不動産投資を始めたいと考えている人の中には、「自分は不動産投資に向いているのかどうか分からない」「どんなものを準備すれば良いのか見当がつかない」「不動産投資を始める手順が分からない」と感じ、二の足を踏んでいるケースも多いのではないでしょうか。
不動産投資に限らず、どんなことをするにも初心者にとっては不安が大きいものです。
今回は不動産投資のメリットや注意点と、不動産投資に必要な資金について、そして不動産投資の始め方を初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
目次
不動産投資のメリット
まずは不動産投資でお金を稼ぐシステムを理解しましょう。
不動産投資では、マンションなどの不動産物件を購入価格よりも高い金額で売ることによって得る売却益(キャピタルゲイン)と、アパートなどの不動産を購入してアパート経営により家賃収入(インカムゲイン)を得るという2種類の収益方法があります。
初心者の場合、まずは駅近の区分マンション1部屋など収益物件をローンで購入し、家賃収入によるインカムゲインで確実に収益を作る形を目指すことから始めることが多いです。
不動産投資の仕組みが分かったところで、不動産投資がもたらす代表的なメリット3つも把握しておきましょう。
保険代わりになる
不動産物件や土地を購入する際に自己資金で一括購入できる人は、一般的にはほとんどいません。
では、高額な物件をどのような方法で購入するのかといいますと、たいていの不動産投資家は金融機関でローンを組み、家賃収入によってローンを返済していく形となります。
ここで不動産投資のメリットとなる「団体信用生命保険」の登場です。
金融機関から融資を受ける際に加入が義務付けられている団体信用保険とは、ローンの返済期間中に契約者が死亡・高度障害などになってしまった場合に、保険会社が金融機関へのローン残額返済を肩代わりしてくれるというものです。
遺族はローンを支払い続ける必要がなくなり、家賃収入により生活費も得ることができますし、何より不動産という資産が残るのが大きなメリットです。
老後資金になる
国の年金制度が将来には頼りにならないかもしれないという今の時代、老後の生活資金に不安を感じている人も多いと思います。
不動産投資の利益の1つ「家賃収入」があれば、現役時代には老後資金として少しずつ貯金ができますし、ローン完済後の老後には家賃収入としての不労収入を定期的に得ることができることになります。
最近では老後に嘱託やパートなどで働き続ける人も増えていますが、さらに年を重ね体の自由が利かなくなった時に家賃収入があれば心強いものです。
節税できる
不動産投資により家賃収入を得た場合、その不動産収益についても確定申告をする必要が出てきます。
つまり年度末には、会社からの給与と不動産収益を合算させる形となるわけです。
不動産投資による収益を確定申告する際には、不動産を購入した金額や物件の維持費用などを経費として計上することができます。
総合的に計算すると課税所得が少なくなり、所得税や住民税が還付されるケースも少なくありません。
また、相続税においても、遺産が現金の場合よりも不動産で相続したほうが、納税額が少なくて済みます。
不動産投資は誰でも始められるわけではない!必要な5つのこと
不動産投資では金額が大きくなることから、メリットだけではなくリスクもあります。
以下の5つのポイントをしっかりと認識できる人に向いている投資方法だといえます。
逆に言えば、これら5つのポイントを押さえれば、初心者でも挑戦することができるのです。
不動産投資に関する知識
不動産投資を始めるにあたって、不動産投資をいつ始めるのが良いのか、収益物件を購入後の運用方法など、不動産投資についての具体的な知識を身に付けておくことが必要です。
初心者の場合は、まず不動産投資に関する本を読んだり、不動産投資会社が初心者向けに開催している無料セミナーへ参加してみたり、不動産投資会社でプロに相談してみることから始めましょう。
自己資金
初めて不動産投資を行う場合は、自己資金がどのくらい必要なのか試算してみることはとても大切です。
物件購入の際とその後には、ローン事務手数料、登記費用、火災保険料、印紙代、仲介手数料、不動産所得税、固定資産税などを自己資金の中から支払う必要があります。
不動産投資でかかる初期費用は、総額で物件価格の7~8%ほどが目安です。
中には頭金を必要とするローンもありますので、その場合は頭金の準備も必要となります。
ここでのポイントは、物件価格がいくらなのかによって、必要な自己資金額も変わってくるということです。
中古の区分マンションなど1億円を超えないような収益物件であれば、現在は無理のない資金計画で、初心者や少ない自己資金の人でも始めることができます。
詳しくは、少額で不動産投資を始める方法について解説している記事もご覧ください。
リスク管理
不動産投資で考えられるリスクには、以下の9つがあります。
- ローンを組み変動金利を選んだ場合、金利上昇のリスク
- 税金を納めるリスク
- 物件の空室リスク
- 入居者が家賃を滞納するリスク
- エリアの賃貸需要にともなう家賃下落リスク
- 自然災害によるリスク
- 地価下落リスク
- 建物の劣化による修繕リスク
- 管理を委託している管理会社の倒産リスク
不動産投資ではこれらのリスクはある程度予測可能なため、リスクを回避することもできます。
そのためにも、リスク管理をしっかり行うことが重要になります。
最新情報の収集
不動産投資では、物件の建っているエリアの環境に変化があった場合は、物件価格や家賃相場に影響が出ます。
幹線道路が新たに完成した、新しい駅ができたなどの情報は常に最新のものを集めておくようにしましょう。
決断力
周辺の最新家賃相場をほんのわずかな時間でチェックし、それに合わせて家賃を変更するといった方法を採るなど、空室リスクを回避できることもあるのです。
不動産投資で動くお金は決して小さくない金額ですので、決断力と迅速で臨機応変な対応力が求められます。
不動産投資の始め方を7つのステップで解説!
