新型コロナウイルス感染拡大の影響により、国内では事業が立ち行かなくなる事業者が増え、国から持続化給付金が支給されています。
不動産投資で家賃収入を得ている個人事業者についても、今回の持続化給付金の対象となるのでしょうか?
目次
【結論】個人投資家は持続化給付金の対象外
個人で不動産経営を行っている人は、昨年(令和元年分)の確定申告書類で「不動産収入」を申告しているはずです。
今回の持続化給付金の対象となるのは「農業所得」もしくは「事業収入」がある人ですので、個人投資家は対象から外れることになります。
不動産収入として申告したのにもかかわらず持続化給付金の申請をするなどして不正受給した場合は、処罰の対象となる可能性がありますので注意してください。
民泊事業も対象外の可能性大
では、個人で民泊事業を行っている人は、支給の対象となるのでしょうか。
民泊で収入を得ている個人事業主の場合は、「不動産収入」ではなく「雑所得」で確定申告を行っている場合がほとんどでしょう。
どちらの枠で記入したにせよ、民泊事業者で昨年「不動産収入」もしくは「雑所得」として確定申告している人は、今回は対象外となってしまいます。
持続化給付金の対象となるのは「不動産賃貸業を営む法人」
不動産収入を得ていて今回の持続化給付金の対象となるのは、個人事業主として不動産投資を行っている人ではなく、不動産賃貸業を法人化して行っている中小企業に限られます。
不動産収入を事業収入として得ている法人であれば、昨年申告した収入額と今年の月間事業収入を確認しましょう。
持続化給付金への申請のチャンスがあるかもしれません。
緊急事態宣言によってテレワークが大幅に普及し、外を出歩く人影もほとんどないほどの状況であった中、急いで引越しをするという人はそれほど多くはなかったでしょう。
そう考えますと、不動産投資で事業を法人化している場合に、家賃収入(事業収入)が50%以下に減ったというケースは稀かもしれません。
しかし、物件の売却益として、月間事業収入が昨年の対象月の半分以下になったという場合は、持続化給付金の対象となるでしょう。
法人が持続化給付金を申請する方法
不動産賃貸業を営む法人(中小企業)が持続化給付金の申請をするには、前年(令和元年分)の確定申告書別表一(電子申告の日時・受付番号の記載のある控え1枚)と法人事業概要説明書(2枚)の提出が必要となります。
持続化給付金を受けるための条件
今年2020年の1~12月の月間事業収入(月間売上)が対象となり、前年の同月の月間事業収入よりも50%以下となった月が一月でもあることが条件です。
不動産賃貸業を営む法人の場合、給付額は前年の年間事業収入から対象月の月間事業集を差し引いたものに12ヶ月を乗じた額となりますが、その上限は200万円となっています。
法人化した事業年度の開始が2019年もしくは今年2020年の場合でも、特例の適用を受けることができる場合がありますが、個人投資家がいまから法人を設立しても受給できないと思ったほうが良いでしょう。
今後個人投資家が受けられるようになる可能性もゼロではない
持続化給付金は、事業収入額が前年の半分以下にまで落ち込んだ事業者を救済するために支給が決定されたものです。
個人事業主については、当初は「事業収入」のみが対象となっていましたものの、6月にはフリーランスの事業所得者で「雑所得」にて申告している人も支給の対象となりました。
そのため、個人投資家についても、今後支給の対象となる可能性も少なからずあります。すべてはコロナ禍の動向次第だと言えるでしょう。
まとめ
民泊を含む不動産賃貸業で収入を得ている場合は、法人形態に限り、持続化給付金の支給対象となっています(2020年7月時点)。
コロナ感染拡大の第二波がやってきているとも言われる情勢の中、支給条件が変わる可能性もありますので、常に最新情報を確認するようにしましょう。