不動産投資のメリットのひとつに、「投資物件の購入・管理は遠方からでも可能」という点が挙げられます。
そのため、地方に住みながら東京にて不動産投資をおこなうということも可能ではありますが、物件価格が高いと感じて躊躇している方もいるかもしれません。
そこで今回は、東京に次ぐ第二の都市「大阪」における不動産投資の特徴や、事前に把握すべき注意点などについて解説します。
また、大阪で投資をする際におすすめのエリアも紹介していきますので、不動産投資に興味をおもちの方はぜひ参考にしてください。
目次
大阪での不動産投資はおすすめできる!その理由は?
ここでは、大阪での不動産投資がおすすめできる理由についてより詳しく解説します。
大阪での不動産投資がおすすめな理由は以下の通り。
- 若年層の人口流入が今後も見込まれる
- 都市部の再開発が進んでいる
- 地価が高水準で安定している
- 東京よりも利回りが高く見込める
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
若年 層の人口流入が今後も見込まれる
「大阪市の推計人口年報(令和元年)」で、10代、20代の若年層の転入が多いことが判明しました。
この若年層の人口流入は、転勤によるものだけでなく、進学によるものも含まれます。
大阪には、大学をはじめとする多くの教育施設があるため、大阪への若年層の人口流入は今後も続くといえるでしょう。
都心部の再開発が進んでいる
大阪府では、2025年大阪万博の開催へむけて、都市部を中心に多くのエリアで再開発が進められています。
とくに「キタ」と呼ばれる梅田駅周辺では再開発が大規模におこなわれており、年々街の形相が変化しています。
このことからも、大阪は経済都市としてますます大きくなることが期待され、安定した不動産投資をおこなえる可能性が高いといえるでしょう。
地価が高水準で安定している
以下の直近5年の地価公示価格(平均)のグラフを見ると、大阪の地価は東京よりは安いものの、全国平均よりは高く、安定していることがわかります。
2021年はコロナ禍により商業エリアの地価が数年ぶりに少し下落しましたが、それでもその差は決して大きいものではありません。
このように大阪では地価が高水準で安定しているため、出口戦略としての売却時のリスクも比較的少ないといえます。
※参照:「令和3年地価公示関係データ」|国土交通省
東京よりも利回りが高く見込める
大阪と東京ではマンション価格の相場に約1,000万円、坪単価に約150万円もの差が生じています。
一方で、都市部であれば家賃に大きな差がなく、利回りを高く運用することが可能です。
例えば、大阪のマンションの購入価格を1,600万円とし、家賃を7万円とすると表面利回りは以下のように計算できます。
7万円 ✕ 12ヶ月 ÷ 1600万円 ✕ 100 = 5.25%
東京のマンション価格を2,700万円、家賃9万円で計算すると以下の表面利回りとなります。
9万円 ✕ 12ヶ月 ÷ 2700万円 ✕ 100 = 4%
あくまで修繕費や空室率を考慮しない表面利回りですが、大阪と東京の主要物件では利回りに大きな開きが生じることが分かります。
利回りが高くなるとキャッシュフローが良好となり、ローンの繰り上げ返済や物件の増資へとスムーズに取り掛かれます。
表面利回りのみを考慮すると田舎物件をセルフDIYして貸し出す形が最適に思えますが、人口や築年数の面から空室のリスクを生じやすくなります。
利回りがよく空室発生を回避しやすいエリアとして、大阪はうってつけと言えるでしょう。
これから大阪で不動産投資をする際の注意点
不動産投資をおこなううえでメリットの多い大阪ではありますが、実際にマンション経営を始める際には、注意したい点がいくつかあります。
東京と比較するとどうしても見劣りしてしまう