不動産投資におけるメリットや注意点、必要な5つのポイントをしっかりと押さえることができたら、いざ不動産投資を始める段階に入りましょう。
不動産投資を始める時に踏みたい手順を7つに分けて解説していきます。
①不動産投資の勉強をする
不動産投資についての知識本や、不動産投資家のブログ、不動産投資会社の開催している各種セミナーに参加するなど、できる限りの方法で不動産投資に関する知識を深めましょう。
鮮度の良い不動産情報を手に入れることができるのも、セミナー参加のメリットです。
効率を考えるのであれば、実際に複数のプロフェッショナルの人から話を聞いた方が、すぐに頭に入るためおすすめです。
数多くのプロからアドバイスを受けられる不動産投資会社比較サイトで、まずは相談してみてはいかがでしょうか。
②不動産投資会社を選び、頼りになる担当者を見つける
不動産投資会社は山ほど存在しますので、その中から信頼のおける会社を1社選ぶことは、初心者にとっては難しく不安なもの。
不動産投資会社の比較サイトを利用して、まずは数社から話を聞きましょう。
不動産投資会社は、今後の一連の流れをサポートしてくれる心強い味方となります。
また、複数のプロからアドバイスを受けられますので、ご自身が最も信頼をおける担当者をいち早く見つけましょう。
③投資計画を立てる
「マンションなど不動産を購入して家賃収入を得たい」と漠然と考えて不動産投資を始めるよりも、「老後資金として1,000万円貯めたい」「5年後300万円が目標」といった具体的な目的と目標額を設定するほうがうまくいく可能性が高くなります。
実際に不動産投資の運用が始まると、人生において予期せぬ出来事や、リスクが回避できないといったことが発生する場合もあります。
時には、もっと儲けたいと考えて自らリスクを招いてしまうこともあるでしょう。
そうならないためにも、初期の投資計画をしっかり立てることは必要なのです。
具体的な目的と目標額があれば、それに向かって道を修正しながら進むことができます。
④物件を決める
投資の目的や目標額を決めたあとは、不動産投資会社にていよいよ物件選びです。
具体的な物件を探すのではなく、まずは物件タイプを選びます。
物件タイプ |
物件の概要 |
|
---|---|---|
ワンルーム (区分マンション) |
新築 |
初心者でも手が届きやすい価格。 |
中古 |
新築よりも安く、利便性の高い物件の購入も可能。初心者向き。 |
|
一棟 (土地付きのアパート・マンション) |
新築 |
高価格なため、資金集めが必要。経験豊富な投資家向き。 |
中古 |
新築よりは低価格だが、メンテナンスに気を配る必要あり。投資経験者向き。 |
|
戸建 (土地付き) |
新築 |
建物価格のほかに土地価格分の資金も必要となる。 |
中古 |
新築よりも低価格で、リフォームにより収益性を高めることも可能。 |
不動産投資の初心者の方には、価格的にも中古の区分マンションがおすすめです。
物件タイプが決まったら、エリアを絞り、物件や土地を選んでいきましょう。
⑤金融機関でローン審査を受ける
マンション一棟など、不動産投資物件の価格は一般的な住宅価格よりも高額になるため、金融機関が提供している不動産投資ローンを利用することになります。
不動産投資ローンは、住宅ローンよりも審査が厳しいのが大きな特徴です。
また、融資可能額の幅も広く、一般的には年収の約7~10倍の融資を受けることが可能だとも言われていますが、融資申請者の属性(職業など)の高さによっても融資額は大きく変わります。
一般的な融資可能額については以下の表を参考にしてください。
年収 |
融資限度額 |
---|---|
400万円 |
4,000万円前後 |
700万円 |
7,000万円前後 |
1,000万円 |
1億円前後 |
⑥購入契約
収益物件がアパートやマンション一棟の場合には、日常的な管理を依頼する管理会社も選びましょう。
投資家の住まいと投資物件のエリアが遠い場合などは、入居者間のトラブルや建物のメンテナンスなどに時間を割くのが難しいですので、管理会社が頼りになります。
⑦運用する
ここからが、実際に不動産投資の収益を得るための第一歩となります。
物件購入価格、家賃収入、諸経費などから利回りを算出し、投資計画がうまくいっているか確認しましょう。
最新情報に常にアンテナを張り巡らせ、臨機応変に対応することも大切です。
まとめ
これから不動産投資にチャレンジしようと考えている場合、まずは年収からいくらの融資を受けることが可能なのか確認することから始めるのも良いでしょう。
さらに投資の目的や目標額を定めることで、より安全な資金計画を立てていくことができます。
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