新型コロナウイルスの感染拡大により、日本国内においてもクラスターの発生が増えつつあります。
さまざまな情報が飛び交う中、これから不動産投資を始めようと考えていた人にとっては、現状でどのようにすればよいのかわからないかもしれません。
今回は不動産投資について、コロナショックのいまは投資の始め時なのか、今後注目されるであろう物件などを解説します。
投資物件への影響はあるのか、積極投資は控えるべきなのかなどについても検証していきます。
目次
結論、不動産投資でコロナショックの心配はほぼいらない!
世界の金融情勢をみますと、新型コロナウイルスの影響は株価に大幅な下落をもたらしています。
実際の生活面では、トイレットペーパーやマスクなどの生活用品が店舗の棚から消えたり、感染拡大の可能性から客足が減った店舗では企業活動が難しくなったりしています。
サービス業などでは職を失う人が増えておりさまざまな影響が出て来ているのです。
仕事をしたくてもできない、収入が減ってしまうのが心配、という人も少なくないでしょう。
しかし不動産投資の場合、保有している賃貸物件からの不労所得により収入が滞るという可能性は低くなります。
なぜなら、不動産投資はコロナショックを受けにくい金融商品だといえるからです。
不動産投資がコロナショックの影響を受けにくい理由
不動産投資はコロナショックからの影響が少ないといわれる理由には、以下の2つがあります。
不動産はもともと緊急時に強い資産
投資とは資産を増やすためのツールですので、不動産投資も経済の動きに影響を受けるものではあります。
ところが、その影響は株価ほどの速さ・規模ではやってくるものではありません。
新築マンションや中古マンションなどの販売価格は、国税庁が決定し毎年一回発表する土地の公示時価がベースとなります。
日本国内外で今回のコロナショックのようなことが起こった場合でも、不動産の価格はすぐに変動するという性質のものではないのです。
つまり、不動産は「イベントリスク(予期できない混乱によるリスク)」が小さく、緊急時には強い資産だといえます。
リーマンショックでも影響は少なかった
世界金融経済への危機的影響を及ぼした「リーマンショック」が発生したのは、2008年秋、日経平均株価も26年ぶりの安値を記録する大暴落となりました。
ではその時、不動産市場ではどのようなことが起こっていたのでしょうか。
公的データを参考に、全国の区分マンションの価格指数と東京都における家賃指数について、各年の平均指数を表にしました。
不動産価格指数(年平均) ※全国の住宅用区分マンション ※2010平均=100とする |
東京都の家賃指数(年平均) ※2015平均=100とする |
|
---|---|---|
2008年 |
99.3 |
103.9 |
2009年 |
95.4 |
103.2 |
2010年 |
100.0 |
102.5 |
2011年 |
102.3 |
102.1 |
2012年 |
102.6 |
101.4 |
2013年 |
106.8 |
109.0 |
2014年 |
113.1 |
100.4 |
2015年 |
121.0 |
100.0 |
2016年 |
128.8 |
99.8 |
2017年 |
135.6 |
99.3 |
2018年 |
141.5 |
99.4 |
2019年 |
147.7 |
99.8 |
参考:「不動産価格指数」|国土交通省
「2015年基準 消費者物価指数 東京都区部2019年10月分 家賃0046」|総務省統計局
リーマンショック直後の2009年には、マンション価格が5%程度下がりました。
2010年以降は徐々に上昇し続け、2019年には約1.4倍もの不動産価格となっています。
表からは、リーマンショックの影響による不動産価格の下落は「限定的」であったこと、東京都内の家賃指数はリーマンショックの影響を受けておらず、家賃収入の下落もなかったことが読み取れます。
コロナショックの影響がゼロではない!今後の不動産投資で注意すべきこと
株式など他の投資商品とくらべて、今回のコロナショックでは不動産投資が受ける影響は少ないと予想されますが、ゼロと断言することは難しいです。
では、これから不動産投資を始めるという人は、どのようなことに注意をしていくべきなのでしょうか。
不動産価格が下落する可能性がある
