不動産投資の確定申告かんたんガイド!必要書類、節税方法も紹介します

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不動産投資を始めてからやっと、家賃収入を得られるようになったという方で「赤字なのに確定申告が必要なのか?」と迷っているという方は多いかもしれません。

結論から言いますと、不動産投資で20万円を超す所得がある場合には、確定申告が原則必要となり、納税義務が発生します。

 

今回は、確定申告(白色申告・青色申告)での必要書類や書き方、確定申告の実際の流れとやり方を解説します。確定申告で経費として計上できるもの、また節税する方法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

 

まずは確定申告の必要書類を確認しましょう

確定申告には「白色申告」と「青色申告」という2種類があり、基本的には事業の規模によってどちらかを選ぶことになります。

どちらの色の申告でも共通して必要な書類は、確定申告書B、収支内訳書(不動産所得用)です。

 

申告書はあらかじめ書いておくと手続きがスムーズに進みますが、書き方がわからない人は税務署で教えてもらいながら手続きできます。

 

白色申告書類の書き方

不動産投資を開始してはじめての確定申告は「白色申告」となります。

確定申告書Bへ不動産経営による家賃収入や給与所得(サラリーマンの場合)などの収入金額、経費を差し引いた所得金額、控除額などを手順に従い記入していきます。還付金があった場合の振込先口座情報についても漏れなく記入しましょう。

 

確定申告書Bダウンロード(PDFファイル):こちらから
確定申告書Bの詳しい書き方:こちらから

 

青色申告書類の書き方

不動産投資の規模が事業としてのサイズになっている場合は、控除額がより大きい青色申告で申告することも可能です。

そして、青色申告では、確定申告書B、収支内訳書(不動産所得用)の他に、複式簿記による青色申告決算書、賃借対照表・損益計算書、青色申告承認申請書が必要となります。

 

青色申告では収支が赤字の場合に3年間の繰り越しができますので、不動産投資を開始後2年目以降は青色申告を行う方が良いでしょう。

 

【注意】減価償却費の算出方法

所得控除と見なされる減価償却費の計算を初回にどう行うかにより、後年の確定申告にも大きく影響します。不動産投資での大きな資産としては土地・建物の2つがありますが、このうち建物のみが減価償却費と見なされ、耐用年数に対して数年をかけて配分計上していく形です。

 

建物の構造による法定耐用年数は、新築物件の場合、RC工法=47年、重量鉄骨=34年、木造=22年となっています。

中古物件で法定耐用年数をすでに経過している場合は「法定耐用年数×0.2」、法定耐用年数の一部を経過中の場合は「法定耐用年数―(経過年数×0.8)」という計算式で算出してください。

 

不動産投資での確定申告のやり方

前年の1月1日~12月31日についての確定申告は、2月16日~3月15日の間に行います。では、確定申告の流れについて具体的に説明していきましょう。

 

①確定申告のお知らせが届く

前年度に税務署へ直接、もしくは郵送で申告した場合には、年明けに「確定申告のお知らせ」はがきが税務署より届きます。前年度に提出した申告書の写しもあわせて税務署へ持参しますと、申告書の記入が楽です。

前年度がe-Taxによる確定申告であった場合には、お知らせはがきは来ないようです。

 

②必要書類をそろえる

不動産所得による確定申告では、ご紹介した申告書や収支内訳書以外にも、以下のような書類が必要です。

 

  • 不動産売買契約書
  • 固定資産税通知書
  • 借入金の返済予定表
  • 登記謄本
  • 賃貸契約書
  • 各保険の払込保険料による控除証明書
  • 医療費控除の明細書
  • 源泉徴収票

 

収支内訳書、白色・青色申告書を自力で書くのが難しい場合には、税務署で手伝ってもらえます。

確定申告の時期には税務署以外でも、各自治体の役所にて特別ブースが設けられますので、どんどん利用してください。

 

