不動産投資の市場として、海外を視野に入れている人も多いです。
なかでも今注目を集めているのが「香港」であり、収益の確実性も謳われています。
しかし、昨今続いているデモなど、不安要素も気になるところですね。
今回は、そんな香港における不動産投資について、いま買うべきなのかどうか、おすすめのエリアや物件、デモの影響、香港で不動産投資を行う方法などをお伝えします。
不動産投資の対象として香港を考えている方は必読です!
目次
香港の住宅価格は世界トップレベル
香港の住宅価格や、高層ビルの集積率も世界トップクラスとされています。
香港における現在の住宅価格高騰は、「政府による土地の所有と管理」が一番の大きな理由です。
また、土地が狭い、山が多いという地理的条件からも不動産開発が難しく、持ち家率も低く留まっています。
人口に対し、物件数が圧倒的に足りないことから、どうしても高層ビルの建設が増え、その集積率も世界トップレベルとなっているのです。
それでも香港不動産が人気な理由
そんな香港不動産に注目が集まっているのは、アジア諸国からのアクセスがいいこと、中国の特別行政区でありつつも独立司法であること、バックグラウンドにはますます発展を続ける中国経済があること、税負担が少ないことなどが挙げられます。
地理的な優位性
香港の位置を見ると、日本や韓国、東南アジア各国などアジア諸国からの距離がほぼ同等であり、アクセスがとても良いことがわかります。
ビジネス上で大きなキーポイントとなる時差も1時間程度のため、チャット会議や出張に関しても、アジア諸国から見て、これ以上ない好条件が揃っているのです。
世界一の経済自由度
ヘリテージ財団の行った「経済自由度指数の調査」(2019年)によると、25年連続で首位を独占し続けているのは「香港」です。
イギリスの統治下にあった香港は、1997年に中国へと返還されるまでの100年以上もの間、経済・行政・司法において中国から独立している「1国2制」スタイルにより発展してきました。現在もその状態は続いています。
また、伸び続ける中国経済を背景に、香港は規制緩和や税金の安さを掲げ、自由競争を可能とさせるフィールドとしての存在価値を、自らにもたらし続けているといえるでしょう。
安定した不動産価格
安定した不動産価格なのも、香港が人気の理由です。
不動産の価格は市場の影響を大きく受けるものですが、香港の不動産に関しては世界中の投資家が参加しているため、さまざまな見方や意見を内包し、現在まで深刻な落ち込みにはならない傾向があります。
香港における不動産の持つインターナショナルな面に加え、シンプルな金融体制と自由競争も、不動産価格を安定させる要素だといえます。
香港で不動産投資を行う方法
日本人に限らず、世界中の誰でも香港での不動産投資に挑戦することが可能です。
土地は政府の所有ですので、政府からリースするという形式になり、マンションなど住宅購入では印紙税がかかること、不動産の売買は一般的に弁護士を通しておこなうことも覚えておきましょう。
では、香港での不動産投資を始める手順を解説していきます。
1.エージェント(仲介会社)、弁護士を探す
外国人が香港で投資用不動産物件を探す場合、まずは売り手との仲介をしてくれるエージェントを探すことから始めます。
香港では、不動産物件をリースする際に仲介料として、物件価格の約1%をエージェントへ支払うのが一般的です。弁護士については、日本の弁護士事務所も多く在中していますので、経験豊富なところを探しましょう。
2.不動産投資をする物件の決定と価格交渉
エージェントに希望に見合う物件を複数見せてもらい、決定します。
いよいよ価格交渉となりますが、香港の不動産業界では提示価格よりも低すぎる金額で攻めると、成功率が低いといわれています。
ポイントは、売り手の希望する価格よりも5%ほど安い金額から交渉を始めること。お互いのちょうど中間の価格にて交渉成立となることが多いようです。
3.物件の申し込みと支払い
エージェントにて、売り手も交えて申込書に必要事項を記入しましょう。
支払いについては、売り手と買い手両方の弁護士を通し、小切手にて行います。
価格交渉成立後に手付金として約1%、正式売買契約時に約10%、決済譲渡時に残金の支払いとなり、3段階を経て完了です。
4.名義変更などの手続き
政府への登記や物件の名義変更などは、依頼した弁護士が代わりにおこなってくれます。
投資先としておすすめの地域
香港の不動産において、2LDKの広さを持つマンション価格としては1億円前後が基準となり、地域ごとに価格相場が異なっています。
おすすめの地域は、以下のようになります。
1.香港島
香港経済の中心となっている香港島は、住環境のよさから、最も不動産価格が高いエリア。日系企業のオフィスが多く構える場所でもあることから、日本人にも人気が高いです。
2.九龍
現在は観光地として賑わいを見せる九龍は、アクセスの良さも人気のポイントです。不動産の価格相場は、香港島に次ぐ高さとなっています。
3.新界
新界は1997年にイギリスより返還されたエリアであり、現在では香港島・九龍よりも手頃な価格の物件があることで知られる住宅地です。不動産の売りやすさから、不動産投資家の熱い視線を集めている地域ですので、価格が上昇しつつあります。
反政府デモで香港不動産市場も減退
不動産投資家にとって気になるのは、香港において現在も続く反政府デモではないでしょうか?
6月の株価下落にともない、不動産価格も値崩れを起こしており、販売件数も低水準となっているのが現状です。米中貿易摩擦と反政府デモが追い打ちをかけていて、ハンセン不動産指数も下落の傾向となっています。
長期的な先行きは必ずしも暗くない
しかしながら、逃亡犯条例撤回により、デモは収束傾向となっています。2014年に起こった雨傘運動後も復活したという経緯があるため、大規模なバブル崩壊が起きることも考えにくいです。
これまでの傾向からも、不動産価格の下落は長くは続かないことが予想されますので、新規で投資を考えている人は、復活する前の今がチャンスだといえるでしょう。
まとめ
アジアの経済の中心を担う香港では、その類い稀な歴史的背景と地理的特徴により、特殊な住宅事情となっています。
世界中の不動産投資家が注目している反政府デモも徐々に収束しつつあり、低迷していた不動産価格の復活は目前に迫っている可能性が高いといえます。
香港での不動産投資を考えている人は、ぜひ機会を逃さないよう注視をおすすめします。