オリックス銀行が「不動産投資の45年ローン」を扱っていることをご存じでしょうか?
一般的な住宅・不動産投資ローンの融資期間は35年となっていますので、さらに10年も長い返済期間の設定ができることになります。
今回はこの「不動産投資の45年ローン」について、メリットやデメリット、そしてもしこの45年ローンが打ち切りになってしまった場合はどのような状況が予想されるのか、解説していきます。
目次
不動産投資の45年ローンのメリット・デメリット
オリックスの不動産投資45年ローンは、公式サイトに詳細が記載されていないローン商品ですので、その存在を知らない人も多いかもしれません。
この45年ローン商品は2018年5月より取り扱い開始となっており、対象は若年層、東京をはじめとする9つのエリア、年収や融資限度額などに制限があり、あくまでも試験的に導入されているものです。
これらの条件に合致し、45年ローンを利用できる場合のメリット・デメリットを詳しく解説していきましょう。
メリット①:毎月の返済額が安くなる
借入期間が最長で35年までだったものが45年に伸びることで、シンプルに毎月のローン返済額を安く設定することが可能となります。
月々の負担額が少なくなるため、物件が新築でも中古の場合でもキャッシュフローが良くなり、資金計画に余裕が生まれます。
キャッシュフローとは、不動産投資物件を運用し、家賃収入から管理費などを引いてもプラスになる収益のことです。
メリット②:団体信用生命保険(団信)の保障内容が充実する
金融機関から融資を受ける際に条件となる団体信用生命保険への加入ですが、その補償内容は生命保険(死亡保険金)がメインとなっています。
45年ローンでは、その対象期間が長くなるだけでなく、がん・病気・ケガ・10種類の生活習慣病への保障も加わることになります。
中には、高血圧・糖尿病といった持病を抱えているために、保険への加入が難しくなったり、条件付きでないと加入できなかったりという人もいるでしょう。
ローンの利用には、団信への加入が必須となっていることがほとんどですので、諦めてしまう人も少なくないかもしれません。
しかし、実はこのような人が45年ローンに申請する上で加入できる「ワイド団信」という保険商品も発売されていますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
メリット③:買い増しが有利になることも
ローン審査では、基準の1つに「返済負担率(年収に対する年間ローン返済額)」というものがありますが、金融機関側としてはきちんと返済してもらわないと困りますので、この返済負担率を重視する金融機関は多いのです。
そこで45年ローンを利用すると、月々の返済額が減りますので、返済負担率も下がるというメリットに繋がります。
また、返済負担率が低ければ融資を積極的に行ってくれる金融機関では、不動産投資で2件目以降の投資物件を購入する「買い増し」が有利となることもあるでしょう。
デメリット①:ローン完済までの期間が長くなる
45年ローンの完済上限年齢は84歳となっています。
公的年金の受給は65歳からですので、一般的な定年退職後からさらに20年もローンの返済が続くことに。
老後資金を考えると、ローン返済期間が長過ぎるのは金銭面でかなり厳しいといえるでしょう。
定年退職をする前までに、できる限りの繰り上げ返済を行っていくという返済計画を立てるのが賢明です。
デメリット②:実質の支払い額が多くなる
返済期間が長くなることで、その分の金利も支払い続けていかなければなりません。
月々の返済額は少なくなるものの、結局は総支払い額が多くなってしまいます。
対処法としては、元利均等返済法ではなく元金均等返済法を選び、元金をどんどん減らしていくことで金利を減らしていくのがベストです。
また、月々の返済額で負担が少なくなる分を貯金にまわし、できるだけ繰り上げ返済を行うようにしていきましょう。
デメリット③:金利リスクが高くなる
45年ローンでは全期間固定金利型というものはなく、変動金利型もしくは3・5・7・10年という固定金利選択型から選ぶことになります。
そして金利は通常の住宅ローンよりも少し高め(0.4%~1%)に設定されていますので、全体的に金利リスクは高くなるというデメリットに繋がります。
この点は、ローン返済期間が長い分、しかたがない面ではあるでしょう。
ローン審査の流れ・とおりやすさは変わらない
ローン返済期間が45年という長さになるというだけで、ローン審査の流れやとおりやすさは通常の住宅ローンと特段の違いはありません。
返済負担率が低くなるといった面での通りやすさはあるかもしれませんが、総支払い額が増えることも含めれば、条件はトントンだと言えるのではないでしょうか。
まずはその前に、45年ローンを利用できるいくつかの条件に適用しているかどうかが重要です。
気になる投資物件を見つけたけれども自己資金が少ないという場合には、45年ローンが利用できるかどうか、不動産会社に相談してみましょう。
もし45年ローンが打ち切られたらどうなる?
オリックス銀行の「不動産投資の45年ローン」は、現在試験的に行われているものですので、昨今のコロナショックや首相辞任などさまざまな要因が絡み、突然45年ローンが打ち切られる可能性もゼロではありません。
もし銀行が45年ローンを打ち切った場合は、以下のような状況が発生すると予想されます。
毎月の支払い金額が上がる
返済期間は45年から通常住宅ローンと同じ35年までに圧縮されることになるでしょう。
そうなると、毎月の返済金額が上がる形になります。
家賃収入などからのキャッシュフローも生まれにくくなるでしょう。
市場に出る物件が少なくなる
不動産投資物件を45年ローンで商品化していた不動産会社は、35年にすると返済額が上がるため、仕入れ自体が難しくなってきます。
その結果、市場に出る物件数も減ってくるでしょう。
また、毎月の返済額や管理コストを引くと、最悪なケースではキャッシュフローがマイナスになる可能性も出てきます。
そうなると、2件目以降の買い増しで融資を受けたくても、銀行が貸したがらなくなってくるのは当然の流れかもしれません。
これから始める人は不動産投資会社に相談してローン計画を立てよう
不動産投資に興味を持っていて、色々と調べて勉強している人は、短期ローン・長期ローンの両方にメリットやデメリットがあることもきちんと把握しておきましょう。
個人によって何年ローンが向いているのか、というのは本当に人それぞれ、バラバラです。
特に不動産投資の初心者の場合、自分一人の考えのみで進めていくのではなく、経験や知識の豊富な不動産投資会社にまずは相談するのがベストです。
せっかく自己資金を投入して行うのですから、失敗しないように挑戦したいものですね。
まとめ
オリックス銀行の不動産投資45年ローンは、毎月の返済負担額が少ないという点では、とても大きなメリットがあると言えるローン商品です。
不動産投資へ若年層が積極的に参戦可能となりますので、不動産投資業界を活気づける起爆剤となる一面もあります。
大きな金額が動くことになる不動産投資では、経験値を積み上げていくことも重要な成功ポイントです。
そのためにも、まずは不動産投資のプロに相談することをおすすめします。
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