不動産投資の観点で東京と大阪を比較してみると、大阪は以下の3つの点に注意しなければなりません。
- 物件価格が東京より低い
- 人口が東京より少なく微減している
- 融資元の金融機関が限られる
それぞれについて解説します。
物件価格・家賃相場が東京より低い
東京と大阪の人気上位3駅の家賃相場を見てみると、大阪のほうが少々安くなっていることがわかります。
これは、家賃収入の差として顕著にあらわれることになります。
また先述のとおり、地価も東京と比べて低いため、物件価格が下がることも避けられません。
しかし、元の購入価格が安いため、物件を売却する際に大きな売却損となるリスクは低いといえるでしょう。
東京の人気駅 | 家賃相場(ワンルーム) | 大阪の人気駅 | 家賃相場(ワンルーム) | |
---|---|---|---|---|
新宿駅 | 7.10万円 | 新大阪駅 | 5.00万円 | |
渋谷駅 | 9.55万円 | 天王寺駅 | 5.82万円 | |
池袋駅 | 6.90万円 | 京橋駅 | 4.80万円 |
※CHINTAI調べ、2022年1月13日時点
人口が東京より少なく、減少傾向にある
令和2年国勢調査をもとにした人口推計によると、令和3年12月1日時点における大阪府の人口は約880万人、東京都は約1,400万人となっており、大阪の人口は東京の6割程度ということになります。
また以下のように、大阪府では人口総数の減少が続いているのが現実です。
大阪府によると、今後もさらに人口が減り続け、高齢者の割合も約4割に達すると予想されています。
2015年 | 約884万人 |
---|---|
2020年 | 約880万人 |
2025年 | 約856万人(府推計) |
2030年 | 約833万人(府推計) |
2035年 | 約806万人(府推計) |
※参考:大阪府「大阪府の毎月推計人口」「大阪府人口ビジョン策定後の人口動向等の整理」
投資用ローンを組める金融機関が限られる
遠方から大阪でマンション投資を始める場合、投資用ローンを組める金融機関に制限がかかる可能性があります。
これは、投資家の現住所と担保に入れる予定の物件の所在地が離れていることが理由です。
大阪で投資用物件をローンで購入しようとしても、場合によっては融資額の上限が低くなったり、購入が難しくなったりすることがあるため注意しましょう。
利回りのいいエリアが限られている
大阪では、大阪府の真ん中を南北に走る御堂筋線(北大阪急行)の梅田駅~なんば駅間に大企業の支社が集まっています。
この辺りはオフィス街で通勤もしやすく、企業に勤めるビジネスパーソンに人気があります。
そのため、ほかのエリアに比べて家賃相場が少々高くなり、この影響で利回りがよい物件も少なくありません。
一方、ほかのエリアではそのような傾向があまり見られず、利回りのよいエリアはこの辺りに限られてしまっているともいえます。
今後の賃貸需要増加に期待!人気エリア7選を紹介
ここからは、大阪で不動産投資を始めるのにおすすめのエリアを7つご紹介します。
通勤・通学の便利さと住環境のよさに着目した厳選エリアなので、ぜひチェックしてみてください。
中央区
御堂筋線の梅田駅の南に位置し、オフィス街や繁華街となっているエリアです。
道頓堀などの賑やかな場所から少し離れると、閑静な場所も多く、高層マンションも多い住宅街もあります。
どの場所へも通勤・通学がしやすい利便性の高い場所で、買い物にも困りません。
戸建て住宅よりもマンションが多いのが特徴です。
投資用にはワンルームマンションが向いているでしょう。
北区
梅田駅(大阪駅)を中心とする、いわゆる「キタ」と呼ばれているのが北区です。
大阪の再開発プロジェクト「うめきた」の1期として2013年に完成したグランフロント大阪をはじめ、近年さらなる注目を集めています。
2024年には「うめきた2期」の完成も予定しており、今後も地価上昇が期待できます。
