ワンルームマンションの不動産投資について魅力や注意点を紹介
単身者向けのマンションを一部屋単位で購入・運用する「ワンルームマンション投資」。
不動産投資のなかでも初期費用が少なく、現物投資のリスクを抑えながら長期にわたって安定的な利益を得やすい投資方法といえます。
しかし、ワンルームマンション投資を始める際はメリットだけでなく、ワンルーム物件に潜むリスクやデメリットについても理解しておくことが大切です。
この記事では、ワンルームマンション投資の仕組みやメリットとともに、押さえておくべきリスクと対策ポイントについてわかりやすく解説します。
不動産投資に興味がある方、ワンルーム投資を始めてみたい方はぜひ参考になさってください。
ワンルームマンションの不動産投資とは
ワンルームマンション投資とは、単身者向けのワンルームマンションを一部屋単位で購入して賃貸に出し、長期的に入居者からの家賃収入を得る不動産投資をいいます。
また、購入時よりも資産価値が上昇したタイミングで売却した場合、購入価格と売却価格の差益を得ることができます。
ワンルームマンション投資は、マンション一棟すべてではなくそのうちの一室(もしくは複数)を購入・運用するため、不動産投資のなかでは比較的リスクが低いこと、元手が少なくても始めやすいことが特徴です。
しかし、一棟投資と比べると得られるリターンは少なく、投資する物件によっては年間収支がマイナスになってしまうおそれがあります。
ワンルームマンションの利回り相場
不動産投資における利回りとは、その投資物件から年間でどのくらいの家賃収入が得られるのかを表す指標のことです。
投資するワンルーム物件を決める際、利回りの数値は一つの選定ポイントとなるため、物件の種類・エリア別の相場は調べておくことをおすすめします。
不動産投資と収益物件の情報サイト「健美家(けんびや)」では、収益物件の市場動向をまとめたマンスリーレポートを公表しています。
2022年10月期における「区分マンション」の利回り相場とともに、その比較対象として「一棟アパート」「一棟マンション」の利回りを下表にまとめました。
区分マンション | 一棟アパート | 一棟マンション | |
---|---|---|---|
全国 | 7.24% | 8.08% | 7.69% |
首都圏 | 6.77% | 7.61% | 6.82% |
北海道 | 12.81% | 10.39% | 8.96% |
東北 | 12.98% | 12.27% | 10.94% |
信州・北陸 | 14.89% | 12.84% | 11.30% |
東海 | 8.61% | 9.44% | 9.07% |
関西 | 7.38% | 8.61% | 8.45% |
中国・四国 | 12.43% | 11.64% | 10.97% |
九州・沖縄 | 9.96% | 9.53% | 9.07% |
参照元:不動産投資と収益物件の情報サイト 健美家(けんびや)『収益物件 市場動向 マンスリーレポート 2022年10月期』(https://www.kenbiya.com/img/press/pre2022-11-01.pdf)
エリアによって違いはあるものの、ワンルームマンションは一棟アパート・マンションよりも利回りが低い傾向にあります。
また、投資物件の利回りは都会ほど低く、地方ほど高い傾向があることもわかります。
高利回りの物件は一見魅力的に映りますが、ワンルームマンション投資においてはそのエリアに賃貸物件の需要があるかという視点が特に重要であり、利回りが高くても賃貸需要が少ないエリアの物件は選ぶべきではありません。
ワンルームマンション投資がおすすめの人
ワンルームマンション投資は以下のような人におすすめの投資方法です。
- 不動産投資にあてられる資金が少ない人
- なるべくリスクの低い不動産投資にチャレンジしたい人
- 短期よりも長期にわたっての資産形成を望んでいる人
- 副業として不動産投資を始めたいサラリーマン
一部屋単位で購入・運用するワンルームマンションの不動産投資は、用意できる自己資金が少ない人やリスクを抑えて運用したい人におすすめです。
ワンルーム物件の需要が高いエリアであれば入居者の確保が容易のため、長期的・安定的な収入を得ることも期待できます。
