マンション経営による節税はできる?節税できるケースや仕組みについて解説

「マンション経営を行うことで節税効果がある」という話を聞いたことはないでしょうか。

 

耳にしたことのある人がいるかもしれませんが、実際にどのような節税効果が見込めるのかということを詳しく知っている人は少ないはずです。
今回は、マンション経営における節税の仕組みと、節税方法について解説していきます。

マンション経営で節税できるケースとは?

マンション経営において節税が可能になるのは、下記のようなケースです。

 

マンション経営で節税できるケース
  • 定期収入があり、マンション経営が赤字だった場合
  • 相続を目的としており、収支がプラスの場合

 

まずは、節税が期待できるケースについて解説していきます。

 

定期収入があり、マンション経営が赤字だった場合

サラリーマンのように定期収入がありながらマンション経営をしている人は、「損益通算」という仕組みを利用する方法があります。
マンション経営における損益通算とは、マンション経営などの不動産所得が赤字になった場合に、赤字になった部分をほかの所得と相殺できる制度のことです。

 

不動産所得とは家賃収入などの不動産収入から、経費である固定資産税や修繕費、広告費などを引いた損益額のことを指します。

 

この損益の部分がマイナス、つまり赤字である場合は、給与所得などのほかの所から赤字を差し引けるのです。
また、不動産所得が黒字であった場合においても、マンションの購入価格を減価償却する際の減価償却費も経費として計上が可能なので、必ずしも赤字でなければ損益通算ができないという訳ではありません。

 

注意点として、企業で働いているサラリーマンの場合は、給与所得から源泉徴収された所得税に対し還付金を受けられますが、マンション経営で生じた経費を給与所得から差し引くことはできません
そして損益通算を行う場合は、細かく経費を計上して赤字を明確にしておく必要があるので、帳簿管理や減価償却の計算をしっかりと行いましょう。

 

相続を目的としており、収支がプラスの場合

基本的に土地や建物などの不動産を相続するときには、不動産評価額に応じた相続税がかかります。
そしてマンション経営において、自分の土地にアパートやマンションなどの賃貸物件を建てることにより、相続税の節税をすることが可能になるのです。

 

そもそも不動産の相続税というのは「不動産評価額」を元に計算します。
この不動産評価額というのは、対象不動産に対して、時価の7割程の価格がつけられることがほとんどです。

 

例えば5,000万円の不動産を購入すると、不動産評価額は7割の約3,500万円となり、現金で5,000万円を相続するよりも相続税が安くなります。

 

さらにマンションなどの賃貸物件を土地の上に建てると、その土地は「貸家建付地」という扱いになり、評価額が通常の宅地よりも下がるので、さらに節税できます

 

貸家建付地の相続税の具体的な計算式は下記のとおりです。

 

貸家建付地の相続税評価 = 自用地評価額 × 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合

 

・自用地評価額

マンションの敷地内に入っている土地の相続税評価額。

・借地権割合

自分の所有している土地の上に、他社の建物が建っている場合における土地の借地権の割合。
この割合については国税庁が毎年更新している路線図に載っている。

・借家権割合

他人に建物を貸したときの借りている人の権利。
全国一律30%と決められている。

・賃貸割合

賃貸物件のうち稼働中の部屋の割合。
例えば10部屋のうち5部屋が稼働していると、賃貸割合は50%になる。

 

このことを念頭に入れて次に具体例を出した計算をしてみましょう。

自用地評価額:8,000万円
借地権割合:60%
賃貸割合:10部屋中8部屋が稼働中

8,000万円 × 60% × 30% × 8/10(80%) = 68,480,000円

 

このように評価額を2割近く下げられました。
さらにアパートなどは「小規模宅地等の減額の特例」が当てはまる場合があり、200㎡以内の土地ならば評価額を50%に減額できるので、さらにお得になります。

 

また、マンションを相続した場合は、相続税以外にも贈与税を支払う必要が出てくるので、相続で不安がある場合は専門家の意見を聞くといいでしょう。

 

マンション経営で節税効果が生じる3つの仕組み

節税に関するケースを紹介していきましたが、今度は節税効果が生じる仕組みについても解説していきます。
マンション経営で節税効果が生じる3つの仕組みは、下記のとおりです。

 

マンション経営で節税効果が生じる3つの仕組み
  • 経費申請と減価償却による節税効果
  • 給与所得との損益通算による節税効果
  • 青色申告による節税効果

