消費税増税は、個人の財布へのインパクトが非常に大きいものです。金額が大きくなればなるほど、その影響も多いのですが、不動産投資への影響はどのようなものがあるのでしょうか。物件購入の最適な時期とあわせて詳しくご紹介します。
目次
不動産投資に消費税増税の影響はある?
不動産投資は、数千万単位のお金が動きます。消費税増税に何か影響はあるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
消費税がかかる不動産投資の項目
税法上、基本的には土地と印紙税以外の部分に関しては、消費税がかかるものと認識しているとよいでしょう。消費税がかかる費用としては、主に次のようなものがあります。
■建物代
■仲介手数料
■登記手数料
■修繕費、設備投資費用
■ローン契約の事務手数料
消費税増税の影響を見る場合は、これらの項目の合計額で比較するとよいでしょう。なお、新築ではなく中古マンションなどを個人所有者から購入する場合は、事業の対象外となるので、建物価格は非課税となります。ただし、その場合でも仲介手数料や登記手数料、ローン契約、修繕費、設備投資費用は課税対象です。また、毎月支払いとなっている修繕積立金は、組合に対して支払っているものであるため、増税に合わせて積立金がすぐに上がるということはないでしょう。収入として受け取る家賃や駐車場料金も、個人投資に関しては非課税となるので影響は受けません。
不動産購入で消費税増税が適用されるタイミング
スーパーなどの店舗で物を購入する場合は、購入時に消費税がかかります。そのため、増税の時期について悩むことはないでしょう。しかし、住宅などの不動産購入時には、支払いから引き渡しまでに一定の期間を要するのが通常の流れです。
不動産売買の契約をして、ローン決済および支払いが終わったときに課税されると思われがちですが、不動産の引き渡し時を起点として消費税を計算します。不動産の引き渡しとは、不動産登記が完了して、売り主から買い主に所有権が移転した段階です。
そのため、売買契約書の成立と支払いが前払いとして2019年の9月中であったとしても、引き渡しが2019年10月1日以降になった場合は、課税される消費税は10%となります。
ただし、マンションではなく注文住宅の場合は、経過措置として2019年3月31日までに請負契約をしていた場合に限り、引き渡しが増税後であっても、増税前の消費税が適用されます。
不動産を購入するなら消費税増税前?後?
不動産を購入する場合、消費税増税前がいいのか、それとも後がいいのか、どちらがおすすめでしょうか?詳しく見ていきましょう。
消費税増税前の駆け込み需要に注意
不動産投資の消費税は、課税対象額が大きくなるので、できる限り増税前に購入したいという駆け込み需要が増える傾向があります。例えば、課税対象額が5,000万円であった場合、消費税増税前と増税後で100万円もの差異が生じます。個人投資家にとって、100万円は非常に大きな出費となるでしょう。
ただし、駆け込み需要が発生すると、投資家にとって一定のリスクが生じることもあります。需要が増えることによって、資材や人員が不足してしまう状況となるので、建築費の高騰やマンションの品質低下につながりやすくなります。増税後は、住宅ローン減税の控除期間延長などの増税対策もありますので、消費税増税の差を鑑みて購入時期を検討する必要があるでしょう。
消費税増税後は住宅が減る可能性もある
消費税増税後に購入を検討している場合、物件自体が減少してしまうリスクもあります。実際に、2014年に5%から8%に増税した際に、駆け込みで需要が高まったものの、増税後は新設住宅が反動で激減しました。
また、新築物件、中古物件に限らず、市場の需要自体も減少したのです。せっかく投資をしようと思っても、そもそもの物件自体の数が減ってしまうので、投資の選択肢が減ってしまう可能性があります。増税後の建築予定などをチェックするなど、注意が必要です。
まとめ:
消費税増税により、駆け込み需要による価格高騰や増税後の物件減少など、投資家にとって悩ましい状況が続きます。マンションの買い時に悩んだら、専門家である不動産会社に相談しましょう。信頼できる不動産を探す場合は一括査定で比較をしてみてはいかがでしょうか。