また、一部屋単位で運用するために手間がかからず、本業のあるサラリーマンが副業という形でワンルーム投資を始めるケースも増えています。
ワンルーム不動産投資の魅力・メリット
単身者向けのマンションを一部屋単位で購入し、入居者に貸し出すことで毎月の家賃収入を得るワンルームマンション投資。
ここでは、ワンルームマンションの不動産投資にはどのようなメリットがあるのかご紹介します。
自己資金が少なくても投資できる
ワンルームマンションの不動産投資には、少ない自己資金から投資を始められるメリットがあります。
アパートやマンションを一棟すべて購入・運用する場合と比べると、一部屋単位で運用するワンルームマンション投資は初期コストやランニングコストが少なく、多くの資金を用意できない方や不動産投資初心者の方も始めやすいでしょう。
また、不動産投資は銀行などの金融機関から融資を受けることができるため、自己資金だけでは手が届かない物件も、他人資本と合わせることで購入できる可能性があります。
ただしローンを利用する際は、頭金として物件価格の1〜2割程度(2,000万円の物件の場合は200〜400万円)を準備しておくのが理想です。
入居者の回転率が高い
単身者が利用するワンルームタイプの物件は、ファミリー向けの物件と比べると入居者の回転率が高いという特徴があります。
回転率が高ければ入居者の入れ替わりも多くなりますが、ワンルーム物件は入居を検討する期間が短いため、一時的に空室が発生してもすぐに次の入居者が決まりやすいのがメリットです。
反対に、ファミリー向けの物件は回転率が低く、長期にわたって入居するケースが多いのが特徴です。
しかし、ワンルーム物件よりも入居を検討する期間が長くなりやすいため、空室が生じると次の入居者が決定するまでに時間がかかり、その間はオーナーに家賃収入が入ってこないことになります。
一部屋単位で運用する不動産投資では、入居の回転率が高く、空室期間が短いワンルームマンションを選ぶことをおすすめします。
節税効果が期待できる
ワンルームマンションに限らず、不動産投資全般に関わるメリットとして挙げられるのが「節税効果」です。
不動産所得は損益通算が認められているため、不動産投資による赤字はほかの黒字所得から差し引くことができます。
所得税や住民税の課税対象となる所得を減らすことで、所得にかかる税金も少なくなり、結果的に節税につながるという仕組みです。
本業のあるサラリーマンは確定申告により、払い過ぎた税金の還付を受けることできます。
ただし、ワンルームマンション投資による節税はすべての人に有効とはいえず、節税効果が見込めるのは主に年収が高い人や一時的に所得が増えた人です。
「不動産投資は節税効果がある」「ワンルームマンション投資で節税できる」と耳にしたことがある方は多いと思いますが、メリットを強調した言葉だけを鵜呑みにするのではなく、実際に投資を行う自分自身の状況を当てはめて考えることが大切です。
マンション投資で知っておくべきリスク
不動産という現物資産を運用する不動産投資には、現物ならではのリスクやデメリットがあります。ここでは、ワンルームマンション投資で知っておくべきリスクについて解説します。
空室リスク
ワンルームマンションの不動産投資において、特に避けるべきリスクが「空室リスク」です。
ワンルームマンション投資は一部屋単位で運用する比較的小規模の投資であるため、マンションやアパート全体を運用する一棟投資と比べ空室による影響を受けやすく、よりリスクが大きいといえます。
ワンルーム不動産投資で空室による損失を減らすためには、空室が発生しにくい物件選びが重要となります。
ワンルーム物件は回転率が高いために一時的な空室が起きる可能性はあるものの、賃貸需要が高く入居者のニーズに合った物件を選んでいれば、誰も入居していない空白期間が長く続くことはないでしょう。
老朽化リスク
現物不動産を運用する不動産投資では、経年劣化による老朽化リスクは避けられません。
建物の老朽化が進むと入居者が入りづらくなり、稼働率や家賃が低下するリスク(損失)が伴います。
古い建物は資産価値が下がるため、当初の想定よりも低い価格で売却することになる可能性もあります。