 

実際の節税の方法や節税効果の計算の具体例を載せていきましょう。

 

①経費申請と減価償却による節税効果

前述したように、不動産所得というのは不動産によって得た収入から経費を差し引いた金額のことを指します。
では、具体的に経費として計上できる費用にはどのようなものがあるのでしょうか。
経費として申請可能な費用については以下のようなものがあります。

 

経費として申請可能な費用
  • 管理費
  • 修繕費
  • 管理委託料
  • リフォームやリノベーション代金
  • 火災や地震など建物に関わる損害保険料
  • 固定資産税、都市計画税、不動産所得税などマンションに関わる税金
  • ローンの利息(ローン代金自体は経費として計上できない。)
  • 減価償却費
  • そのほか、マンション経営事業に関わる設備費や通信費など

 

減価償却費というのは、物件の購入費用を耐用年数で割った金額で、建物の素材などで減価償却の年数は変わっていきます。
また、家賃収入や共益費、電気・ガスといったライフライン関係は非課税のため、間違って消費税を乗せないように注意しましょう。

 

経費として計上するためには、マンション経営に関わる出費であると証明できる領収書やレシートなどをキチンと保管しておく必要があります。
もし領収書をなくしてしまえば、確定申告の際に経費の証明ができなくなるので注意しましょう。

 

➁給与所得との損益通算による節税効果

給与所得との損益通算による節税効果はどの程度のものなのでしょうか。
実際の具体例を出してみましょう。

 

給与所得:800万円
不動産所得:-150万円(赤字)
所得控除:200万円(社会保険料や生命保険料など)

 

令和2年における給与所得控除額は下記のとおりです。

 

収入金額 給与所得控除額
162万5,000円まで 55万円
162万5,001円から180万円まで 年収×40%-10万円
180万1円から360万円まで 年収×30%+8万円
360万1円から660万円まで 年収×20%+44万円
660万1円から850万円まで 年収×10%+110万円
850万1円以上 195万円

 

この表のとおりに計算すると、所得税は下記の計算式で導けます。

 

年収800万円 × 10% + 110万円 = 190万円
年収800万円 - 190万円 = 610万円
610万円 - 所得控除200万円 - 基礎控除48万円= 362万円

 

この残った362万円を下記の表と見比べ、税率と控除額を差し引きします。

 

A課税所得金額 B税率 C控除額
1,000円から194万9,000円まで 5% 0円
195万円から 329万9,000円まで 10% 9万7,500円
330万円から 694万9,000円まで 20% 42万7,500円
695万円から 899万9,000円まで 23% 636,000円
900万円から1799万9,000円まで 33% 153万6,000円
1,800万円から 3,999万9,000円まで 40% 279万6,000円
4,000万円以上 45% 479万6,000円

 

362万円 × 20% - 42万7,500 = 29万6,500円(所得税)

 

例の年収800万円の給与所得を得ている人の所得税は約30万円になることが計算によってわかりました。
では、これに不動産収入で200万円の赤字を出した場合でも同じ計算をしてみましょう。

 

年収800万円 - 不動産赤字200万円 = 600万円
600万円 × 20% - 44万円 = 76万円
600万円 - 76万円 = 524万円
524万円 - 所得控除200万円 - 基礎控除48万円 = 276万円
276万円 × 10% - 9万7,500 = 17万8,500円(所得税)

 

このように、給与所得と不動産赤字を損益通算することにより、所得税を10万円以上節税することが可能なのです。
また、通算損益は所得税のみならず住民税でも同じ方法で計上できるので、確定申告を行う際は、所得税と住民税のセットで通算損益を行いましょう。

 

➂青色申告による節税効果

アパートやマンション経営は部屋数が10室以上の場合、事業規模とみなされ、個人事業主として青色申告で確定申告をすることが可能になります。
青色申告は白色申告とは違い、「青色申告特別控除」を受けられるので、65万円の控除が認められます

 

さらに家族がいた場合は、家族を専従者として給与を支払う形にすれば経費として計上することができます
損失を3年間繰り越すことが可能になるので、節税に有利に働くでしょう。

 

仮に事業規模以下の場合でも青色申告で確定申告することは可能で、その場合は10万円の控除を受けられます。
しかし、個人事業主として青色申告をする場合は、事業税として不動産損益から5%の税金を支払う必要があります。
事業税は所得税や住民税とは違い、経費として計上できるので、税金対策の1つとして活用できるでしょう。

