不動産投資における収益の根幹となるのが、家賃収入です。ですが、家賃は断続的に入ってくるわけではなく、空室が生まれた場合、当然家賃収入は見込めません。
今回は不動産投資における空室リスクを抑える方法を紹介します。
事前にできる対策は立地条件を加味した物件の選定
空室リスクを事前に回避する方法として最適なのは、立地条件を考慮して物件を選定することです。学生街なのか、ファミリー層が多い地域なのか、周辺環境のニーズに合致した物件を選ぶことで、空室のリスクを抑えられます。
また、人口の増減にも着目しましょう。当然人口が多くなれば、住宅の需要も高まりますし、人口が少なければ需要が見込めません。物件を購入しようとしているエリアの人口動向を把握して、増加傾向にある地域の物件を選ぶ必要があります。
ペット可・ルームシェア可など募集条件を変更する
地域のニーズを考えた際、若者が多く住む街ではルームシェア可の条件が求められていることもあります。事実、株式会社ジャパンネット銀行が2000年以降に成人・社会人になる「ミレニアル世代」に行なった、シェアリング・エコノミーに関する意識調査では、48%の若者がシェアハウスを利用したいと回答しています。[注1]
また、募集条件をペット可に変更するというのも、入居者のチャンネルを増やす手立てです。犬に関しては、厚生労働省による「都道府県別の犬の登録頭数と予防注射頭数等(平成29年度)」を基にすると、東京が51万頭以上の飼育数で最多ですが、次いで愛知県が44万頭と、どの地域がペット可のニーズが高いかをおおよそ洗い出せます。
[注1]ミレニアル世代の“シェア消費”事情は? 利用意向・利用実態を調査
https://www.japannetbank.co.jp/company/news2018/180215.html
[注2]都道府県別の犬の登録頭数と予防注射頭数等(平成24年度~平成29年度)
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/01.html
家賃の見直し
立地条件を考慮して物件を選んだとしても、家賃が周辺相場と大きくかけ離れて高く設定されていたら、入居者確保につながりません。物件を購入したら、周辺にある同等の物件と家賃を比較して、調整する必要があります。
時期によって家賃を調節する
不動産への需要がもっとも高まるのは、新年度を迎える3〜4月頃です。この時期であれば、多少家賃を高く設置しても入居者を確保できます。ですが。閑散期とされている6〜8月に高くしては意味がありません。需要と供給のバランスを考え、閑散期には通常より賃料を下げるといった工夫をしましょう。
リフォームをして入居者を呼び込む
株式会社リクルートホールディングスが運営する賃貸物件サイト「SUUMO」では、物件選びで重視するポイントをアンケート調査。その結果、築年数にこだわると答えた人が59.5%でした。[注3]築年数があまりに経過していると、設備や外観・内観から敬遠されてしまう傾向にあります。
そのため、築年数が経過した建物はリフォームして、入居者確保につなげましょう。
[注3]SUUMO調べ、物件選びで重視するポイント2位「間取り」・1位は?
http://suumo.jp/journal/2015/07/30/94861/
サブリース契約を結ぶ
空室リスク対策として、サブリース契約を結ぶという手段もあります。サブリース契約とは、購入した物件を不動産会社に借り上げてもらう契約です。
不動産会社が物件を借り上げることで、経営、管理を一任できるのに加えて、毎月一定の家賃を受け取れるのがメリットです。不動産会社からオーナーに支払われる一定の家賃ですが、空室時でも発生します。そのため、サブリース契約は空室対策として有効な一手といえます。
サブリース契約は国に登録している業者と結ぶ
オーナーにとって有意義なサブリース契約ですが、契約後のトラブルが多発したために、国土交通省から2018年3月にサブリース契約に関する注意喚起が発表されました。こういったトラブルに巻き込まれないためにも、サブリース契約はきちんとした業者と結ぶことが大事です。
国土交通省は、2011年にサブリース業務を行う業者を「賃貸住宅管理業者」として登録制にしています。まずは、賃貸住宅管理業者に登録しているかどうかを、不動産業者選びのひとつの指針とすることで、不要なトラブルを避けられます。
不動産投資の空室リスクは対策を練れば回避できる
不動産投資は家賃による収益と、売却時の収益という両輪を以って、成功か失敗かが判断されます。成功の第一歩である、家賃収入で利益を生むためにも、物件の立地条件選びや、家賃の見直し、サブリース契約などを講じて、空室対策を行いましょう。
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