公開日:2023/03/29　

不動産投資は何種類ある？最適な物件の選び方と見極め方を解説

不動産投資の種類と選び方を紹介

不動産投資とはマンションやアパートなどの不動産を対象とした投資で、現物不動産を直接購入して賃貸経営する方法や、不動産の購入から運用までプロに任せる間接的な方法など、その投資手法はさまざまあります。

この記事では、主要な不動産投資の種類として「区分マンション投資」「一棟マンション・一棟アパート投資」「戸建て投資」「少額不動産投資」を取り上げ、それぞれの特徴やメリット・デメリットについて解説します。

あわせて、不動産投資に最適な物件の選び方や見極め方のポイントもまとめていますので、不動産投資に興味がある方、これから始めたい初心者の方はぜひ参考になさってください。

不動産投資の種類1. 区分マンション投資

区分マンション投資とは、マンションの一室もしくは複数の部屋を購入・運用し、家賃収入や売却益を得る投資方法です。

マンション一棟すべてを運用する投資ではないため、不動産投資の種類のなかでは本業のあるサラリーマンや不動産投資初心者の方でも始めやすいといわれています。

区分マンション投資のメリット

区分マンション投資のメリットは、一棟マンション投資と比較して投資のリスクが小さく、大きな失敗にはつながりにくいことです。

一室単位で購入するため、自己資金が少なくても始めやすく、不動産投資ローンと併用すれば価値の高い物件を購入することもできます。

立地条件の異なるエリアで別の物件に投資するなど、区分マンションは分散投資も比較的容易であり、リスクの分散につながります。

また、区分マンションは不動産投資の種類のなかでも流動性が高く、出口戦略の面でも有利になりやすい投資方法です。

当然ながらマンション一棟を求める買い手よりも、そのなかの一室を求める買い手のほうが多いため、オーナーがねらったタイミングで売却しやすいと考えられるからです。

区分マンション投資のリスク・デメリット

区分マンション投資のデメリットは、一室単位で運用する分、空室が発生したときのリスクが大きくなることです。

入居者が入っていない期間は家賃収入を得られないため、空室が長く続くとキャッシュフローが回らなくなる可能性があります。

この点、一棟マンションであればどこかで空室が発生しても、他の部屋が埋まっていればある程度の収入が得られるため、空室リスクの面では一棟マンション投資のほうが有利になります。

また、区分マンション投資は運用時の諸経費（固定資産税、修繕積立金、管理費など）の比率が大きく、低利回りになりやすい傾向にあることもデメリットです。

ただし、一棟すべてを所有する場合と比べると、一室単位で所有する区分マンション投資の利回りが低くなりやすいのは当然のことともいえます。

不動産投資の種類2. 一棟マンション・一棟アパート投資

一棟マンション投資とは、マンションを一棟ごと購入・運用し、家賃収入や売却益を得る投資方法です。一棟アパート投資も同様に、アパート一棟を運用する投資方法をいいます。

マンションとアパートの違いについて明確な定義はないものの、一般的には以下のような基準で分けられることが多いようです。

種類	構造	階
マンション	鉄骨造/鉄筋コンクリート造/鉄骨鉄筋コンクリート造	3階建て以上
アパート	木造/軽量鉄骨造	2階建て

一棟マンション・一棟アパート投資のメリット

一棟マンション・一棟アパート投資のメリットは、建物一棟を運用することで多額の家賃収入が得られることです。

すべての部屋に入居者が入っていなくても、たとえば家賃が月8万円として10室のうち7室が埋まっていれば、月に56万円の家賃収入が得られます。

一方、区分投資で一室だけ運用する場合、その部屋が空室になれば家賃収入は一切入ってきません。区分投資と比べ、空室による影響は圧倒的に少ないのが一棟投資の大きなメリットです。