③税務署に提出する

税務署へ直接赴き、申告書と添付書類を提出します。確定申告の初心者で、書類の書き方に不安や疑問点がある場合には、税務署員に指導してもらいながら完成させるとよいでしょう。

 

④青色申告承認申請書を提出する(はじめて青色申告する場合のみ)

先ほどから何度も出てくる「青色申告」とは、具体的には区分マンションなどの物件を10室以上、物件を5棟以上など保有しているといった、事業規模が大きい場合に利用することが多い申告方法です。

収支の内訳詳細について一定水準の記帳をすることで、白色申告よりも大きな所得控除を受けることができます。

 

青色申告をするためには、その前年に青色申告承認申請書を税務署へ提出しておく必要があります。青色申告承認申請書を提出しておくことで、来年度の確定申告で青色申告を行うことが可能となります。

 

不動産投資の確定申告では節税にも努めましょう

不動産投資で家賃収入を得たら確定申告をしなくてはなりませんが、以下のような節税対策をすることで、課税所得を抑えることが可能です。

課税所得が少しでも低くなれば所得税額のみならず、住民税などの金額も安くなりますので、できる限りの対策をすることをおすすめします。

 

節税対策①:必要経費に計上できる項目を洗い出す

確定申告時に必要経費として認められる項目にはこのようなものがありますので、見落としがないようにチェックしましょう。

 

  • 税金・・・固定資産税、都市計画税、不動産所得税、収入印紙代など
  • 保険料・・・火災保険料、地震保険料など
  • 業務委託料・・・賃貸物件の管理業務を管理会社へ委託している場合
  • 税理士、司法書士への委託料・・・不動産の登記手続きや確定申告をお金のプロに依頼した場合
  • 減価償却費・・・建物以外にも、パソコンなど不動産経営で使用している設備費用も計上できる
  • 修繕費・・・修理代はその年に全額計上可能。品質向上のための設備投資費は耐用年数にわたり分配計上する
  • ローン金利、手数料・・・物件の購入時にローンを利用した場合
  • 雑費・・・物件視察時の交通費、不動産投資の勉強で購入した書籍代など

 

節税対策②:損益通算する

サラリーマンで会社勤めをしていて給与所得などがある場合は、確定申告にて不動産経営による所得と合算することができます。

会社の年末調整では自宅の住宅ローン控除といった税額控除が適用されます。そこで算出された給与所得控除後の所得金額と不動産所得を損益通算することで、不動産経営による収支が赤字の場合でも所得税などが還付されるケースもあるのです。

 

不動産取得税などを納める必要のある初年度では出費が多いため、特に節税効果が高いでしょう。

 

節税対策③:法人化する

不動産経営を事業規模にして法人化すれば、青色申告の特別控除の適用となり、減価償却費も申告者の好きな時に計上することができるようになります。

また、法人化した際には、家族を従業員として給与額を抑えれば、その分所得税率も低くなりますので、全体的な節税を行うことができるでしょう。

税務署に行く時間がない人は郵送・e-Taxでも申告できる

確定申告は、管轄の税務署へ直接書類を持参しないで郵送したり、e-Taxを利用してインターネットで申告したりという方法もあります。

郵送で提出し申告者控えの返送を希望する場合は、切手貼付の返信用封筒を同封しましょう。

 

国税庁が推奨するe-Taxでは住民基本台帳カードと、ICカードリーダーライターの購入となりますが、長蛇の列に並ばなくて済み、期間中は24時間の提出が可能です。また、生命保険料などの控除証明書貼付が免除されるのもメリットでしょう。

確定申告時に必要な収支内訳書の作成などには、税理士や書類作成ソフトの活用も有効です。

まとめ

不動産投資を始めたら、収支内訳が赤字の場合でも確定申告をするようにしましょう。

目先の家賃収入だけでなく、不動産という大きな資産の運用は、長い年月にわたり節税効果をもたらしますので、あらゆる節税対策を抜かりなく行うことが大切です。

収支内訳書など書類作成で少々手間がかかりますが、税額控除の大きい青色申告がおすすめです。

 

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