不動産投資をはじめるにあたって、投資用物件の選定や購入手続きなど、すべてを自分ひとりで行うのは非常に困難。基本的には手続きの大半を不動産投資会社へ任せることになります。
自分に不動産投資に関する知識があれば、条件の悪い物件に手を出したり、悪徳業者に騙されるようなリスクを避けられるでしょう。
今回は、そんなリスクヘッジをする上で役立つ資格として、FP(ファイナンシャルプランナー)技能士、宅地建物取引士、マンション管理士、ホームインスペクターをご紹介します。
目次
FP(ファイナンシャルプランナー)技能士は多方面に活用しやすい
ファイナンシャルプランナーとは、個人から中小企業レベルまでのお金、税金、保険、不動産といった資産に関する知識を学べる資格です。
FP技能士自体は国家資格であり、知名度も高いので耳にしたことがある方も多いでしょう。
保険や年金についての知識も学べるため、老後の資産形成について考えるきっかけとなったり、さらなる上級資格を取得してFPとしての独立を目指したりと、何かと活用しやすい資格のひとつです。
不動産投資では、物件購入時にかかる税金や、年間の賃貸収入によって出た黒字にかかる税金の計算など、様々な場面でお金についての知識が求められます。
FP技能士の資格を取得すれば、
*予想する利回りからどの程度の黒字が出るのか
*税金などを納めると年間でいくら手元に残るのか
といった細かい計算をする際に役立つでしょう。
宅地建物取引士は重要資格だけど時間的コストがかかる
不動産に関する資格の中でも、トップクラスの知名度を誇るのが宅地建物取引士。不動産取引に必要な法律知識を持っている証明になります。
物件の購入時には、重要事項の説明など宅地建物取引士資格を持つ人でしかできない業務が定められているなど、不動産業界でも重要度の高い資格です。
国家資格なので、試験の難易度は非常に高いです。そのかわり、建築基準法や宅建業法などについての知識を深めることができます。
不動産取引について詳しくなりたい、業者側から見た不動産の売買取引について知りたい、ゆくゆくは不動産投資だけでなく不動産会社への就職も考えているといった方におすすめです。
ただ、あくまでも不動産投資ではなく不動産取引の法律知識を学ぶ資格となります。取得までに膨大な勉強時間が必要なことを踏まえると、即戦力になる資格とは言えませんね。
マンション管理士は物件の自己管理がしたい方におすすめ
マンション管理士資格では、管理組合の運営サポートや長期修繕計画の見直しなど、物件管理に必要な業務の知識について取得できます。
不動産投資では、戸建てよりもマンションの方が入居者を集めやすく人気ですが、賃貸物件に投資をした場合、管理組合のサポートや、長期修繕計画を建てて物件や設備の定期メンテナンスをするのはオーナーの役割。
「仲介や購入は不動産投資会社に任せ、物件の管理運営は自分でしたい!」と考えている方、自己管理可能な規模の不動産投資を検討している方にとって、役に立つ資格です。
ホームインスペクターなら自分の目で物件状態を診断できる
住宅の寿命や現在の状態など、主に目視で診断するのがホームインスペクション(住宅診断)であり、この知識を取得しているのがホームインスペクターと呼ばれる方です。
中古の物件を購入する際、投資家として避けたいのが住宅の欠陥を見逃したまま不動産投資をしてしまうこと。
投資用マンションを安く手に入れたとしても、欠陥があって数百万円クラスの改修工事を行うことになれば、投資商品としての魅力は下がります。
物件の状態を自分の目で確認できたなら、欠陥住宅に手を出してしまうリスクを下げることができるでしょう。
不動産投資に役立つ資格はあくまで補助として利用しよう
不動産投資は、取得が難しい資格を持っていれば成功するというものではありません。
資格や資格取得のための勉強で得られる知識は、あくまでも不動産投資の不安を軽減するための補助です。
不動産投資をする際は、できるだけ多くの物件について調べ、自分の目で確認し、実際に投資して経験を高めていきましょう。
ただし、不動産投資の初心者がサポートもなくいきなり投資をはじめるのはハードルが高いもの。
信頼できる不動産投資会社を見つけ、手助けしてもらいながら少しずつ投資の経験を積み重ねていきましょう。