また、マンションやアパートを一棟で所有する場合、区分投資よりも多くの土地を所有できることで、資産価値としての評価が高くなります。

なぜなら、経年劣化による資産価値の減少が避けられない建物とは違い、土地の評価は年月が経っても下がりにくく、むしろ上昇することもあり得るからです。

資産価値が高い物件であれば、売却時に大きな利益が期待できるのはもちろんのこと、不動産投資ローンを利用する際に高額融資が受けやすくなるメリットもあります。

一棟マンション・一棟アパート投資のリスク・デメリット

一棟マンション・一棟アパート投資は、建物一棟すべてを購入するために多額の資金が必要となります。

不動産投資ローンを利用するにしても、フルローンやオーバーローンはなかなか組みにくく、頭金として物件価格の10〜20%程度を求められることが多いでしょう。

そのため、ローンを利用する場合もある程度の自己資金が必要です。

また、区分投資と比べると大きな金額が動く分、失敗したときや不測の事態が起きたときの損失も大きくなってしまいます。

一棟すべてを運用することで空室リスクを抑えられるメリットは大きいものの、たとえば災害により建物全体に大きな被害を受けた場合、すべての収入が途絶えてしまうおそれがあります。

区分投資であれば分散投資によりリスクを分けることができますが、一棟投資ではそれも難しいでしょう。

不動産投資の種類3. 戸建て投資

戸建て投資とは、一戸建てを購入・運用し、家賃収入や売却益を得る投資方法です。

新築の戸建てを購入する場合は数千万円の初期費用が必要となりますが、中古の戸建てであれば数約万円から購入できる物件もあります。

現物不動産投資のなかでは少額から始めやすいため、リスクを小さくして取り組みたい初心者の方にもおすすめです。

戸建て投資のメリット

戸建て投資のメリットには、マンションやアパートと比較して少額で投資できること、不動産投資の種類のなかでも利回りが高い傾向にあることが挙げられます。

不動産投資では金融機関から融資を受けて物件を購入するケースが多いものの、たとえば数百万円の中古戸建てであれば、ローンを利用せずとも自己資金だけで購入できるかもしれません。

また、マンションやアパートを運用すると修繕積立金や管理費がかかりますが、戸建て物件ではこのような諸経費が発生しないため、集合住宅よりも高利回りになりやすい特徴があります。

さらに、ファミリー層が主なターゲットとなる戸建て物件は、一家族あたりの入居期間が長くなりやすいことも特徴です。

ファミリー層は子どもの通園・通学などがあるため、気軽に引っ越すことが難しく、単身者よりも長く住んでもらいやすい傾向にあります。

もちろん入居者がいなければ家賃収入は一切入ってきませんが、長期にわたっての入居が見込める点において、区分マンションよりもリスクは小さくなると考えられます。

戸建て投資のリスク・デメリット

中古戸建ては数百万円から購入できる物件が数多くあるものの、賃貸に出す際にはリフォームが必要になり、その費用が想定よりも高くつく可能性があります。

戸建てのリフォームは自分の裁量で自由に行いやすいため、DIYなどで費用を抑えることもできますが、大きな修繕が必要な場合は業者に依頼することになると考えられます。

また、担保評価を得にくい中古戸建ては、不動産投資ローンの審査に通りにくいデメリットもあります。

すべて自己資金でまかなえる場合は問題ありませんが、ローンを利用した購入を考えている場合は、低金利で借りられるメガバンクや都市銀行などから融資を受けるのは難しいかもしれません。

不動産投資の種類4. 少額投資

少額不動産投資とは、その名のとおり少ない自己資金で始められる不動産投資のことです。

明確な定義はないものの、一般的には以下の種類を指すことが多く、不動産を対象とした投資方法でありながら1万円から100万円程度の少額資金で投資できます。

少額投資の種類

主な少額不動産投資の種類は以下の3つです。

不動産投資信託（REIT/リート）
不動産小口化商品
不動産クラウドファンディング

種類ごとの特徴について下表にまとめました。

少額不動産投資の種類	特徴・仕組み
不動産投資信託（REIT/リート）	投資家から集めた資金で不動産を購入し、その利益を投資家に分配する商品
不動産小口化商品	一口単位で販売される不動産を複数の投資家が共同所有し、その利益を投資家に分配する商品
不動産クラウドファンディング	一つのプロジェクトとして複数の投資家から資金を募って不動産を購入し、その利益を投資家に分配する仕組み

