マンションを所有して賃貸として貸し出し、家賃収入を得たいと考えている人は多いのではないでしょうか。
不労所得を得る手段の1つとして、不動産投資は比較的メジャーな投資です。
しかし、実際にマンションオーナーというのは何もしなくても収入を得られる訳ではありません。
そこで今回は、マンションオーナーの仕事内容や収入の目安などについて解説していきましょう。
目次
マンションオーナーになる前にメリット・デメリットを確認しよう
それでは最初に、マンションを所有することによって発生するメリット・デメリットについて解説していきましょう。
メリット①:実物資産のため形に残る
不動産への投資というのは、土地やマンションなど、現実に存在する資産を持つことを意味します。
そのため、物件の価値が下がることはあっても、株や為替の投資のように価値がなくなることはありません。
また、仮に空室の期間が長引いたとしても、最終的に自分が住むという選択が取れるのも強みの1つといえるでしょう。
メリット②:借入を活用すれば自己資金が少なくてもはじめられる
自己資金がなくとも、銀行から借入することで自己資金以上の物件を購入できます。
月々の支払いは発生しますが、家賃収入から返済をしていくため、自己資産を減らすことなく安全に返していけるでしょう。
メリット③:税金対策にもなる
「マンション経営をすると税金対策になる」という話を聞いたことはないでしょうか。
会社員のように家賃収入以外の所得があるのであれば、例え家賃収入で赤字を出したとしても、ほかの所得で相殺できます。
また、土地ごと購入していた場合、対象の土地が200㎡以下であれば「小規模宅地等の減額の特例」が適用されます。
不動産評価額を50%に抑えられるので、支払う固定資産税などの税金を安く済ませられるでしょう。
メリット④:生命保険の代わり・私的年金になる
銀行などで融資を受けて不動産を購入すると、団体信用生命保険に加入することになります。
この団体信用生命保険は契約者本人が死亡したり、事故などで障害者となったりした場合、ローンの残債があれば保険金で返済できる制度です。
そのため、契約者が死亡した場合でも被相続人に不動産を残せるのです。
また、ローンを定年までに完済できれば家賃が私的年金代わりになるので、老後の生活費として役立てられるでしょう。
デメリット①:資産の流動性が低い
不動産というのは価値がなくなることはありません。
しかし、所有物件の周辺状況によっては物件の価値が下がる可能性があります。
マンションをはじめとした不動産投資は、数年から数十年の中長期的な運用が多いのですが、将来にわたって土地価格が安定しているかどうかは予想がつかないのです。
また、不動産というのはその場から動かせない、文字通りの「不動の資産」です。
そのため、貨幣とは違い流動性が極端に低いため、なんらかの事情で売却しようとしても、すぐに売れない可能性があります。
デメリット②:空室リスク・災害リスクがある
マンション経営において、リスクはつきものです。
空室と災害のリスクは常に警戒しなければいけません。
また、入居者がなかなか現れない空室期間が長期間に及ぶと、家賃収入が途切れてしまいます。
すると、借入の返済をほかの所得から支払わなければいけない事態に陥ってしまいます。
日本は地震や台風などが毎年発生する災害大国です。
もし震災などで所有物件が壊れてしまうと、高額な修繕費を含めたさまざまな費用が発生するでしょう。
デメリット③:固定資産税・修繕費などコストがかかる
マンション経営というのは、例え空室であってもさまざまな費用がかかります。
主にかかる費用は、以下のようなものがあります。
- 物件管理費
- 地震保険や火災保険などの損害保険料
- 固定資産税や都市計画税などの税金
- 借入金の返済
上記以外にも、入居者が退去したあとに部屋を修繕するための修繕費や物件が古くなったときにかかるリノベーション費用・リフォーム費用など、さまざまな費用が発生するものです。
マンションオーナーは儲かる?