 

節税目的でマンション経営をするのはリスクが高い

マンション経営にはリスクがつきものです。
とくに、不動産というのは安い買いものではないので、リスクを理解していなければ失敗した場合に取り返しがつかなくなることもあります。

 

そういったリスクを回避するためにも、マンション経営のリスクをしっかりと理解しておきましょう。

 

マンションが売れなくなってしまうリスクがある

マンションを含め、不動産というのは日々相場が変わったり、安定したりすることはほとんどありません。
また、賃貸物件というのは立地さえ間違えなければ、新築時でそこまで空室が目立つようなことは少ないです。

 

ただ、物件というのは月日が流れると老朽化し、リフォームやリノベーションでも完璧に直すことは難しくなっていきます。
時世の流れで、建てた当時人気だった土地も人が少なくなることもあるでしょう。

 

そういったさまざまな理由によって空室が目立ってきた場合、考え始めるのが売却です。
購入した当時は高額であっても、入居者が入らない物件というのはマンション購入を考える投資家にとってマイナス要因となり、価値を低く見積もられてしまいます。
その結果、購入時の数分の一、もしくはそれ以上に安い価格で売ることになるケースも少なくありません。

 

不動産投資としてマンション経営を行う際は、売却時のリスクを少しでも下げるために、場所の選定や売れなかったときにどう動くべきかを考えておきましょう。

 

利回りが落ちてきてしまうリスクがある

利回りとは、投資金額に対する収益の割合のことを指します。
例えば1憶円で建てたマンションだと、年間家賃収入から年間の経費を引いた年間の不動産所得の金額が500万円だった場合、年間利回りは5%です。

 

この利回りですが、満室であればあるほど利回りが良くなるのですが、空室が増えれば増えるほど収益が減るため、利回りも減っていきます。

 

建築した当初は新築物件として人気が出ても、年数が経っていけば空室が増え始めます。
その場合、空室を埋めるために家賃を値下げするという対処を行うことが多いです。
家賃を値下げして空室を一時的に埋めたとしても、収益が減るため利回りが減っていきます。

 

このように、利回りが下がるというリスクは、どんなに良い立地でも、どんなに良い物件だったとしても有り得る話なのです。
そのため、マンション経営に乗り出す際は、利回り低下のリスクを念頭に入れておく必要があります。

 

マンション経営のリスク回避にはシミュレーションが大事

数あるリスクを回避するためには、事前にマンション経営のシミュレーションをしておくといいでしょう。
現在持っている自己資金や借りる予定のローンの金額と金利、マンション周辺の経済状況、予想入居率など、さまざまな要素が絡んでくるため、個人でシミュレーションを行うのは敷居が高く感じてしまうかもしれません。

 

その場合は、投資マンションに詳しいプロに話を聞くことをおすすめします。

 

東京にある株式会社和不動産は、投資物件をメインに取り扱っている不動産会社です。
定期的にセミナーや個別相談も行っています。

 

また、和不動産では、独自のマンション投資運用システムである「N-RICOS」を開発しており、最適な運用方法を提案してくれます。

 

わからないことはプロに相談をしよう!

不動産投資は覚えることが多いため、一般の人がいくらネットで調べても一度に理解することは難しいです。
また、投資用物件を取り扱っている不動産は多く、どの会社に相談していいものなのか判断に迷ってしまうかもしれません。

 

そこで、複数の不動産会社を一度に比較が可能な「不動産投資会社完全比較ガイド」を参照してみてはいかがでしょうか

 

サイトに載っている不動産会社は、投資のプロが在籍している会社ばかりです。
信頼と実績のあるスタッフが誠心誠意対応してくれます。
いくつか不動産会社を比較すると、自分に合った不動産会社が見つかるでしょう。

 

まとめ

土地活用の一環として、マンションやアパートといった賃貸物件の経営に乗り出す人は年々増えてきています。

 

ただ、投資にはリスクがつきものであり、とくに大きな金額が絡む不動産投資というのは失敗したときのダメージが大きくなりがちです。
できるだけリスクを減らすためにも、専門家との話し合いは必須といえるでしょう。
専門家と何度も相談し合い、リスクを回避しながら安全な不動産投資を始めてみてはいかがでしょうか。

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