少額投資のメリット

少額不動産投資のメリットは、どの種類にしても少ない投資金額から始められることです。

物件の購入・運用は不動産のプロが行うため、なるべくリスクを抑えて投資をしたい方や不動産投資に慣れていない初心者の方が挑戦しやすいこともメリットといえます。

少額投資のリスク・デメリット

少額不動産投資のデメリットは、少ない資金で投資できる分、大きなリターンはねらいにくいことです。

また、少額不動産投資はそもそも選べる対象が少ないうえ、人気の物件には応募が殺到しやすいことから、投資したくても投資できない可能性があります。

不動産運用に最適な物件の選び方

不動産投資が成功するか否かは物件選びにかかっていると言っても過言ではありません。

ここでは、不動産投資に最適な物件を選ぶためのポイントをご紹介します。

空室になりにくい物件を選ぶ

不動産投資において最も避けたいリスクといえるのが「空室」です。物件選びにおいては空室になりにくい、つまり入居者が入りやすい物件を選ぶ必要があります。

空室になりにくい物件の条件として、たとえば以下のようなものが挙げられます。

最寄り駅から近い
治安がよい
スーパーやコンビニが近くにある
公園や病院が近くにある
建物のメンテナンスが行き届いている
ニーズに合った住宅設備を取り入れている

入居者が「借りたい」と思う物件を選ぶには、ターゲットとなる入居者層の視点からそれぞれのニーズを汲み取ることが大切です。

たとえば単身者向けでは宅配ボックスやインターネット環境などの設備が整っている物件、ファミリー向けでは公園など公共施設が近くにある物件の需要が高いと考えられます。

自分の目的や投資スタイルに適した物件を選ぶ

上述のように不動産投資にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。

たとえば不動産投資の目的が多額の利益を得ることであり、さらに本人の資産にも余裕がある場合は、大きなお金が動く一棟投資が向いていると考えられます。

一方で、リスクを最小限に抑えたい方、少ない自己資金から不動産投資を始めたい方にはおすすめできません。

なるべくリスクを抑えながらコツコツと投資を続けたい場合は、区分投資や戸建て投資のほうが向いているでしょう。

不動産投資を成功に導く最適な物件選びのポイントは、投資を始める目的や自分の投資スタイルに適した物件を見極めることです。

ここでいう「成功」とは人それぞれ異なるものであり、一度に大きな利益を得ることが成功という方もいれば、少額でも安定した利益を得ることが成功という方もいるでしょう。

物件選びにおいてはまず自分が考える不動産投資の「成功」を明確にしたうえで、種類ごとの特徴やリスクを比較しながら自分に合った物件を選ぶことが大切です。

収益性の高い物件を見極めるコツ

不動産投資の物件選びにおいて、収益性の高い物件を見極めるコツを以下にまとめました。

現地調査を入念に行う

収益性の高い物件を選ぶには現地調査が欠かせません。

不動産投資の現地調査で確認する主なポイントは以下のとおりです。

建物内外に清潔感があるか
建物の地盤が軟弱でないか
騒音の程度はどのくらいか
周辺地域の治安はよいか
最寄り駅までの距離はどのくらいか
周辺施設には何があるか

不動産業者が提示する資料でもある程度は確認できますが、実際にその場に行かなければわからないことも多々あります。

区分マンションや一棟アパートなど現物不動産のどの種類においても、気になる物件があれば実際に現地へ足を運び、建物の外観や周辺環境をチェックしておきましょう。

まとめ

主要な不動産投資の種類には以下の4つが挙げられます。

区分マンション投資
一棟マンション・一棟アパート投資
戸建て投資
少額不動産投資

不動産投資と一口に言ってもその種類や特徴はさまざまで、個々に最適な投資方法は不動産投資を始める目的や期待する成果、自身の投資スタイルによって変わってきます。

不動産投資で成功するためには、それぞれの投資の種類について理解したうえで、自分の目的や条件に合った物件を選ぶことが大切です。

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