
ちなみにバブル期は1口1億円というような、とても小口とはいえない物件ばかりでした。 昨今は平均して1口50~100万円程度というところが多いですが、中には1口1万円という破格の物件も存在します。
これくらいならどうにかなるという人は多いですよね。 気軽に始められるというのは大きなメリットです。
メリット②リスクが少ない
小口不動産投資はリスクが少ないというメリットもあります。 元本保証があるわけではないので、厳密にはリスク0ではありませんが、たいていの運用会社では元本割れを防ぐ工夫がされています。 運用会社と個人の出資者に優劣をつけ、利益が出なかったとしても個人の出資者を優先するという仕組みをとっている会社が多いのです。
ただすべての運用会社で元本割れを防ぐ工夫がされているわけではないので、その点は注意しなければなりません。
メリット③金融商品よりも利回りが良い
株式投資などのハイリスクハイリターンな金融商品ならまだしも、たいていの金融商品は利回り1%以下です。 ですが小口不動産投資ならば、平均して3~5%の利回りがあります。
元本割れのリスクについても配慮されていることをふまえると、かなり魅力の大きい投資だということがわかりますね。
メリット④節税にも使える
出資方式が任意組合方式という投資先に限られますが、小口不動産投資は節税対策にも使えます。 任意組合方式だと、登記上の持ち主となりうるので、相続税対策になるのです。
メリット⑤個人では投資できないような大きい建物に投資できる
小口不動産投資は多くの出資者を集めることができれば、高額な物件に投資することもできます。 何十億という巨額のビルに出資することも不可能ではないのです。
都心の一等地や駅前といった、利回りが抜群にいい物件への投資も可能です。
小口不動産投資のデメリット4つ
小口不動産投資はメリットだけでなくデメリットも存在します。
デメリット①利回りは対象物件に左右される
利回りは、通常の不動産投資同様、対象物件により左右されます。 安いからと言ってよく確認せずに投資してしまうと、地方の物件で利回りが良くない…という事態にもなりかねません。 空き室が続くと利益が出ないということにもなるので、投資先は慎重に見極めねばなりません。
デメリット②売却益狙いの商品は利益が出ないことも
家賃収入での利益を狙うのではなく、物件を売却した時の利益を狙う商品もあります。 そうした商品を「キャピタルゲイン型商品」というのですが、こうした商品は必ずしも利益が出るとは限りません。
日本経済自体の状況や市場の状況により物件価格は影響を受けてしまうためです。 家賃収入を分配利益の元とする「インカムゲイン型商品」に比べるとリスクがあるといえます。
デメリット③課税方式が違うため税金が高くなる可能性あり
小口不動産投資で得られる利益は「雑所得」です。 雑所得は給与所得や不動産所得といったすべての所得を合算して課税されるので、通常より税金が高くなる可能性があります。
デメリット④運用会社の倒産リスク
小口不動産投資をする場合、必ず運用会社を間に挟むことになります。 ですが運用会社が倒産してしまうと、分配金はおろか元本も返ってこなくなってしまいます。 物件や商品自体の見極めだけでなく、運用会社の見極めもしっかり行って投資先を決める必要があります。
小口不動産投資はメリットデメリットを把握して選択して
小口不動産投資は少額資金でも始められるという点やリスクの少なさなどが大きな魅力です。 低金利時代の昨今では、銀行にお金を眠らせておいたままでは資産を増やすことはできません。
ですがしっかりと見極めないと利益を得ることはできません。物件だけでなく、運用会社も含めてきちんとチェックするようにしましょう。