マンションオーナーと一口で言っても、マンションを一棟所有しているのか部屋を区分所有しているのかで、月々の家賃収入というのは大きく変わってきます。
そこで、一棟マンションの場合と区分マンションの場合とで2つのケースを例に出し、収入の目安について解説していきます。
- 物件価格:1憶円(10室各1,000万円)
- 想定家賃収入:90,000円/1室
- 融資期間:30年(フルローン)
- 想定金利:1.5%
内訳 | 価格 | 計算式 |
---|---|---|
物件価格 | 1億円 | 1,000万円×10室 |
月々の家賃収入 | 90万円/月 | 9万円×10室 |
年間の家賃収入 | 1,080万円/年 | 9万円×10室×12ヶ月 |
表面利回り | 10.8% | 1,080万円÷1憶円 |
借入返済額 | 約338万円/年 | 1億円÷30年+(年1.5%の金利) |
固定資産税 | 15万円/年 | - |
管理費 | 24万円/年 | 月2万円×12ヶ月 ※管理会社を利用する場合 |
修繕積立金 | 96万円/年 | 月8,000円×10部屋×12ヶ月 |
火災保険・地震保険 | 20万円/年 | 年2万円×10部屋 |
実質利回り | 5.9% | 1,080万円-493万円=587万円 587万円÷1憶円=約5.9% |
次に区分マンションの例を出しますが、上記の一棟マンションの一室を運用しているという想定で計算してみます。
- 物件価格:1,000万円
- 想定家賃収入:10万円/1室
- 融資期間:30年(フルローン)
- 想定金利:1.5%
内訳 | 価格 | 計算式 |
---|---|---|
物件価格 | 1,000万円 | - |
月々の家賃収入 | 9万円 | - |
年間の家賃収入 | 108万円 | 9万円×12ヶ月 |
表面利回り | 10.8% | 108万円÷1,000万円 |
借入返済額 | 約34万円/年 | 1,000万円÷30年+(年1.5%の金利) |
固定資産税 | 1.5万円/年 | - |
管理費 | 2万円/年 | ※管理会社を利用する場合 |
修繕積立金 | 9.6万円/年 | 月8,000円×12ヶ月 |
火災保険・地震保険 | 2万円/年 | - |
実質利回り | 5.9% | 108万円-約49万円=59万円 59万円÷1,000万円=約5.9% |
今回は計算を単純にするために同じ物件での比較となりましたが、同じ利回りでも一棟マンションの場合は収入も経費も多く、区分マンションの場合は収入も経費も少なくなりました。
区分マンションの場合は一室だけの所有のため、空室になると家賃収入が0になってしまいます。
一方、一棟マンションの場合は、1室が空室になってもほかの部屋の家賃収入でカバーできるというメリットがあります。
マンションオーナーの仕事内容は多い
一棟マンションを賃貸経営する場合、やるべき業務は意外に多いものです。
区分マンションを管理する場合、建物全体の管理と維持は管理組合が主体で行っているため、仕事自体は少なく済みます。
ただ、一棟マンションのオーナーの場合、建物全体を管理する必要があります。
やるべき業務が多いマンションオーナーの主な業務を紹介していきますね。
入居者の募集
空室がある場合は入居者の募集を行う必要があります。
入居者の募集は近くの不動産会社に頼めばインターネットなどを駆使して代わりに募集をしてくれますが、仲介手数料を請求される可能性があります。
ほかの経費との兼ね合いも考えて相談しましょう。
共用部分の清掃・点検・修繕
物件の廊下や玄関のエントランスなどは共有部分なので、清掃や点検などは経営者であるマンションオーナーの仕事です。
自分で清掃や点検、故障個所の修繕などができるならすべてを自分の手で行ってもいいのですが、会社員の場合は毎日の清掃などは難しいでしょう。
その場合は、清掃業者を雇うなど、業者に任せるのも一つの手です。
ほかにも、ネット回線をつなぐためには建物全体で光回線が使えるようにしなければいけないため、あらかじめ業者に依頼する必要も出てきます。
家賃の回収・催促
近年、家賃を口座の自動引き落としにしたり、クレジットカード決済にて行ったりするところも増えてきています。