リーマンショックによる不動産価格への影響の解説をご紹介しましたが、今回も限定的な不動産価格が下落する可能性があるといえます。
とくに不動産を売却予定の人は注意してください。
投資家と消費者という両方の立場で購買意識がどのように変化するのか考えてみましょう。
サラリーマンで投資も行っている場合、コロナショックにより給与が減額されることから、現金確保のために資産としての不動産を売却する動きがみられると予想されます。
同じように困窮した状況の人が増えるとマンション市場などに物件が増え、不動産価格の下落へとつながるのです。
消費者側もコロナショックにより給与が減る人が増え、不動産を買っている余裕はなくなるでしょう。
購入マインドが減ることから、不動産価格が下がったとしても買う気にならず、価格はさらに下落していくことになるかもしれません。
大手不動産会社の物件・東京圏の物件が下落しない予想
リーマンショック時の不動産価格下落により、中小企業の中には倒産にいたってしまった会社もありました。
ところが大手の不動産会社は、資本金の大きさにより経営の健全性が維持され、それほど大きな影響を受けませんでした。
また、総務省統計局調べによると、最新データでは全国で東京都の人口増減率が第1位となっており、人の出入りが一番激しいエリアであることがわかります。
とくに単身者の人口が増え続けている東京圏では、単身者用のワンルームマンションに需要が高まり、供給が追いついていないほどです。
以上の2点から、大手不動産会社の物件と東京エリアの物件では、販売価格が下落しないことが予想できるでしょう。
インバウンド向け物件やシェアハウスは需要が減退する
コロナショックで観光業界が大打撃を受けている現在、需要を見込むことが難しい観光客向けホテルや民泊用の物件の購入は避けたほうがよいでしょう。
なぜなら、一時的に空室率が上がるとみられるからです。
複数人の接触がどうしても発生してしまうシェアハウスも、新型コロナウイルスの感染拡大が終息するまでのあいだは、同様に空室リスクが高いでしょう。
コロナショックのいまでも不動産投資を始めて問題ない!
コロナショックとなっている現在、不動産価格の下落が予想されますので売却は控えたほうがよいですが、いまから不動産投資を始めるのは問題ないといえます。
それは、以下の2つの理由からです。
理由①:家賃収入は変動しない
家賃相場は良くも悪くも変動がほとんどない市場です。
株価や為替にくらべて変動リスクにさらされる機会は少ないため、安定しています。
また、賃貸物件間の引っ越しでは、退去費用・引っ越し費用・敷金・礼金などの出費がかかってしまいます。
そのため、コロナショックの影響により給与が減るなど経済状態が悪化した場合でも、より家賃の安い物件へ即刻引っ越すという入居者は少ないでしょう。
つまり、不動産投資家にとっての家賃収入は滞る可能性が低いことになります。
理由②:低金利状態はいまだ継続中
不動産投資で物件を購入する際には不動産投資ローンや住宅ローンを利用する人がほとんどです。
そこで気になるのが金利かもしれません。
金融機関によってはほんのわずか上げたところもありますが、依然として日本では超低金利時代が続いていますので、不動産投資に有利な状況だといえます。
日本の低金利状態は、すでに15年以上にも及びます。
これだけ続いていれば、今後金利を大きく上げる要素は、現時点ではほぼないといえるでしょう。
さらにリスク回避をするには分散投資が重要
投資にリスクはつきものですので、緊急時に強い不動産投資であっても、一点集中で投資を行うのは避けるのが無難です。
分散投資用に発売されている他の金融商品やサービスも調べ、さまざまに組み合わせて、その中で不動産投資の配分を多めにするのがコツです。
世界的経済危機の状況ですからこそ、不動産投資を行う場合には複数のプロの意見を聞くことも大切でしょう。
まとめ
新型コロナウイルスによる経済状況の悪化は、世界的にも予想は困難です。
世界恐慌ともいわれたリーマンショックの際に受けた影響をベースに考えますと、コロナショックによる不動産投資への影響は少ないといえるでしょう。
不動産投資をいま始めようと考えている方は、ご紹介したポイントを押さえてトライしてみることをおすすめします。
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