公務員が副業を禁止されているのは周知の事実。しかし、不動産投資のような不労所得もこちらの「副業」に含まれるのでしょうか。 結論から言えば、公務員でも不動産投資は可能です。
それどころか、公務員は安定した収入を得られる点から、不動産投資ローンの審査に通りやすく、寧ろ不動産投資に向いている職であるとさえいえるでしょう。
しかし、公務員ではない方たちと比較して、収入や保持できる不動産規模などで、厳密な規制がされているのも事実。公務員だからこそ、注意しなければならない点はたくさんあります。
こちらでは、そんな公務員が不動産投資を行う際に覚えておくべき大事なポイントについてじっくりと解説していきます。
目次
国家公務員が不動産投資を行うための条件
国家公務員には副業が厳しく禁止されていますが、「農業」「太陽光発電」「不動産所得」については例外とされており、それぞれ一定の規模以内であれば副業とみなさず、得た収入をそのまま懐にしまっても懲戒処分を受けることはありません。
しかし、もちろん定められていた規模を超えて無断で副業を行っていたことが発覚した場合には、厳しい処分が下されることになるので、注意しましょう。
規模は5棟10室未満に抑えること
国家公務員が保持することのできる不動産の規模は厳しく制限されています。その規模は、5棟10室未満であること。
5棟未満とは、独立した一軒家などの家屋を4棟までなら保持して良いということ。10室未満とは、アパートやマンション等の貸付出来る独立室数の合計が10室未満であれば保持することを許されるということです。
賃貸収入は年額500万円未満で抑えること
賃貸収入にも厳しく制限が掛けられています。上述の5棟10室未満に加えて、年額が500万円未満であることが前提となります。
例えば、家賃が月7万円の物件を貸しに出す場合、
*7(万円)×12(カ月)=84(万円)
なので、5部屋までなら年額が420万円なので問題ありませんが、6部屋を貸しに出すと504万円となってしまい、懲戒処分対象となります。 自身の保有する不動産物件は、その戸数だけでなく、得られる収入の額についてもきちんと把握しておきましょう。
管理業務は専門の業者か家族に委託しておくこと
公務員には、「職務専念の原則」と呼ばれるルールが課せられています。その内容は、「公務員は自身の職務を全うしなければいけない」というもの。副業禁止の規定は、副業に追われて本業である公務員業務に差し障りが出ないようにするために掛けられた保険とも言えるでしょう。
そのため、例え不動産投資による不労所得を得る場合でも、その管理業務は自らで行うことはできません。仮に自身で管理した場合は、大家業を専業で行っているとみなされてしまい、副業禁止規定に抵触することになります。
管理業務は、必ず管理会社か手の空いている家族等にお願いすることを心がけましょう。
上記の条件を超えてしまった場合
では、上記の5棟10室未満や500万円未満のどちらかの条件を破ってしまった場合、即座に不動産を手放すしか方法はないのでしょうか?
答えはノーです。
仮に、それぞれの条件を超えてしまいそうであれば、勤め先に事前に申請しておきましょう。副業と見なされてしまっても、すぐに規定違反による懲戒処分を受けることはなく、許可が得られれば、問題なく公務員業と並行して不動産投資を行うことが出来るようになります。
ただし、賃貸収入を目的として不動産投資を始めた場合、規模が大きすぎると許可が下りにくくなる傾向もあるようです。
地方公務員の不動産投資について
地方公務員は、国家公務員とは異なり、各自治体で副業に関する規定が異なります。不動産投資に関する規則が設けられていないところもあれば、申請が無ければ一切の副業を許可しないといった規則のある自治体もしばしば。
そのため、まずはご自身のお勤め先にある副業に関する規定を確認してみてください。「同じ公務員だから」と、国家公務員の規則を準拠にして不動産投資を始めると痛い目をみることになります。
規則を守って正しい不動産投資を行う
規定されている条件を超えない範囲で不動産投資を行えば、公務員でない方と同様に投資を行うことが可能です。
副業の限られている公務員にとって、不動産投資による不労所得は貴重な二次収入。上手に利用して収入を増やしていきましょう。