昔のように、実際に入居者宅に出向いて家賃の回収をするというのは少なくなってきました。
しかし、家賃が回収できなかった場合、オーナー自らが入居者に問い合わせして家賃の催促をする必要があります。
入居者や近隣住人のトラブル対応
入居者同士の騒音トラブルやごみ出しなど、近隣住人からの苦情解決はオーナー自身の仕事です。
トラブルとひとくくりにしても、トラブルの原因は人によってさまざまです。
入居者同士の挨拶がトラブルになったというケースもあります。
トラブルを放置してしまうと、入居者の退去につながります。
物件の評判にも影響し、新規の入居者が現れないなどのデメリットを引き起こすでしょう。
そのため、トラブルが起きた際は早期解決の手段を講じる必要があります。
入居者の退去に関する手続き
入居者が退去する際は、オーナー立ち合いの元で行ったほうがいいでしょう。
なぜなら、退去する入居者がどのように部屋を使用していたかを入居者に聞くことができ、なおかつ退去後の部屋の修繕に関して話し合えるからです。
悪質な入居者の中には、部屋の壁紙に穴を開けたり、ごみを放置したまま退去したりするなど、修繕費用が高くついてしまうケースがあります。
その場合、修繕費用について、入居者自身と話し合う必要が出てきます。
退去予定の部屋の様子を確認しながら入居者と話し合うことで、双方トラブルなしで解決することにつながるでしょう。
管理会社に任せるという手段もある
アパートやマンションといった賃貸住宅全体の管理となると、マンションオーナーには大きな負担がかかってしまうものです。
階層が高いマンションの場合は、1階から最上階までのすべての管理をオーナー個人で行うのは困難でしょう。
管理手数料はかかりますが、賃貸管理会社に管理を任せる方法もあります。
管理会社に任せてしまえば、物件全体の管理から入居者の募集までやってくれるため、オーナーへの負担がずっと軽くなります。
マンションオーナーになりたい!不動産購入の流れを解説
マンションオーナーになるには、特別な資格などは必要ありません。
物件を購入してマンションオーナーになるための流れは、下記を参考にしてください。
- 予算や相場から、立地や物件の条件を決める
- 対象物件を取り扱っている不動産会社に相談。実際に現地調査を行うことも
- 購入することを決めたら買付証明書を発行して、銀行でローンを申し込む
- ローン審査に通ったら、不動産会社と売買契約を結ぶ
- 引き渡し日になったら同時に決済も行う
- 管理を任せる管理会社や保証会社と契約をする
建設中の新築物件の場合、契約から引き渡し日まで時間がかかってしまうこともあります。
すでに建てられている物件ならば、契約から1ヶ月~3ヶ月での引き渡しになります。
マンションオーナーになるには不動産会社選びも大切
マンションオーナーにとって重要なことは、物件選びと不動産会社選びです。
不動産のプロでもない限り、物件の運用方法などは不動産会社と相談しながら行います。
相談相手でもある不動産会社選びを誤ってしまうと、物件の運用に支障をきたす可能性が大きいです。
不動産会社選びが大事なことはわかったものの、どのように調べ、どのように選定すればいいのかわかりませんよね。
ネット上で不動産会社を調べても、不動産投資会社というのは数が多く、どの会社を選んでいいのか迷ってしまうことでしょう。
不動産会社の調べ方がわからない方は、「不動産投資会社完全比較ガイド」を参考にしてください。
さまざまな不動産会社を比較しており、自分の運用スタイルに合った不動産会社もきっと見つかります。
投資物件に関する情報を随時発信しているため、投資初心者の方でも疑問点を解消できるでしょう。
まとめ
マンションオーナーは、土地活用や資産運用の1つとしておすすめできるものです。
ただ、仕事内容や収支に関するメリット・デメリットを把握しておかないと、投資の失敗につながってしまいます。
投資が失敗してしまうと、多額の借金を背負うことになるでしょう。
そうならないためにも、パートナーとなる不動産投資会社の選定は手を抜けません。
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