梅田駅周辺は商業施設や百貨店が密集している一方で、中之島駅周辺は大手企業の本社や関西支社の高層ビルが立ち並ぶビジネス街。
新大阪駅へもアクセスがいいため、新幹線も利用しやすく、まさにビジネスパーソンに好まれる立地です。
さらに、総合病院や複合施設もあるなど、街中にありながら住みやすい場所だといえます。
アクセスのよさから、投資用にはワンルームマンションがおすすめといえるでしょう。
西区
野球やライブなど、さまざまイベントに使用される京セラドームがあるのが西区です。
利用できる電車の路線数が多く、オフィス街へのアクセスがよいのがメリットです。
近年、タワーマンションの建設ラッシュで急激に人口が増加している西区。
職住近接を好む働き盛りの子育て世代の多くが、梅田や難波へのアクセスが良好なこの地に郊外から移り住んでいるのだと考えられます。
中でも「堀江」は東京で言うところの青山や代官山のようなエリアで、お洒落なカフェやインテリア・雑貨店、アパレルショップなどが立ち並び、若い女性からも人気です。
福島区
大阪市の中西部に位置し、都心部に近い住宅地として栄えてきたエリアです。
オフィスビル群が立ち並ぶ福島駅周辺エリアは、隣駅の梅田駅まで徒歩や自転車でアクセスできる立地の良さが魅力です。
ホームセンターやドラッグストア、病院なども多く、生活にも困りません。
オフィス街や飲食店も多く、利便性が高いため、単身赴任者用物件の需要が高いです。
浪速区
なにわ駅を含む、「ミナミ」と呼ばれる繁華街もあるエリアです。
例年は海外からの旅行者も多く、通天閣や新世界の周辺では治安があまりよくないものの、コロナ禍にあり印象は少し変わってきています。
「庶民的な街」としての顔を持つ浪速区ですが、アパレルショップや雑貨店、映画館、フィットネスジムなどの店舗が入る大型商業施設「なんばパークス」や、そこに直結したマンション「ザ・なんばタワーレジデンス・イン・なんばパークス」など、大型商業施設・タワーマンションの開発も盛んに行われています。
また、繁華街から離れている芦原橋駅周辺は比較的治安が安定しています。
緑も多く街並みも整っているため、子育て世代にも住みやすいエリアでしょう。
地下鉄の駅が存在しないことから、家賃相場も低く、ワンルームマンションの需要が高いといえます。
天王寺区
天王寺区は、大阪市立美術館や天王寺動物園などの施設があり、梅田方面への通勤が便利なエリアです。
また文教地区のため、教育施設や塾が多く、子育てにも向いています。
都心でありながら関西空港へも出やすいため、ファミリー用マンションだけでなく、単身者にも需要が高い地域だといえます。
東大阪市
大阪市の東隣に位置し、JRや近畿日本鉄道、地下鉄など6本の路線が利用できるエリアです。
なんばや梅田にもアクセスしやすく、サラリーマンや学生の方が多く住んでいます。
布施駅周辺には商業施設が建っている一方、下町情緒溢れる雰囲気もあるため、投資用物件を購入する場合にはファミリー世帯用のマンションがおすすめです。
東京での不動産投資も併せて検討しましょう
大阪での不動産投資では、入居率や家賃収入などの不安から、投資対象となる不動産のエリアが限定されてきます。
の点東京の場合、八王子や多摩などの遠方の土地で都市部への通勤に時間がかかったとしても、駅徒歩5分などの駅近物件であれば、入居率が大きく下がるといった心配もなく広い範囲で物件を探せます。
また人口も多いため、悩んだ場合には大阪と東京の双方のメリットを比べながら決めてみてはいかがでしょうか。
記事まとめ
大阪での不動産投資では、「入居者の需要が高いエリアが限られる」という点に注意して、物件情報を探すのがポイントだといえます。
もし決められない場合には、信頼できる不動産投資会社に相談してみるとよいでしょう。
リスクやデメリットの面をきちんと考えつつ、投資するかどうかを判断してみてください。