ワンルームマンション投資で老朽化リスクを抑えるためには、修繕積立金(共用部分の大規模修繕に備えて毎月徴収されるお金のこと)のほかに、所有する物件のメンテナンス費用を積み立てておくとよいでしょう。
また、なるべく築年数の浅いワンルーム物件を選んでおくと、すぐに修繕・メンテナンスが必要になることはありません。
家賃下落リスク
ワンルームマンションの不動産投資を始める際は、家賃下落リスクについても理解しておく必要があります。
一般的に賃貸物件の家賃相場は新築時がピークで、時間が経つにつれて少しずつ下落していきます。
そのため、新築のワンルームマンションを長期にわたって運用すると、購入時よりも家賃が低下するリスクが考えられます。
ワンルームマンション投資で家賃下落リスクを回避するには、はじめから新築物件ではなく中古物件を購入することがポイントです。
また、ワンルーム賃貸のニーズが高い立地を選ぶ、単身者が求める設備を充実させるなど、エリアや入居者の需要を把握し応えることも重要です。
ワンルーム不動産投資を成功に導くポイント
ワンルームマンションの不動産投資を始めるにあたり、インターネットなどで「やめとけ」「儲からない」といった口コミを目にしたことがある方もいるかもしれません。
ワンルームマンション投資で安定的な利益を得るためには、ワンルーム物件ならではのリスクやデメリットを踏まえ、その対策についてあらかじめ検討しておくことが大切です。
ここでは、ワンルーム不動産投資を成功に導くポイントをご紹介します。
築浅の中古物件を選ぶ
ワンルームマンションの不動産投資を始めるなら、まずは築年数の浅い中古物件を選ぶことをおすすめします。
新築マンションは初期投資が大きいうえに利回りは低くなる傾向があるため、投資した資金を回収するまでに時間がかかってしまいます。
一方で、築年数が古い物件は修繕・メンテナンス費用が高くついてしまうこと、入居者を確保しにくいことなどがデメリットとして挙げられます。
このようなリスクとデメリットを考えると、ワンルーム不動産投資を成功に導くには築浅の中古物件から始めるのが最適といえるでしょう。
賃貸需要の高いエリアを見極める
ワンルーム不動産投資で失敗を避けるためには、賃貸マンションの需要、特にワンルーム物件の需要が高いエリアを見極めることが大切です。
地方の物件は高利回りになりやすい傾向がありますが、ワンルームの賃貸需要を考えると、利回りは低くても地方より都内の物件の方が投資に向いているといえます。
ワンルームマンション投資においては空室リスクが特に影響しやすいため、単身の入居者がつきやすいエリアの物件を購入・運用することが成功ポイントです。
入居者のニーズに合う設備を把握する
ワンルームマンションの不動産投資を成功させるには、主なターゲットとなる単身者のニーズに応えることが重要です。
単身者の需要が見込める設備としては、インターネット環境や宅配ボックス、建物内ゴミ置き場などが挙げられます。
また、単身女性が特に重視するセキュリティの面では、エントランスのオートロック設備やモニター付きインターホン、エレベーター内の防犯カメラなども外せないでしょう。
不動産投資会社のセミナーや相談会に参加する
ワンルーム不動産投資を始めたい初心者の方は、不動産投資のプロから直接アドバイスを受けられるセミナーや相談会に参加することも検討しましょう。
不動産投資の知識は書籍やインターネットからも学べますが、不動産に関する最新情報を手に入れたり、自分の状況に合った情報や助言を得たりするには、プロから学べる機会を積極的に活用することをおすすめします。
まとめ
ワンルームマンション投資とは、単身用のマンション物件を一部屋単位で購入・運用する不動産投資のことです。
自己資金が少なくても始めやすいこと、入居者の回転率が高いことなどがメリットに挙げられる一方で、一棟投資と比べ空室による損失やリスクが大きいことはデメリットとなります。
ワンルームマンションの不動産投資を成功させるためには、単身者の賃貸需要が高いエリアで築浅の中古物件を選ぶことがポイントです。
加えて、不動産投資のプロである不動産投資会社から直接学べるセミナー・相談会の機会を活用するなど、不動産に関する知識や情報を自分から学びに行くことも大切です。
まずは信頼できる不動産投資会社に相談し、ワンルーム投資のアドバイスを受けてみてはいかがでしょうか。